登録パーティ
全く書かない日が少しあったせいか唯でさえ低い文章力が……orz
頑張らないと。
「どうするかな……」
『麒麟の招待状』という名前であるイベントは3日後、日曜日の丸一日を使って行われるらしい。その間はゲーム内での時間進行が通常の5倍……要するに、現実の10倍の速度で進むらしく……8時から8時まで開催されるらしいそのイベントは相当大きな物なのだと伺わせられる。イベントの参戦条件は称号【神の調べ】を保有している事。それさえ保有していれば第一陣、第二陣に関係なく参加する事が出来るらしい。
因みに、レベル100に満たないプレイヤーは全員が一時的に【麒麟の寵愛】という加護を所有してレベル100相当のSPが付与されるらしく、第二陣であってもしっかりと戦える様にはなっているらしい。
で、何に頭を悩ませているかと言うと……。
「これ、グドラ召喚できるか?」
イベント内容は至ってシンプルで、麒麟によって転送された先で災獣を倒そうというもの。それ故に、災獣の中でも脅威度がトップレベルらしいグドラを使って良いかが怪しいのだ。幾つか討伐可能数の項目があり、一番上が1体だけなのでそれが災獣になると思っているのだが、イベントの討伐対象にすらなる災獣……でもあるグドラがどうイベントに影響を与えるのかが想像できない。グドラが召喚出来るか出来ないかで俺の戦闘力は大きく変わるので出来ないと少し困る。まあ、今しても意味の無い悩みではあるのだが。
「……仕方ない、それは置いとくか」
一息ついてから、改めてイベント告知を眺める。グドラの件を置いておいたとしても、他にも問題は存在するだろう。強くなったとはいえ、まだ俺では他者の力を借りないと災獣を倒せない──それどころか、即殺され得る事が間違いなく一番の問題だ。【侵食】というスキルを必ず保有する災獣を放置してイベントを終わらせられるとは思っていない。必ず災獣を倒す必要があるだろう。
このイベントが4つの転送先で行われ、転送先はランダムで選択される以上運要素が多大に含まれるのは間違いないが……登録パーティを同じ所に転送出来る機能もあるのでそれを誰かと行うのも、イベントクリアを目指すならば視野に入れなくてはいけない。
「誰か誘うか?」
誘うとしたら真っ先に浮かぶのが姉と雫先輩。ただ、雫先輩に姉を会わせたいとは到底思えない。それに、姉を誘うと追加で十六夜さんも来るだろうし……【PRECEDER】にあまり参加していない俺が引き抜くのは都合が良すぎるだろう。そういった意味では雫先輩は適任……か?
「いや、レイナさんが追加で来そうだな」
お互いに好敵手の様な感じで意識しあってるだろう雫先輩にレイナさんだ。イベントで勝負の様な物をするのは想像に難くない。別の召喚先に行って勝負する可能性も有るが……俺が同じ立場にいたら同じ場所で戦おうとするので彼女等もそうである可能性が高い。
「……一人でやれるだけやってみ──」
そんな事を考えていた矢先に、軽快な通知音と共に雫先輩から俺の思考を読んでいたかのような連絡が飛んでくる。内容は大体想像した通りの、イベントを一緒にやってみないか?という物。雫先輩から送られてきたのは多少想定外ではあるがそれ以外は……レイナさんも誘っておくという物も想定内だ。誘われたのだから……と【PRECEDER】に少し罪悪感を覚えつつも有り難く参加の意思を伝える。
「【PRECEDER】にはまだ6人いるし……パーティからあぶれたりする人はいないよな?」
本来であればいつも一人で行動している俺があぶれるべきだが……古代湖の地下にあった研究所の情報やグドラの事を考えると、今回のイベントは前回以上に真面目に取り組みたい。まあ、いい人ばかりだし許してくれるだろう。
「……ってかよく考えたら麒麟ってどうやって封印から抜け出したんだろうな」
近くにいる、未だ封印され続けている『朱雀』を眺めながら、そんな疑問を口に出す。『朱雀』『白虎』『玄武』『青龍』と『麒麟』が同じ人工守護神獣であっても別の存在である事が関わっているのかもしれないが……想像する事ぐらいしか出来ない。『麒麟』だけが抜け出せるのであれば、この結界に精霊や獣、竜の力を込めれば壊せる気もするが……。
「無理か」
当たり前ではあるのだが、ヤミ達に出来るか訊ねても良い返事は貰えなかった。折角会話が出来る様になった筈のヤミが禄に会話をしてくれないのは悲しいが……。
「とりあえず、イベントまでにファイとかライが進化できるように頑張るか」
会話をしてみたいという俺の欲がメインでは有るが、現状それが一番の戦力増強手段だろう。
サラッと流してますが2回進化(変異)で会話が出来るようになります。
14人全員同時会話とかいうカオスな事になったら書くのがヤバそうです。




