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天文学的確率?

 俺の掛け声とともに出てきたのは…


「……猫?」

「…猫だな」

「まじ?」

「ナーォ…」

「まじか…」


 黒い猫だった。先程のグラスラビットが召喚された時と同じぐらいの大きさの魔法陣の上に、全身が黒色の猫が現れたのだ。


「レンジ、どうするんだ?」

「…【召喚契約】『クロ』」


 見た目が可愛かったことも有るが、別に強さはあれば良いなという程度でしか無かったので、そのまま召喚契約を結ぶことにした。


「…どうだった?」


 ソラが聞いているのは猫のステータスだ。召喚契約を結ぶ事で初めて見ることが出来るようになるステータスだが…


名前:クロ

種族:シャドウキャット

レベル:1

HP:60/60

MP:70/70

STR:3

VIT:3

AGI:4

INT:4

DEX:3

【スキル】

【影魔法Lv.1】【影潜りLv.1】【魔力感知Lv.1】【魔力操作Lv.1】【噛みつきLv.1】【引っ掻きLv.1】【隠密Lv.1】


STP:0

SKP:0


主:レンジ


 俺のレベル1の時と比べると、強いと思う。ただ、職業が無いのでSPの入手手段が少なくなっている事や、レベルアップ毎に何SP貰えるかによって今後はだいぶ変わっていくだろう。


「まあまあ?」

「へぇー…」

「【送還】」


 後でクロのレベル上げをするのは確実として…。今はソラの召喚の続きを見せてもらおう。


「んじゃ、俺の番だな。次はゴブリンの魔石で…【召喚】」


 その声と共に出てきたのは…


「【開放】…オークの魔石だ!…【召喚】」


「……」

「【開放】」


 3連続でグラスラビットを召喚したソラは、軽く頭を抱えてしまった。


「何でだぁぁああああ!?!?」

「…確率ってどのくらいなの?」


 三連続でグラスラビットが出たことを考えると、グラスラビットが出る確率は結構高いのだろうか?それを考えると、シャドウキャットは十分当たりの部類だろう。


「……検証班によると、魔石と同じ魔物の確率が40〜50%…同格が25〜35%…下が20〜30%…上がほぼ0%……」

「へぇー」


 だと…グラスラビットが3連続で出てくるのは奇跡の様な物だろうか。


「……なあレンジ」

「ん?」

「俺さ、運は良い方なんだよ…」

「うん」

「で、なんでグラスラビット3連続?」

「厄日?」

「…すまん。オーガの魔石での召喚は又今度で良いか?」

「良いと思うよ?」


 オーガの魔石の所有権はソラに有るわけだから、いつ使うかは自由だ。俺だったらグラスラビットが3連続で出た奇跡に賭けて召喚してしまう気がするが、それは個人の自由だろうし、口出ししてグラスラビットが出られたら申し訳ない。


「すまん」

「いや、珍しい物を見せてくれてありがとう」

「煽り?」

「…いや…違うと思う。多分」

「自分の事だろうがっ!?」


 純粋に、確率的には天文学的?までいくのかは知らないが、そんな物を見れたことに感謝している。まあ、ソラが弄りやすいキャラをしているからつい言ってしまう様な気もするが、純粋な煽りというわけではない。

 それよりも、


「ソラ。ここまで来て悪いんだけど…」

「ん?」

「教えるの、明日は多分無理だ」

「あ、全然大丈夫だ。てか、やってくれるだけ有り難い。イベントが終わった後でも良いし」

「そう?分かった」


 イベントの存在を完全に忘れていたが、教えるのはその後でも良いらしい。時間が有る内にやっておきたい様な気もするが…。


 それと、イベントだが確か…第三の街の闘技場でのトーナメントだっただろうか?正直、十六夜さんと模擬戦のような事をした時の事を考えると、勝てる気が一切しないので参加したいという気は無い。

 今はイベントよりも明日の事の方が重要だ。教えることに関しては、教えて欲しい日にメールを入れてもらうのが一番良い様な気がするので、そうしてもらおう。何なら俺よりもレイナさんの方が上手いだろうから軽く話してみるのも有りだ。


「……」

「じゃあ、教えて欲しい日にメールを入れて。もしかしたら此方でもう一人ぐらい弓使いを連れてくるかもしれないけど大丈夫?」

「あ、ああ!大丈夫だ。増える分には一切問題ない…と思う」

「……まあいいや」


 最後の『と思う』という発言が気になったが、今は気にしないことにする。




 その後、軽く言葉を交わした後にソラがログアウトをするらしく、一人で再び第五の街迷宮へと移動した。

 目標は…クロのレベリングだ。一撃は攻撃を加える必要が有るというのはネックだが、上手く矢を外して瀕死の状態にすれば一撃を加えることは出来るだろう。


「んじゃ、行きますか」

「んにゃ」


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