ワールドクエスト
総合評価5桁行きました!
読んでくださっている方々、ありがとうございます!
「…良いよ。約束したのは私だし」
「…いや、攻略の迷惑をかけるのは流石に申し訳なくて…」
「…連絡してみる」
「お願いします」
いや、マジモンのトップランカーの攻略を邪魔しちゃ駄目でしょ姉よ…。あの時にもう少し深くまで掘り下げておくべきだった。
「あ…、レンジで良いらしい」
「分かりました。じゃあ行きますね。称号は俺の事は気にせずに取っちゃってください」
「…うん」
「あ、分かりました…?」
こういうのはさっさと退散するに限る。運営が何を考えてるかは知らないが、称号の取り合いによるパーティーの崩壊とかは考えてないのだろうか?
それから、すぐに十六夜さんに言われた集合場所に移動した。まあ、と言っても集合場所は西の門前だ。風精霊を召喚して移動すればすぐにつく。移動中にパーティーは解除しておいた。
「あ、レンジ。結局手伝ってくれるんだ」
「いや…十六夜さんの手を煩わせたら駄目でしょ…あの人トップランカー」
「いや、『良いよ』って言ってくれたから良いのかと…まあ、チャット越しでも攻略に行きたそうなのは伝わってきたからレンジで妥協したけど」
「妥協言うな」
いや、何様だ。
「まあ、手伝ってよ。これからは夕飯交代制でいいから」
「よし。とっとと終わらせよう。今何処まで行ってる?」
「あとボスだけ。だけど、ダメージを喰らいたくない」
「なんで?…あ、土関連か」
「うん。24時間被ダメージゼロで発生した」
「そんなにやったの?」
「徹夜した」
…。このゲーム面白いから徹夜したくなるのは分かるけども、流石におかしいだろ。
「レベルは?」
「20」
「…よくそんなに上がったね…ステ振りは?」
「大体VIT」
「あ…はい。まあ、それならダメージを受けずにボス倒せるんじゃない?不安だったら土獣とってから攻略すればいいし」
「…徹夜しろと?」
駄目だこいつ。
「いや、徹夜しなくても大丈夫でしょ?」
「取れる物は早く取りたい」
「…チュートリアルボスは手伝うから、それ以降は自分で決めて。全敵ワンパンするから」
「分かった」
因みに、ワンパンする方法は簡単だ。複数の矢を発生させて飛ばす技は、ある程度までは矢の飛ぶ範囲を指定できる。だから、敵全部に当たるような飛ばし方をすれば全部倒せる。勿論、【インパクト】【ブラスト】を使ってだが。
その後、ボス部屋へと行って速攻で終わらせた。
「どう?」
「…強いね。因みに、次のフィールドでノーダメでいれると思う?」
「確か、推奨レベルは10だっけ…?VITは俺全く振ってないから何とも言えないけど、大丈夫なんじゃね?」
「…怖いからまだ初期フィールドでレベル上げをすることにするわ」
「信用ねぇな…。じゃあ、俺は行って良い?」
「…んー、なんかこのまま終わりは癪だから…何か無理ゲー挑んできて」
「は?」
何を言ってるのだろうか?いや、癪って…いや…。
「ほら、何かあんな強そうな技を見せつけられたらさ?」
「いや、全く分からん」
「んー、じゃ、南の方のボスを倒すだけでいいから」
「え?」
それだけでいいならいくらでもやるが…。あれはもう周回パターンまで考えてるからな。一回一回の攻略は時間がかかるけど、負けることはないだろう。
「あ、余裕そうだし、その次のボスで」
「…。…まあ良いよ」
あそこは、誰かがツインヘッドベアを倒すよりも先に様子見はする予定だったし、そのタイミングが少し早くなったと思えば良いだろう。
「行ってらー」
「…他人事だな」
「そりゃね」
「…まあ良いや。丁度行こうと思ってたし行ってくるわ」
「あれ?本当に行くの?結局は行かないんだと思ってたんだけど…」
「いつか行くつもりだったから」
一応、装備もアイテムも問題ないから、すぐにでも行ける。
「じゃ、行くね」
「あー、頑張って」
それから、姉と別れてからすぐに深淵の森中層に移動した。一応、先程のボス戦で使用したMPは回復してある。
「よし、行くか」
転送された空間はツインヘッドベアの空間よりも全然大きかった。それに、中央に出現した魔法陣も今まで見た中では圧倒的に大きかった。
「え、おいおいおい…」
「グガアァァァァァアアアア!!!!!」
視界内に当たり前のように表示される『威圧のレジストに失敗しました』という文字。まあ、それが出てくるのも仕方がない。相手の見た目はほぼほぼティラノサウルス。全体的に重みを感じさせる見た目をしている為、若干ティラノサウルスとは違うが、ほぼほぼ一緒と考えていいだろう。
種族名は『堕ちた中級土竜』確かに、若干黒っぽいような気もしなくはないが、これは時間いっぱいまで逃げれば良いゲームなのだろうか?それとも倒さなきゃいけないのだろうか?倒さなきゃいけないとなると、確実に今の俺では不可能だ。
俺がそんな事を考えている内に、土竜は溜め時間を終えたのか、咆哮と共に浮かせた右足を全力で振り下ろした。
それと同時に、土竜の周囲の地面から尖った岩が出現し始めた。それは全方位へと広がり、威圧により動くことが出来ない俺はなすすべなく吹き飛ばされ、死亡した。
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特定条件を満たしました。
ワールドクエスト『Invisible Black Haze』
が進行しました。
以後、特定条件下にて
特殊ボスが発生します。
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一章終了です。まあ、明日も更新しますし、今日の午後には軽く設定を上げようと思います。




