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縛りプレイ

「なんか打開策有ると思うんだけどな…」


 今は取り敢えず連射をしながら逃げる。勿論、全ての矢を弾きながら熊は追いかけてくる。怒りで我を忘れているのか、あの風の刃は使ってこないだけましだが、それでも走り続けるのはきつい。このゲームにスタミナという明確な表示は無いが、限界AGLに対して、どのくらいの割合で走っているかでスタミナの減りの量は決まる筈だ。だから、俺はなるべくゆっくり、長く走るようにしなくてはいけない。


 数十分程走り続けた時、ある転機が訪れた。矢がずらされたのだ。しっかり見ていたのだから、見間違いな訳がない。俺が目を狙って撃った矢は、耳に当たるかと思われたが、少し軌道がずれて当たらなかったのだ。

 熊が風の刃を放ってくる事も考えれば、後は容易に想像がつく。


熊は風の鎧を纏っている。


 ただ、分かった所で何の解決にもならない。要するに、あの剣が刺さった理由は、風の鎧の内側から攻撃できたからだろう。もしくは、風の鎧が飛び道具にしか効果をなさない、か。どちらにしろ、俺があの熊を倒すためには限界まで近づいて一発で倒す必要が有るわけだ。無理じゃね?


 予想でしか無いがあの熊の体力は四桁近くあるだろう。そのHPを、限界純粋与ダメージ150の弓で一発で削る必要がある。と。


無理だ。


「無理げぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇ」

「「ガアァァァァァァアァァァァァ!!」」


 それこそ、相手の防御力を無視してダメージを与えられるような武器が…ん?


「ん?んんん?」


 確か尚康に貰った弓は固定ダメージじゃなかっただろうか?ん?これいけるのか?

まさかこれを予見して…恐るべし尚康。


 まあ冗談はおいといて、実際に使えるようだったら尚康には全力で感謝をしておこう。取り敢えず顕現させ、熊に一撃を放った。


「「ガアアアア!!!」」

「おぉぉぉぉぉおおおおお!!!!刺さった!まじ!?」


 これで熊には10ダメージを与えた事になるのだろう。後はこれを繰り返せば勝てる。


と行くほどこのゲームは甘くない。30回程当てると、熊が俺を追いかけるのを止め、フィールドの中央へと移動したのだ。しかもそこに居座り、俺が撃った矢はへし折り、時々思い出したかのように、軽めの風の刃が飛んでくる。


「ふっざけんな!?お前それ、俺じゃあどうやってもHP削れねえじゃねえか!」


 いくら撃っても全て腕で叩き落とされる。限界速度で撃っても、両手を上手く駆使し、全てを叩き落とされる。逆に撃つ間隔が狭すぎると、2本同時に叩き落とされたりもする。しかも、叩き落とす腕の振りに合わせて、偶に風の刃を放ってくるのだ。


「ざけんな!まじ!ふざけんな!」


 慣れてきたのか、熊が風の刃を放つ感覚が狭まってきて、避けるだけで精一杯な状況になってしまった。熊の正面から逃れるためにも右に全力で走っても、熊がその場で少し横を向けば正面になってしまう。


「なっめんな、らぁぁあ!!!」


 もうここまでくれば完全に遊ばれている。どうせ矢を放っても叩き落とされるだけだから、剣を構えた。勿論、何も出来ない。出来るのは威嚇ぐらいだろうか?

 後は、風の刃を斬


「はぁ!?…そうじゃん魔法じゃねえか!?」


れるわけがない。風の刃は魔法なのだ。もしかしたら剣技の中には魔法を斬るものがあるかもしれないが、俺じゃあ無理だ。


「ん?魔法?んん?MP消費どうなってんだあいつ?」


 いくらMPが多かろうが、魔法は魔法。MPは有限である。熊が風の刃を放っている以上、いずれ熊のMPは切れる。MPさえ切れてしまえば、あとはこっちのものだ。

 実際、それは正しかった。それから10分程避け続けて粘った結果、熊が一切風の刃を放たなくなり、俺に近づいてこようとしたのだ。もう勝ちゲーである。MPが無いと嘘をついている場合を警戒し、限界まで離れながら『弓術士の弓』で攻撃し続ける。最初は入らなかった矢が、いまなら気持ち良いぐらいにすんなりと入っていく。


 …そして、数分後に俺はツインヘッドベアを倒す事が出来たのだ。


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フィールドボスを倒しました。

▼ドロップ▼

ツインヘッドベアの肉×6

ツインヘッドベアの毛皮×5

ツインヘッドベアの牙×3

8000G

レベルが上がりました。

レベルが上がりました。

職業レベルが上がりました。

▼MVP報酬▼

ツインヘッドベアの肉×3

ツインヘッドベアの毛皮×3

ツインヘッドベアの牙×2

ツインヘッドベアの双剣×1

3000G

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深淵の森表層のフィールドボスの

初討伐者になりました。

▼報酬▼

称号【初討伐者(深淵の森表層)】

STP5

SKP5

スキルレベル限界上昇チケット×1

10000G

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====================

特定条件達成により、

称号【深淵の森表層の覇者】

を獲得しました。

▼報酬▼

STP5

SKP5

スキルレベル限界上昇チケット×1

10000G

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====================

特殊クエストのクリア条件を満たしました。

『闇精霊の興味』

▼報酬▼

称号【闇精霊の観察対象】

STP5

SKP5

スキルレベル限界上昇チケット×1

10000G

====================

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特殊クエストが発生しました。

『闇精霊の関心』

クエスト達成条件は、

一回も死なない。

自分のレベル以上の敵をソロで倒す。

0/200

自分のレベル以上のボスをソロで倒す。

0/2種類

です。

====================

====================

特殊クエストが発生しました。

『火精霊の興味』

クエスト達成条件は、

一回も死なない。

HP一割以下の状況で合計1時間以上

ソロで死闘を繰り広げる。

0/1:00:00

です。

====================


「…一回も死なないっていうのは縛りなのか?」


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