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【土精霊の加護】

 今の一瞬でMPを1500近くも消費してしまった。俺としてはVIT値を上げるよりも前に土精霊のクエストをクリアしておきたいのだが、今のMPではキツイだろう。取り敢えず、すぐに土精霊の特殊クエストをクリアすると仮定して、称号で貰える10SPを考え、今持っているSTPの内10ポイント以外はMPに振った。それから、MP回復薬を飲みながら、所々にいるウォーホースを倒したりしながら、MPが回復するのを待った。


 勿論、精霊は召喚していないし、MPを消費するようなことはしていない。闇精霊は召喚前と召喚後で、MP残量の割合が等しくなるようになっている。だから、召喚を解除してMPが最大まで回復した時にもう一度『ヤミ』を召喚するのが一番効率の良いMP回復法となる。


 それから十数体程ウォーホースを倒した頃にMPが大体は回復したので、もう一度行くことにした。今度は最初からゴブリンジェネラルの剣を持って、森へと入った。奥地まで入る気はないが、俺のHPを全損させられる攻撃を受けたい。先程は運良くなのか運悪くなのか、入ってすぐに攻撃を受けることが出来たが、今回はそうはいかなかった。


 仕方がないので、此方から探しに行くことにした結果、少し奥地に入るだけで見つけることが出来た。ただ、団体だ。流石に団体の攻撃を剣で受け止めようとしても死ぬだけなので、その集団は無視して他を探した。それから、数度程団体を見つけた後に、ソロのオーガを見つけることが出来た。


 俺が剣を振りかぶっても、隙にしかならないので、オーガの真正面にあらわれて、攻撃を受けることにした。


「グラァアアアア!!!」

「いっ!?」


 剣術も持っていないのに真正面から受けようとしたのが悪かったのだろう、殺されなかったとはいえ、腕を弾き飛ばされ、左手が変な方向へ曲がってしまったのだ。

 視界に表示される『状態異常:骨折』という文字を見て、慌ててオーガから逃げ出した。流石に、骨折は想定外だった。HP回復薬では骨折という状態異常は直すことが出来ない。状態異常にはそれぞれ、それ専用の回復薬が有るのだ。ただ、骨折の状態異常を回復する回復薬は今は持っていない。


 慌てて弾き飛ばされた剣を回収してから街へと戻り、骨折の回復薬を大量に購入した。骨折にも重さがあり、場合によっては10本近く使わないと治らないことも有るのだが、今回は問題なく1本で治った。

 骨折も治ったことだし、リベンジと行こう。




 それから1時間程かけ、【土精霊の興味】をクリアさせ、回数が増えただけだった【土精霊の関心】もクリアさせた。これでようやく、『密蛇のローブ』を装備できる。【土精霊の関心】をクリアしている間に、レベルが上がることはなかったため、今は丁度20ポイントしかないが、それを全てVITに使う。SKPに関しては、【天射】を上げるのに使った。


 『密蛇のローブ』を装備すると、今の俺だとVITが二倍以上に上昇したことになる。これは普通に強いだろう。まあ、合わせても姉には全く届かないだろうが、それは仕方がない。


 装備条件を満たしたため当初の目的は達成したが、吸魔の森はあまりレベル上げの効率が良くないから、山に行くことにした。倒せるようだったらワイバーンの討伐をやっておきたいのだ。


 ゲームでも山を登るとは思っていなかったが、道中のフォレストモンキーという猿の魔物は、難なく倒すことが出来た。俺が思っていたよりも【気配希薄化】の効果は凄いようで、真正面から向かい合わせにならなければ、攻撃するまでは気づかれることはなかった。


 それから、猿を20体以上倒してから山の頂上へと登った。ボスに挑む条件は満たしている。だから、頂上にたどり着くとすぐに別フィールドへと転送された。


 そのフィールドは特殊だった。今まで見てきたどのフィールドとも違い、今まで見てきたどのフィールドよりも広かった。まず、周囲に壁が存在しない。そして、魔法陣も存在しなかった。ワイバーンは空から飛んで現れたのだ。しかも、着地する様子はない。


「【精霊召喚:火】『ファイ』【精霊召喚:風】『ライ』【精霊召喚:闇】『ヤミ』」

「【精霊魔法:闇】【闇精霊の加護】」

「グラァアア!!」


 その叫びと共に、ワイバーンの口から火球が飛び出した。ワイバーンの大きさは目測14m程。口の目の前から発射された火球の直系は1m無いぐらいだった。ワイバーンまでの距離が50m程は有るので、難なく躱せた。


 それからも、数度程火球を飛ばしてくるが、ワイバーン自身は降りてくる様子がなかった。ワイバーンの今いる場所は魔法が届かないので、もしこれが【遠距離物理】必須のボスだと、大半のプレイヤーはクリアできなくなってしまうのだが…まあ、俺には関係ない。


「【ダブルショット】【インパクト】【ブラスト】」


 狙うのは片方の翼だ。片方の翼を使用できない状態にすれば否応なく落ちてくる。


「ギャァァァアアアア!?!?」


 運良く根本に当たり、その場で爆発したので、ワイバーンはその場から真っ逆さまに落ちた。これで上に向かって矢を射る必要が無くなった。正直言うと、上に向かって撃つなどやったことがなかったので、落ちていてくれたほうが楽なのだ。


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