ソロ本戦9
短くてすみません……キリが良かった(?)ので。
「本気、出す」
「は」
今までのは何だったのだ……と言いたくなる様な発言をしながら、急接近してきた十六夜さん。
当たり前だが、近寄らせるのは危険すぎ──
「【ショートワープ】【【血剣抜刀】】!!」
「っぅ!?」
攻めの姿勢で使われた【ショートワープ】のせいで、背中から腕に渡る二本の掠り傷をつけられる。
血で伸びた量が短かったのか良く分からないが、斬りつけられたというのに死ななかった事に驚きつつも迎撃に移ろうとして……、
「【流血一閃】」
動きながら【流血一閃】を放った十六夜さんが視界に入った。
「【ショートワープ】ッ!?!……あぶ──」
「【流血一閃】」
「ぅあ?」
痕が、赤黒さを増していく。
片方を躱したとはいえ、一撃を受けてしまったせいで何が起こるのかがよくわからなくなってしまった。
一時的に離脱してくれた十六夜さんの一挙一動を見逃さない様に……。
「【固血残心】」
双剣が、赤黒く染まった。
と言っても躱せなかった左側の方だけなのだが、あれは斬りつけられたらヤバいと見ただけで思わされる様なヤバさだった。
「【ショートワープ】」
「【領域射撃:防殺陣】……ッ、【ショートワープ】!!」
「【血剣抜刀】」
受けてはいけないという一心で使ってしまった【領域射撃:防殺陣】のデメリットを早急に【ショートワープ】を使う事で補いつつ、バックステップを使って距離を取り、もう一つの【領域射撃】を放つ。
「【領域射撃:攻殺陣】」
「【ミラージュ】」
「【領域──」
「【納刀】」
しっかりとつけられた痕をなぞるように斬りつけられた事を自覚しながら……俺の意識は闇の中へと包まれていった。
最終結果が1位十六夜さん、2位ルトさん、3位ハントさんで4位が俺……という、3位決定戦で情けない勝負をした俺はベスト3に入る事が出来なかった。
3位以内はもらえるポイントも多かったので、入れれば俺が欲しかったアイテムなども入手できると思っていたのだが……3位に入れなかった俺は案の定とも言うべきか、欲した『住民票(未登録)』は手に入らず、ルトさんの手に渡ってしまった。
古代湖の下にある研究所に安置されていた、幾つかの銃器などを使うのに求められる『住民票』。弓があるので遠距離攻撃には然程困っていないのだが、欲しい物は欲しかったのだ。
ファイ達に居場所を教えてもらっていたというのにハントさん相手に即殺されたのも情けなすぎるし……もう少し、真面目に鍛えなおそうか。
他のプレイヤーの戦闘も書こうかと思っていたのですが、想像以上にイベントが長引きすぎましたのでこれ以上話数を増やすのもあれなので止めました。
要望があれば書こうとは思いますが、次話から数話掲示板回を入れ、新章に入りたいと思います。(場合によっては閑話という形で他者視点による他プレイヤーの戦闘回が入るかもしれません)
新章……1週間飛ばすかどうか悩んでるんですよね……。




