姉。ゲーム参加の気配
「…行こう」
「はい。ユウさん、レンジさん。行きましょう」
「分かりました」
「はい!」
それから、案内されるままに迷宮区へと進み、迷宮への入り口へと来た。道中、どう連携を取るかを説明されたりしていたが、迷宮区へとつくまでに全てを話し終える事は出来なかった。
「あっ…レンジさん、悪い話と良い話が有るのですが、どちらが良いですか?」
「?じゃあ、悪い話からお願いします」
「…レンジさんはまだ迷宮をクリアしていないので10層までクリアする必要があります」
「別に悪い話とは思いませんが…」
「そうですか?なら良かったです。因みに、良い話は10層まで行く間に連携を取る練習が出来る。という事です」
どちらも良い話のような気もするが、何故それを悪い話というのだろうか?
「6層からは罠が追加されますのでとてもストレスが溜まるかもしれないですけど、頑張りましょう」
「罠、ですか?」
「はい。十六夜さんが罠感知をレベル最大まで上げてくれているので十六夜さんの指示に従えば問題ないとは思いますが、正直、ストレスは溜まります」
「…面倒くさい。レンジ、一人で行ける?」
「え!?十六夜さん。時間省略のためにも皆でいきましょうよ」
「時間はかかるけど…そっちの方が良い。二人のレベル上げが出来る」
要するに、俺が一人で攻略している間に他三人でレベルの底上げをするということだろう。俺は今SKPが1余っており、【闇精霊の観察対象】のお陰で、1ポイントで【罠感知】を取ることは出来る。確かに、一人で攻略をするのは出来ないことはないと思う。
「えっと…レンジさんどうします?」
「…まあ、一人でも別に問題ないとは思います。多少時間はかかりますが」
「…よし。じゃあ、そういう事で」
「その…じゃあボスに挑むのは明日にしませんか?」
「何故?」
「現実の時間はもうすぐ5時になりますし、夜は出来ない人が多いかもしれませんので」
5時?もうそんな時間になっているのか。6時には一度止めて、次に再開するとしたら8時ぐらいだろうから、確かに今日中にボスへと挑むのは無理な気がする。
「そう…。じゃあ、明日のいつにする?午前は無理」
「私はいつでも行けます。もう夏休みに入っているので」
「私も多分いつでもいけます」
「俺も明日はいつでもいけます」
終業式は明々後日なので、問題ない。けど、レイナさんの学校は夏休みに入るのが早すぎないだろうか?私立だったことは覚えているが、そういうものなのだろうか?
「じゃあ、明日十六夜さんがinしたら行きましょうか」
「分かった」
「分かりました」
「はい」
その後、少しだけ話し合いをした後に、別行動を取ることになった。レイナさん達は9層でレベリング。俺は9層までの攻略だ。
早速俺は迷宮へと入り、攻略を開始した。レイナさん曰く、今の所は全部の階層で、階層数+10レベルの魔物が出てきていて、10層までは全ての敵がゴブリン系統らしい。
ただ、1層だとレベルは11。なにも苦戦すること無く倒せてしまった。
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迷宮内で討伐を行いました。
▼報酬▼
称号【迷宮挑戦者】
STP5
SKP5
スキルレベル限界上昇チケット×1
10000G
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「おぉ!?」
今までの中で一番簡単に取れそうな称号だ。これだったら誰でも取ることが出来るだろう。それから、そのポイントは全てAGIに振って進んだ。
その後、洞窟内だったため少し弓は使いづらかったとはいえ、5層の中ボスエリアまではサクサクと進むことが出来た。時々、ゴブリンマジシャンなどの少し面倒くさい敵が出てきて、一撃は攻撃を貰ってしまったが、HPは回復していたので半分は残っている。一撃で半分近くも削れたと考えると、大分大きいが回復薬はまだ残っている。大丈夫だろう。
そしてようやく、俺は5層の中ボスへ挑むための扉の前まで来ていた。そこは一応セーフティーエリアになっているようで、時間が押している事もありログアウトした。
※※※※※※※※※※
「姉ちゃん。ご飯作るの交代制にしない?」
「言い方は?」
「お姉様、ご飯作るのを交代制にしていただけないでしょうか」
「だが断…らん。良いけど、そんなに面白いの?私の友達もハマってたけど」
「普通に面白いよ。2週間後に始めてみたら?」
「なんと!」
「なんと!?」
「ここにソフトが有るのです!」
…。……はっ?姉が泥棒になるとかそういうのは絶対に嫌なのだが、これはもう駄目なのだろうか?今手に入れる方法など、とてつもなく大量にお金を払ってまだ始めていない人にゆずってもらうしか無いと思うのだが、多額の金を姉が払ったとは思えない。
「何を考えてるか知らないけど、その右手を止めなさい。何通報しようとしてるのよ」
「え、だって…確か、自首すれば少しは罪が軽くなるだろうし…」
「勝手に犯罪者にしないでよ。これはしっかりと友達に貰ったものなんです〜」
「嘘だー。誰がくれるんだよそんなの」
「βテストの景品として貰ったらしいのよ」
βテストの景品としてソフトが貰えるのは上位10名のみだ。地味に、尚康が10位だったりしたお陰で俺は貰うことが出来た訳だが、姉もその恩恵を受けることが出来たとなるとどんだけの確率になるのだろうか。
「何?信じてないの?マイペースな子で、友達は少ないけど良い子なんだよ?」
「いや、友達の情報は別に要らないから」




