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根性!

  視界内に表示された『次フィールドに行きますか?』という質問に対してはいと答え、森の入り口へと転移した。尚康の情報では、フォレストラビットとフォレストウルフという二種類の魔物しか出ないと聞いているが、用心して進む。三次フィールドまあ、第二の街周辺の草原に出るためには二次フィールド、今いる場所で20体以上魔物を倒してから、ボスであるフォレストベアを倒さなくてはいけない。


 まあ、ここの適正レベルは10。ソロであっても15ぐらいあれば問題ないと尚康が言っていたから問題ないと思っている。

 実際、奥地に進む間に5,6体程倒したが、フォレストウルフは2発、フォレストラビットに至っては1発当てるだけで倒すことが出来た。

 その後もサクサクと相手を倒すことが出来、気づいたらボスのフィールドに移っていたようだった。


 ある場所を中心に木の生えてない場所があり、その周囲に木で出来た壁が有る。ボスフィールドはそんな感じだった。俺がその空間に転移してから10秒経ったタイミングで中心地に熊が現れた。

 硬直時間を狙って矢を当てようとしたが、


「ガアァァァァアァァ」


熊は咆哮を上げ、回避した。


「は?てか硬直なしかよ」


 そこからは単純だった。俺を攻撃するために近付こうとする熊と、近づかれないように、そして離れすぎないように距離を保ちながら矢で攻撃する俺。AGI値が150もあればこんな最初の方のボスに追いつかれる事など無い。時々外したりしたが、5分もすれば倒し切る事が出来た。


====================

フィールドボスを倒しました。

▼ドロップ▼

フォレストベアの肉×2

フォレストベアの毛皮×3

フォレストベアの牙×1

800G

▼MVP報酬▼

フォレストベアの肉×1

フォレストベアの毛皮×1

フォレストベアの牙×1

フォレストベアの魔石×1

300G

====================


「よし終わった」


 あまり難易度は高くなかった。これに比べたらレイナさんと協力してようやく倒せた蜘蛛の方が強かった。視界内に表示された『次フィールドに行きますか?』という質問に対してはいと答えると、目の前に草原が広がっていた。所々に、緑色の小さな人型をした、いかにもゴブリンといった風貌の敵が見えるが…と考えていた所で脳内に着信音みたいなのが流れるとともに、視界に『応答/拒否』という選択肢が現れた。勿論、拒否する理由がないので応答する。


「もしもし」

『あ、もしもしレンジさんですね?』

「そうですね」

『今何処にいますか?』

「第二の街前の草原にいます」

『…じゃあ、第二の街のギルドにすぐに来ることって出来ますか?』

「出来ますね」

『じゃあ、来てもらえませんか?』

「良いですよ元々行くつもりでしたし」

『じゃあ、待ってます』

「はい」


 突然の着信音にはびびったが、元々行く予定だったギルドに呼ばれただけだった。

少しゴブリンと戦おうかと思っていたが、予定を変更してギルドに直行する。このフィールドは、街に行くだけだったらゴブリンを倒す必要もなかったので丁度良かった。


 門から中に入り、中心部へと歩いていった。基本的には始まりの街と大差なかったが、所々でプレイヤーが物を売っていたり、装備のレベルが高かったりと、最先端を伺わせられた。

 基本的に始まりの街とはギルドの位置関係は変わらず、迷うこと無くたどり着く事が出来た。始まりの街とは違い、行列は無く、皆中に入っていたので、俺も続いて中に入った。


「あ、レンジさんさっきぶりです」

「さっきぶりです?」


 ギルドの中に、レイナさんは一人でいた。勘違い少女も一緒にいるのではと考えたが、あてが外れたようだった。


「色々と話したい事が有るんですが…すみません。深淵の森のボスに勝手に挑みました」

「はい?」


 深淵の森のボス?今のレイナさんのレベルは16だ。到底勝てるとは思えない。てか、ボスと戦う最低条件である、フィールド内の敵を20体以上討伐する。っていうのをレイナさんは達成してるわけだ。それに、何故謝られてるのかが分からない。


「えっと…お疲れ様です?因みにどういう経緯でそうなったのかとか教えてもらえますか?」

「はい。レンジさんがログアウトした事もあり、深淵の森を攻略するのは無理だと考えたので、ユウさんと第二の街を目指すことにしました。到達は出来たのですが、ユウさんはログアウトしてしまったので、手持ち無沙汰になったので挑みました」

「…よく20体倒せましたね」

「あ、それは他種族を巻き込んでやったので…。で、ボスなのですが私とは相性が最悪でした」


 STR特化のレイナさんと相性最悪となると、回避特化だろうか?だと、狼又は狼の群れがボスなんだろうか。


「ツインヘッドベアって言ってその名の通り2つの頭が有るのですが、多分AGIとINT値がとても高いです。走って接近してきて攻撃されるか、風の刃を飛ばして攻撃してきましたので」

「…無理ゲー?」

「いえ、多分レンジさんとの相性はそこまで悪くないはずです。速いと言っても流石にレンジさんより速いことはないでしょうし、風の刃もよく見れば見つけられます」


 逆に風の刃はよく見ないと見つけられないという意味になっているのだが良いのだろうか?…確か、【視力上昇】は『見やすくなる。』とか凄い曖昧な書かれ方をしていたが、それで見えるようになったりはしないだろうか?


「で、多分私が行っても邪魔になるだけですので、他の方に攻略される前に攻略してきてくれませんか?どうせだったら知り合いが称号を取っていたほうが良いので」

「…レイナさんが一緒に来るとかは無いんですか?」

「死んでしまうと報酬は受け取れませんので、行くだけ無駄です」

「…そうですか。でも今行った所で勝てる気がしないのですが」

「そこは何ていうか…根性で。ついでに新フィールドの初討伐報酬も貰ってきて下さい」


 …根性?


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[気になる点] ~用心して進む。三次フィールドまあ、第二の街周辺の草原に出るためには二次フィールド、今いる場所で20体以上魔物を倒してから、ボスであるフォレストベアを倒さなくてはいけない。 三次フィ…
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