表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/196

恋愛脳

夏休み終了間際の風物詩とも言えるものが精神攻撃を仕掛けてきたので、もしかしたらこれから先一日2話はキツイかもしれません。

ご了承下さい。

「お母さんありがと」

「良いの良いの。偶には帰ってきて母親らしいことはしないと。で…彼女又は彼氏、家に連れてきた?」

「有ると思う?」

「あ、瑠依に聞いたのは間違いだったわね。蓮司、どう?」

「無いよ」

「そう?それの為にわざわざ家を開けてるのに…」


 因みにこの母親、かなりの恋愛脳である。自身は完全に父親一筋なのだが、子供である俺と姉にはよくそういった話を振ってくる。実際、父親について行った理由の2割ぐらいはそれであるらしい。要するに8割は単純についていきたかったからだろうが、そこは別にいい。

 問題なのが、


「ねぇ、私に聞いたのは間違いってどうい」

「で、蓮司。そういう感じになりそうな女の子はいないの?」

「いないよ。てか、もうすぐ夏休みだし会うこともない」

「おい…」

「ゲームでは?VRゲーム、ようやく始めたんでしょ?タイプの子はいなかったの?」

「いないよ。てか、みんな顔加工しまくってるだろうから興味もない」

「…無視しないでもらえますか…」

「そんなことないわよ。重要なのは中身なんだから」


 この通り、割としつこいのだ。子供の恋愛は一切見逃したくないらしく、根掘り葉掘り聞いてくる。その割には姉には聞かないが、それは諦めてるからだ。最初は断固として姉に彼氏など認めなかった父親も、心配し、最終的には同情した。まあ、そんな感じで姉は諦められていた。

 諦められた一番の理由は俺も鮮明に覚えているが、去年に言い放った『〇〇がいるからいい!』という発言だ。名前は覚えていないが、それが乙女ゲーのキャラだったことは覚えている。

 流石に、今はもうそんな事は言わないが、あの記憶が鮮明すぎて、誰も姉の恋愛事情を聞くことはなくなった。


「…あのー…」

「で、気になる子は本当にいないの?」

「いないって。もう良いでしょ」

「…仕方ないわね。何かそういう子でも出来たらすぐに知らせてね。すぐに援助するし、家に連れ込むタイミングは絶対戻らないようにするから」

「余計なお世話だ」

「…あのー…」

「で、何?瑠依」

「……いや、何でも無い」

「そう。ならさっさと食べちゃいましょ」

「「「いただきます」」…」


 俺や姉が母親に料理を教わった為、母親の料理は俺等が作るものより美味しい。前それを伝えたら当たり前だとは言われたが、次の日のご飯がすき焼きになったので、その手段は偶に使っている。


「母さん。蓮司ゲームでは女の子に囲まれてるよ」

「は?」

「え、そうなの蓮司?」

「…そう見えるだけで、基本ソロだよ。てか、姉ちゃん何で知ってんの」

「泉月に教えて貰った」

「誰それ」

「詳しく」

「いや、特に何も無いからお母さんは落ち着いて。で、泉月さんってだれ?俺の知らない人が俺の情報持ってるの怖いんだけど」

「え?あー、十六夜だよ」

「あー」


 月関連で十六夜っていう名前にしたのか。確かに、十六夜さんからしてみれば俺はレイナさんに呼ばれてきた人だから、常にパーティを組んでいるように思えるかもしれない。


「それ勘違いって伝えといて。俺は基本ソロだし」

「そうなの?凄い仲良さげに話してたって聞いたけど」

「そりゃ、レイナさんとかは良い人だから仲良くはするでしょ」

「へー」

「で、レイナさんって子が…?」

「だから、そういうのじゃないって。もう良いでしょ」

「んー、まあそうね。そういうのになりそうだったらすぐに言うのよ」

「気が向いたらね」


 それからも少しの間アホみたいな話をした後に、ゲームへと戻ることにした。時間は8時前。デスペナ解除まであと4時間は有るので何をしようかと思ったが、楓さんからローブが出来たという連絡が入っていた。まあ、その連絡が来てからゲーム内で1時間ぐらい経っており、楓さんはログアウトしていた。


「何やろう…」


 もう一度弓とかを作っても良いが、あれ以上を作るのは難しいと思うし、精霊使いのレベルが上がってくれたとはいえ、残りSPは両方共5だ。バジリスクを早く倒したいという思いもあり、今はレベリングをすることにした。デスペナ中とはいえ、初めて深淵の森中層でレベリングをしようとした時よりもステータスは高い。問題なく行うことが出来るだろう。




 最終的に、レベルは51に、連撃士が36、精霊使いが24まで上がった。その頃にもなると、何故か魔物が集まらなくなったのだ。それは、俺が目の前に現れてもそうだった。俺が目の前に現れると、何故か逃げ出す魔物もいた。

 なぜかと思い、ステータスを確認してみた所、


【深淵の森中層の殲滅者】

深淵の森中層の全魔物の殲滅者となった者に与えられる称号。

深淵の森中層にて、取得経験値増加。アイテムドロップ率上昇。

深淵の森中層にて、魔物との遭遇率がとても下がる。

深淵の森中層の全ての魔物が恐れ、戦闘を仕掛けなくなる。

深淵の森中層の魔物と戦闘時、

与ダメージ上昇、被ダメージ減少。


 これはやらかしたのではないのだろうか…?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 高レベルになるほど、その適正狩場にずっと籠もらざるを得ないわけで そのうち敵が逃げてくようになるから、他の狩場へ強制退去と 格下へ行けばソコもすぐに強制退去になり、無理に格上へ行けばあ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ