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到達装備

「いや…おかしいでしょ」


 深淵の森表層と中層のレベルを考えると、単純計算90レベルは確実にある敵と1対1で真正面から。勝てるわけがない。

 リスポーン地がクランハウス内、一度だけ入った自分の部屋だった事に一瞬驚いたが、それよりも先程の敵に対する驚きのほうが強い。


 無くなっていた装備はブーツだったが、今はどうでも良かった。取り敢えず部屋から出て下へと向かう。1階に下り、部屋の中を確認すると…


「あれ?レンジ君じゃん」

「楓さん…何故?」

「レンジ君こそどうしたの?」

「俺は一応このクランのメンバーなんで」

「へぇー」


 楓さんがソファーに座っていた。楓さんが何でいるのかは知らないが、丁度良い。バジリスクの皮が余っているようであればブーツを、無ければギルドからアサシンスネイクの皮を取ってきて作ってもらおう。


「楓さ」

「あ!レンジ君、ローブ!ローブ出来たよ!」

「…ローブ?」

「深層のやつ。受け取ってよ!」

「あぁ!本当ですか?」

「うん。お金はタダでいいよ。称号が手に入ったしね」

「分かりました」


 何か悪いような気もするが、貰えるらしいので受け取ることにした。トレード画面をそのまま許可し、ステータスを確認する。


====================

『腐邪龍のローブ』☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2600/2600

必要最低ステータス


STR50

VIT50

AGI100

INT100

DEX70

装備ボーナス

VIT80上昇

INT100上昇

【石化耐性Lv.Max】

【魔眼耐性Lv.4】


製作者『楓』

到達装備【バジリスク特攻】

【到達者】専用のローブ

====================


「え?」

「どう!?凄いでしょ!」


 色々とツッコミどころが多いのだが…まず、星の色がおかしい。到達装備とか言うのも分からないし、付与されるスキルも凄すぎる。そして何よりも…


「【バジリスク特攻】?」

「あ、それ到達装備には必ず有るらしいよ?」

「到達装備ってなんですか?」

「100レベル以上の素材で作られた装備、かな?私も良く分かんない」


 …『虚骸のバジリスク』、100レベル有るんだな。そりゃ勝てるわけがない。30レベル近く差が有る。


「ありがとうございます。それと…ブーツ作ってくれませんか?」

「良いよ〜。それにしてもレンジ君、十六夜と一緒のクランなんだね。パワーバランス崩れそう」

「パワーバランスは崩れないと思いますが…楓さんここ来るんですか?」

「専属じゃなくていいらしいからね。外部に売り続けれるってでかいよ?専属のお誘いはよく来てたんだけどね〜」


 確かに、専属では誘われてそうだ。あの人気度合いを考えると、逆に今までフリーだった事の方が驚きだが…懸念する女性率が圧倒的になってきた。メールで確認した所、ソラの友達は男子らしいので男性率を少しでも上げる事には成功したが…まあ、クランハウスにずっといるわけでもないし良いか。


「それにしてもレンジ君と十六夜か〜。新素材が沢山集まりそうだね、沢山売ってよ!」

「蛇の皮いります?」

「あ、それは良いかなー…まだ大丈夫だけどあとちょっとで値崩れ起こしそうなんだよね……」


 あの量が有ってもまだ値崩れしないのは凄いとしか言いようがないが…他の素材となると…それこそツインヘッド2種や甲殻…はダンシンさん向きか。甲殻に関しては鏃として使うことも出来そうだから俺が使うのも普通に有りだ。


「レンジ…ごめん」

「あ、十六夜さん」


 扉が開き、入ってきたのは十六夜さんだった。少し驚いた感じの顔をしているが…


「十六夜何したのー?」

「墓地で…」

「あ、レンジ君だと100レベ超えが相手になるのか…そりゃ無理だよ」

「あれ、どういう仕組みなんですか?」

「今まで倒した敵の中で一番強い敵がアンデッド化と強化されて出現するんだけど…レンジ君だと100レベル超えになるね」


 うん勝てん。せめて同時に母蜘蛛の様な存在も出してほしかった。それだったらまだ漁夫の利出来た可能性があっただろう。それに、普通にやってたら負けないだろうし十六夜さんが驚くのも仕方ないと思う。


「ごめん…」

「全然気にしてませんよ。セコ技で身の丈から外れた敵を倒しちゃった俺が悪いんですし」

「…埋め合わせ、なにかする」

「じゃあ……」


 楓さんが邪魔だな。精霊を見せて欲しいと言って良いのかどうか分からない。俺が召喚すれば意図は伝わるだろうが…そもそも召喚の時に声に出してしまっているし、出来るか?


(【精霊召喚:雷】『ライ』【精霊召喚:闇】『ヤミ』【精霊召喚:火】『ファイ』【精霊召喚:土】『アース』)


「おっ…十六夜さんのも見てみたいです」

「分かった」

「え、なになに!?くっ何も分からない!…私も精霊みたい!!」


 声に出さなくても召喚する事が出来るのを分かったのは良かったが…やっぱり精霊の存在は当たり前のように認知されているんだな。召喚できる属性を隠せたという意味では声無しの召喚も意味が有ったか?

 十六夜さんが召喚した三体の精霊。色からして風、闇、火だろう。火よりも土の方が取得していそうな気がしたが、短剣だけで耐えるのは厳しいか。


「可愛いですね」

「レンジの子達も可愛い」

「見れない!二人とも3体以上持ってるのは分かるけどそれ以外は何も分からないんだけど!?」

「楓、どんまい」

「どんまいです楓さん」


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― 新着の感想 ―
[一言] そういえば死んだってことは影精霊への変異条件リセット?それとも再取得不可?
[一言] 見えたら、レンジはロリコンゆわれるだろうなぁ。 ソラの友達、男の娘だったりして。
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