新フィールドと敵
ジャンル別日間ランキング、下の方ですが乗れました!読んでくださっている方々ありがとうございます
「称号ランキングって何ですか?」
「その名の通り、称号数の順位が出てる奴ですね。メニューから見れますよ」
「へぇー」
確かに、メニューにランキングというものがあり、称号数やレベル、スキルレベル最大数にクエスト達成数があった。他にも、選択出来ない所に、クランがあった。
で、確かに、称号数ランキングの所に一位が5、二位が4で表示されていた。更新も随時更新と書かれているので、俺が二位なのだろう。まあ、俺でも沢山称号を取れてるわけだから、すぐに追いつかれ、抜かされるだろう。地味に、三位が二個で、それ以下は一個だから、レイナさんが3位だというのも分かった。
「それでですね…。この感じだと、次のフィールドでは一体の敵を倒す事すら厳しいかもしれません」
「それは何故?」
この感じだと、確かに時間はかかるかもしれないが、倒せない事は無いと思うのだが。
「始まりの街南部だけ、草原の次のフィールドの適正レベルが高いんです。公式サイトには二次フィールドまで提載されているのですが、一次フィールド、草原が方向ごとに分けられているのに対して、二次フィールドは南部とそれ以外の2つに分けられてるんです。理由は分かりませんが、その影響で南部の適正レベルは30と高めです。私の能力的には当てられる気がしません」
…適正レベル30?まだ二桁にすらなってないんだよ?
「因みに、他の第二フィールドの適正レベルは?」
「10です」
……。一応、全力を尽くそう。まあ、そんなに高いのなら俺等が倒すことが出来なくても、他の人も出来ないだろうから、少しの間は大丈夫なはずだ。
「ステ振りを考えましょう。取り敢えず、弓術はレベル1毎に、当たる率1%の補正が有るので、それを上げるのと、DEX値も結構重要だと思うので、それも上げましょう」
「そうですね。因みに、この空間は討伐後十分しかいれないので、後5分で考えましょう」
「あ、はい」
取り敢えず、俺は弓術と弓技を3に、射撃を2に上げ、STRを10、DEXを20上げた。よく考えれば、弓技Lv.1で『クイック』という、MPを1消費し、速度と威力を若干上げる技を覚えていたのだが、忘れていた。弓技Lv.2では、『ダブルショット』というMP1と矢を一つ消費し、撃った矢に続いてもう一つの矢が発生する技を、弓技Lv.3では『ツインアロー』というMP3を消費し、撃った矢の周囲にもう一つの矢を発生させる技を覚えた。
「私は終わりましたが、終わりましたか?」
「はい。それと、誠に申し訳ないのですが、矢を少しいただけないでしょうか?」
「27本あるので、15本程差し上げます。私よりも、レンジさんが持っている方が勝率は上がりそうですので」
「…多すぎません?」
「いえ、ペースを考えると妥当なラインです」
「そうですか、ではお願いします」
絶対に多いと思うのだが、確かにペースは俺のほうが早いのも確かだ。レイナさんに促されるがままに、矢を15本受け取った。
それから、レイナさんに次フィールドの基本的な情報を教えてもらった。
適正レベルは30。出てくる魔物は、狼や、蛇、蜘蛛などらしい。群れで出てくることも多く、一体一体のレベルも20ぐらいあるらしい。それ以上の詳しい情報は無いらしいが、十分心を折るレベルだ。一体一体が、確実にグラスラビットよりも強い。割と無理ゲーだ。
「じゃあ、行きましょう」
「はい」
視界内に表示された、次のフィールドに行きますか?という質問に対し、はいと答えると、すぐに草原だった周囲が、前方は森、後方は草原という状況に変わった。
弓を構えながらレイナさんの後ろをついていくと、森の奥から50cm程の蜘蛛が現れた。距離は30m程だろうか?まだ気づかれてはいないので、どちらかと言うと命中率の低かったレイナさんに先に撃ってもらうことにした。
「レイナさん」
「はい。『ダブルショット』を撃ちます。私の方が矢の速度は早いと思うのですぐに続けて下さい」
「はい」
言ってからすぐに、レイナさんが矢を放った。勿論、俺もそれに合わせて『ダブルショット』を撃つ。『ツインアロー』でも良かったのだが、周囲に矢を発生させる事を考えると、サイズ的には当たらないかもしれないので『ダブルショット』にした。
勿論、此方に気付いていなく、躱すつもりもない蜘蛛にレイナさんが当てられない訳がない。レイナさんの2撃はしっかりと当たった。だが、衝撃で相手を飛ばす様な事は出来なかった。確かに、俺の2撃も当たった訳だから、怯んではいたが、グラスラビットの時のようにはいかない。
「倒せませんね…」
「そうですね…」
そうなのだ。ビッググラスラビットのHPを5割削る事が出来た攻撃を2撃加えて、更に俺の攻撃を2撃加えても倒すことが出来ていない。流石に、HPの大半は削れていると思うのだが、その8本の足を使って、凄い勢いで近づいてきている。しかも、不規則にジグザグな動きをしているからレイナさんも俺も当てる事が出来ない。
「くそっ」
「当たらない…」
出来る限り高速で撃ち続けた結果、近づかれるまでに3撃当てる事が出来たが、その時にはもう蜘蛛は俺の近くまで来ていた。この頃にもなれば、こんな方法では倒せない事は分かっている。あの時に話し合いをした結果の最善策を今、やるときが来た。
囮戦法だ。俺が囮となり、レイナさんが2撃当てる。これで倒せなければ俺は死ぬが、倒せないのならどっちにしろ死ぬ。
だが、そんな簡単に死ぬ気は無い。蜘蛛が飛び跳ね俺に飛びかかろうとしているタイミングで、俺も2撃当てることが出来、横から矢が飛んできて、蜘蛛は吹っ飛んだ。
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リトルスパイダーを倒しました。
▼ドロップ▼
リトルスパイダーの糸×1
100G
レベルが上がりました。
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深淵の森表層の初討伐者になりました。
▼報酬▼
称号【初討伐者(深淵の森表層)】
STP5
SKP5
スキルレベル限界上昇チケット×1
10000G
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「はあぁぁぁ。お疲れ様です」
「お疲れ様です。囮ありがとうございます」
「いえいえ、全然問題なかったですよ」
嘘だ。正直あれはもうやりたくない。このゲームは、プレイヤーの年齢によりグラフィックは多少変わる。あの蜘蛛は結構リアルで、もうあんなのは見たくない。自分でも、何故あれに矢を打ち込めたのか分からないのだ。もう一回やれと言われても怖気づいてしまうだろう。
「初討伐ボー」
「え」
レイナさんが会話を続けようとした直後、斜め後ろから狼が突進をしてきて、一瞬でレイナさんのHPバーは砕け散った。勿論、レイナさんに限らず俺のHPも10だ。こんな近距離に近づかれてしまえば、勝てるわけがない。俺も一瞬で砕け散った。しかも、死ぬ瞬間に狼が6体いたのを見てしまった為、何か勝てる案が思い浮かぶまでは絶対にここには来ない事を心の中で誓った。