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雄叫び

僕ピッコマを結構読むんですけど、この作品を今更ながらに見つけました。

ピッコマとかって雲の上の存在だと思ってたんで多分書籍化の打診を頂いた時と同じぐらい驚いたんじゃないかな……。



 半分程度は目眩ましのつもりで放った2000本の矢を、下位災獣が真っ向から迎え撃とうとしてくれたおかげで眼球へと至った矢。【矢刻ノ雪】の効果もあり、すんなりと突き刺さった事で下位災獣は大きな雄叫びをあげた。


「ガァァァアアアア!!!!」

「よしっ」


 しっかりと両目に突き刺さった事で視界を潰す事には成功したのだが……それ故に、下位災獣が見境無く暴れだす。俺の【領域射撃:防殺陣】の様な攻撃を水の槍、氷の槍を使って行ったり、自身の体を使ったタックルの攻撃を見当違いの所──と言ってもグドラの眷属がいる所──へとやったりとしていた。


「……感知能力が無いのか」


 よく考えればクラの真下からの攻撃も躱せていなかったのだから、それで間違いないだろう。目を潰した事で発生したチャンスを逃す事が無いようにクラ、ロストにも声がけをしながら攻撃を叩き込む。


「【サウザンドアロー】【エンチャント】『水』」


 残MPは3000程。丁度……、


「【領域射撃:攻殺陣】」


 一撃が放てる。

 暴れ狂う下位災獣の周囲に展開された100の歪みから射出され続ける矢が、どんどんと下位災獣へと突き刺さっていく。勿論下位災獣も抵抗して水、氷などで鎧を作るのだが……水精霊であるティア、氷精霊であるスノウの力によって弱められ、相当数の矢が突き刺さるのを許してしまっていた。


「……まだ倒れない」

「ジャアァァァ!!!」

「シャァァアア!!!!」


 クラ、ロストが【領域射撃:攻殺陣】の後を追う様に攻撃を食らわせる。突き刺さった矢が落ち、徐々に治りつつある目を見て若干の焦りを覚える物の、出来る事も少ないのでチマチマと攻撃を食らわせ続け──


「アアァァァァァァ──」

「……なんだ?」


 今までに無い、断末魔の様な雄叫びをあげた下位災獣に警戒心を強め、ふと新たな気配が近くに存在する事、それに近づく──


「ラスアタ、もらいっ!!」


 男が飛び出し、下位災獣へと斬り掛かる。【矢刻ノ雪】の効果は貫通耐性の低下なので斬り掛かるのに対してどの程度作用するのかが分からないのだが、俺が付けていた傷跡を広げる様に、男の攻撃が加えられた。


「はっ、詰めが甘え。ボーナスは俺が貰ってくからな!」

「……」


 そういえば、災獣討伐における貢献度以外にも、討伐者ボーナスの様な物がイベントにあった事を思い出す。……が、男が何を言っているのかはいまいち理解が出来なかった。その存在を気にする必要が無いかの様に動く下位災獣を見て、まだ結構なHPが残っている事が伺えたがそれ以上に、


「そこ、逃げた方が……」

「あ?ラスアタ掻っ攫われんのが怖──」

「ガァ──」

「ピャァアアア!!!」


 斜め上から降り注いだ鳥の足が男の上半身を消し飛ばし、一瞬でポリゴンへと変えていった。先ほどの断末魔の様な雄叫び以降あまり動かなかったのは……こいつを呼んでいたからなのだろう。


「仲間を呼ぶって災獣も使うんだな」


 属性は……翼を動かす事無く空中に浮けているので恐らくは風属性。少し大きくした鷹の様な見た目だが、劣化災獣だろう。グドラがいる以上負ける気はしないのだが、下位災獣と同時攻略となると相当な苦戦を強いられる。


「クロ、コリィ、一回退避」


 殆どの眷属を殲滅し、後少しで全滅させようとしていた二体を呼び戻す。クロに関しては鷹に急襲されても何とかなりそうだが……コリィは絶対に無理だろう。ミラージュバタフリーという種族であるコリィは物理無効、魔法無効の性能を持つとても強い種族なのだが……魔法を伴う物理攻撃は掠るだけで即死する。HPが1固定、物理無効と魔法無効が同時には発動しない故にそうなのだが……風を纏っているだろう鷹にコリィが掠るだけで死んでしまうのだ。


「……【送還】『コリィ』【召喚】『ラド』」

「ルルルルル」


 コリィの麻痺効果が欲しく、少しは悩んだ物のコリィを丸一日召喚できなくなるのは辛いのでコリィを【送還】し、ラドを【召喚】する。レベル上げの優先順位が一番低いため現在のレベルが140程度しか無いラドだが……下位災獣の下の劣化災獣なのだからなんとかなるだろう。


「ラド、鷹を抑えて。俺も協力する。クロはライオンの討伐に参加して」

「ルルル」

「んにゃぉ」


 さて……、仕切り直し──


「あ、あの!!参加しても良いですか!?」


鳥の鳴き声をカタカナで書くと何故か気が抜けるんですよね……。

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[一言] 馬鹿が死んだ おや?今度は誰だろう
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