深淵の森中層ボス再戦
現実で少しの休憩をした後、もう一度ログインした。あとちょっとでデスペナルティが解除されるとはいえ、まだ1時間はある。暇だったこともあり、深淵の森表層で木を伐ってから、もう一度弓を作り始めた。
最終的には
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『魔鋼樹の弓』★★★
600/600
必要最低ステータス
弓使いLv.15
STR50・DEX60
装備ボーナス
STR3上昇
DEX4上昇
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製作者『レンジ』
弦が引きづらく市販の物より扱いづらい。
純粋な与ダメージ限界値は300。
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俺が持っている弓の中で最高品質の弓が出来上がった。因みに、その時にはもうデスペナは切れており、ステータスによるこれ以上の品質上昇はあまり見込めそうになかった。それでも、このレベルの武器が出来れば十分だ。一度作ったことが有る物は、レシピとして時間短縮で作ることが出来ることもあり、材料さえあれば手軽に強い弓が手に入るようになるのは大きい。
デスペナルティが切れた事もあり、ある事が知りたくなったので深淵の森中層にもう一度行くことにした。理由は簡単だ。ルトさん達の会話を聞いて思ったのが、あのボスは普通のボスだったのか?という事だ。本来のボスでないのなら、俺の目的は果たせていない。それも考え、中層で軽くレベリングをしてから向かうことにした。勿論、MP回復薬などは買い足しているからアイテム不足を心配する必要はない。
最終的にレベルが5、職業レベルが合わせて7上がった所でレベリングを終了して挑むことにした。勿論、SKPは戦闘系能力に振っている。STPに関しては、MPとAGIを多めに振った。これが今の俺の万全の状態だろう。もう少しレベリングをしたかったりするのだが、夕飯のことを考え…あれ?今日の夕ご飯って姉が作るんだっけ?それだったらもう少し…いや、駄目だ。もしボス戦が長引くと7時に間に合わなくなる。
もう少しレベリングをしたい気持ちはあるが、諦めて戦うことにした。因みに、今俺には特殊クエストが6つほど発生している。全てのクエストの発生条件は同じで、200体のその魔物の討伐。クリア条件が300体のその魔物の討伐だ。
『ツインヘッドベア大討伐』『アサシンスパイダー大討伐』『ポイズンスパイダー大討伐』『アサシンスネイク大討伐』『ポイズンスネイク大討伐』『ツインヘッドウルフ大討伐』
この6つだ。うん。6種類も200体ずつは倒していたと考えると、だいぶ頭がおかしい気がするが、別に死んではいけない訳では無いので、無視してボス戦へと向かう。
転送先は、前回に比べると気持ち小さめで、魔法陣の大きさも小さめだったので、あれは通常のボスでは無いことがわかった。ただ、それでも魔法陣の大きさは15m程あり、まだ俺では勝つことが出来ない気がする。まあ、少しでも長く生き延びて、行動パターンを把握したいとは思っている。
そんな俺を他所に、魔法陣からそれは召喚された。大きめな大蛇のような、エリマキトカゲのような、何とも不思議な見た目をしたそれは、大きさにして13m程。名前はバジリスクだった。
「ジャァァァァアアアア!!!」
勿論、視界内には『威圧のレジストに失敗しました』という文字が表示されているが、気にしない。どうせレジスト出来ないとは思っていたので、バジリスクの動向に注目することにしたのだ。バジリスクの最初の動きは咆哮だった。その咆哮と共に、バジリスクの周囲を紫色の光が流れたため、バフ効果でも付けたのだろう。その間に、俺も動けるようになったため、バフ効果を使用した。
「【精霊召喚:火】『ファイ』【精霊召喚:風】『ライ』【精霊召喚:闇】『ヤミ』」
「【精霊魔法:闇】【闇精霊の加護】」
ギルドで売っていたMP回復薬に、200も回復するものがあった。それ一個ですら2000Gもかかるため、あまり買いたくはなかったが、全力を尽くすためには買う必要がある。
何故なら、このMP回復薬のクールタイムは2分間。それに対して、【闇精霊の加護】で増える魔力は155。二分間あたり、80のMPが回復されるが、それで、火精霊、風精霊、闇精霊の召喚コストを払っても二分間あたり44MPが回復される。
要するに、最大MPが155増えて、2分あたり44MP回復するのだ。
使わないほうが2分あたりのMP回復量は164なので、そちらの方が良いような気もするが、大量にMPを使う【ハンドレッズアロー】などを使いたいので、【闇精霊の加護】を発動している。
他にも精霊使いのレベルを上げたいというのもあるが、まあ良いだろう。
「シャアァァァァアアア!!!」
次にバジリスクが取った行動は、溜めからのブレス攻撃だった。勿論躱したが、躱した所にあった地面が溶け始めたことを考えると、腐蝕攻撃の可能性が…バジリスクだから毒か。ブレス攻撃が毒だと考えると、とてもキツイものがあるが、しっかりとした溜めがあったので、それを見ていれば躱すことが出来ると思う。




