クラン戦7
人間『えぇぇ……』って実際に言うものなんですね。
何を見てとは言いませんが本当にかんs
4ッ!!
さほど時間をかける事無く殲滅する事ができたのかすぐに戻ってきたラド、コリィをルトさんも確認したのか、ようやく戦闘が始まった。
第一手は向こうの弓使いによる、一本の矢だった。本当に何のスキルも付与されていない一本の矢だったので、開戦の合図の様な事をわざわざしてくれたのだろう。
当たり前だがその攻撃を無視するわけもなく、空中で撃ち落としたのだが……二本目の矢は敵陣地へとそのまま進んでいってしまった。
「……【追撃】の弊害が思ったよりでかいな」
距離にして凡そ100m程先にいるルトさん達。教えてもらった【蜃気楼】を考えると、一番最初に戦う事になるのはルトさんで間違いないだろうが……、
「ッ、【領域射撃】」
「んー、舐め過ぎじゃないかい?」
「真正面から出てくるルトさんには言われたくないですね!」
「そういうつもりじゃないんだけどなぁ」
【気配感知】【気配探知】を使い、且つ精霊達にも細心の注意を払ってもらっていた中で真正面に現れたルトさんに、衝動的に【領域射撃】を放ってしまう。ルトさんの職業は竜騎士王という何ともあれな職業らしく……何の効果ものせられない2000本の矢は全てしっかりと受け止められた。
「クラッ!」
「楽しいねぇっ」
「躱さないでくださいよっ【インパクト】【ブラスト】【ペネトレイト】」
「いやぁ、あれ躱さないとやばそうじゃないか!」
俺の掛け声と共にルトさんがいた場所を中心に出現したイソギンチャクの様なムカデの数々。相変わらず見るだけで心へのダメージが……何なら此方へと移動してきている方々の中には止まって……いや、あれクラの尻尾部分に攻撃を受けてるな。彼処にもイソギンチャクが生えている。
「って、ダメージ受けてない!?」
「そりゃ、僕の唯一の取り柄だからね!……っと」
「【ハンドレッズアロー】【インパクト】【ブラスト】!!」
「ッ、やっぱ、気軽には、近づけないか【蜃気楼】!!」
「【領域射撃:攻殺陣】」
「んなっ!?」
ルトさんが驚いた理由だが……【領域射撃】はそれぞれで攻撃の基点となる場所が予め定められている。通常状態、防殺陣は俺の身の回りなのでわかりやすくて良いが……攻殺陣は敵対心、要するにお互いを認識出来ている状態でのみ使う事が出来、必ず対象を基点として攻撃する。これのおかげで、一度お互いに認識した対象であれば、見失っていても必ず当てる事が出来る、必中の攻撃なのだ。
これに【インパクト】などを付与できれば本当に強かったのだろうが……。
「ラド!!ブラッドレイン!」
「ルルルルル!!!」
「ッチィ、【ファランクス】【アンチポイズン】!!……【ヒール】違うのか!」
「魔法お願い!!」
「【蜃気楼】!!」
【ブラッドレイン】。ラドが持つスキル、【血魔法】の中で一番重要とも言えるスキルで、ラドが広げた翼の下にのみ血の雨が降り、それに触れた者に問答無用で『流血』の状態異常を付与するスキルだ。
改めて考えるとコリィが麻痺、グドラが毒、ラドが流血、ロストが石化……と俺の従魔は状態異常の攻撃が好き過ぎる。
「……ルトさんは一回下がったのか。あっちもあっちで状態異常にかかると思うんだけど」
【ブラッドレイン】でかかる『流血』は、ちょっとした特殊効果なのかHPを最大まで回復しても解除する事が出来ない。普段の『流血』との違いに驚いたのかルトさんは一度下がってくれたが……、
「チャージ……は流石に出来ないよな。なら、こっちから行くか」
MP回復薬を飲み、万全の状態にしてからあるスキルの準備をする。と言っても距離を見て弓を上へと構えるだけなのだが。
「クラ、タイミングよく避けろよ。【ハンドレッズレインアロー】【インパクト】【ブラスト】」
弓王技を最大レベルにした際に覚えた、全ての矢に衝撃効果を付与する【レインアロー】。貫通力や攻撃力が上がって超遠距離への攻撃にも使える代わりに、スキル命中補正が大幅に下がって自力で当てる必要がある上に着弾まで時間がかかる。元々の矢の飛距離はSTR値に+50〜100をした程度なのだが、レインアローの際はその距離を大幅に超えるのだ。何故上に打ち上げてるのに飛距離が伸びるのかは謎だが。
「……10秒後ぐらいか?なら、【ハンドレッズアロー】【インパクト】【ブラスト】」
上と横からの同時攻撃、理想を言えば半分程度は倒れてほしいのだが……。
「【クイック】」
「ッ、【ブラスト】」
突如横から来た素早い矢に、ブラストを使っての対応を余儀なくされる。風を使って方向をずらそうと考えたのだが……結果論で言えば必要なかったな。
「レンジさん、討ち取らせてもらいます!!!」
この1話での消費MPが1万超えてんのどういう事なんですかね……。
残MP凡そ3000。




