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クラン戦4

友達に誘われてブラウザ三国志を再開したんですけど……

やばいですね。寝不足がもうやばい。

「おいおいおい……頭おかしいなおい!」

「え、やばいっすねリーマンさん」

「レンジだっけ〜?頭おかしいんじゃないの?」


 俺の視界に入らない所、グドラの侵食領域の最外部に眷属達が集まっていく様子が見えたのでちょっと盗聴した結果、リーマン、要するに【瞬光】の人達が攻めてきているのが分かった。当たり前のように効いていないグドラの毒に、眷属の人海戦術。15人程度の人達にグドラの眷属は押され始めていた。


「……んー、仕方ない。コリィ、お願い。クロも行ってきて」

「んにゃ」


 半分程度は別方向に散っているとはいえ、それでも50体近くの魔物がリーマン達に向かっているのだ。例え眷属達が毒を主とする戦い方をしているとしても、【瞬光】の強さが伺える。

 今まではコリィにリーマン辺りへ影を落としてもらい、クロの影同調で声を拾っていたのだが……まあ仕方がない。

 今は……後ろのほうがやばいのか?






「おい!?どうなってんだよここは!?」

「えっと、確認できた魔物は事前情報にあったポイズンマザーツリーの眷属一式、追加で……あぶなっ、ちょ、バジリスクさん待ってください。えっと……後は戦い方からしてデスセンチピードがいますね。進化してる可能性も有るんで気をつけてください」

「サブマス!?手伝ってくださいよ!?」

「いえー、私はどちらかと言うと検証特化人げ」

「サブマス!?矢、敵襲!!」


「よし」


 後ろにいた厄介そうな人にロストの後ろからヘッドショットを決める。手応えはあったのだが……、


「痛いですねー……一発で根性装備持ってかれましたよ。敵、方向バジリスク。恐らく標的のレンジさんですねー。私会った事無いんで知らないんですけど、皆さん頑張ってください」

「え、だから、参加してくださいよ!?」


 当たり前のように根性装備を持っているか。ナオ曰く、サブマスは良く分からない人らしいが……今は道中で少し見に来ただけなのだ。上手く時間差でも付けられたのか、30人近くの敵を相手にロストとクラが寄せられてしまっている。

 そう、30人程度の人数に主戦力2体が寄せられてしまっているのだ。【瞬光】のクランランクは確か4。クラン最大人数は100名。そんな人数がいるかどうかは分からないが、従魔4体の力を借りる事無くまだ半数近く残っている敵を倒さなくてはいけない。


「……ッチ」


 スキルを使えない今、この人数を相手にするのは難しい。別に使ってもよいのだが……それをしてしまえば、俺が残りの半数近くの相手を倒す手段がなくなってしまう。


「レンジさんをここに引き付ければぶっちゃけ勝ちですからねー。何なら倒しちゃいましょー」

「いや、ちょ!サブマス!?少しずつこっち人数減ってるんスよ!?まだ眷属倒しきれてないですし!」

「いけますいけます。2体、レンジさんが変な事しなければ、従来の魔物通りなら全く問題ないですよー。特にバジリスクは見慣れてますしたとえレベルが高かろーとね」


 俺から目線を逸らす事無くそう言い続けるサブマスに少し怖い物を感じたが、それなら大丈夫だ。確かに、ロストはバジリスクだが……クラは違う。多分、あのサブマスだったらすぐにでも気づいてしまうだろうが……、


「……予定より減りが早いですねー」

「ちょ、呑気な事言ってないで!!」

「んーあ、無理そうですねー少し下がりましょー」


 抜けて良さそうだ。




「……抜けましたかー」

「サブマス?」

「じゃ、攻撃しましょう。土魔法使える人間は全員でアースウェーブを。それ以外の人間は魔物の足止めです。多分デスセンチピード、複数います。場合によっては二桁近く出てくるかもしれませんが頑張りましょー」

「サブマス、さっきのは」

「一番やばいのがレンジさんですからねー。てか、私がレンジさんを知らないわけがないでしょうが。隠すこと無く精霊を大量展開とか、もうやんなっちゃいますよー。てか、精霊11体いたように見えたんですけど気の所為ですかね?限界でも7体の筈なんですけどねー」




「見つけた」


 視界に入った大量のプレイヤーにそれを率いるルトさん。近くにナオもしっかりといるし、俺が知ってるようなプレイヤーも数人は固まって存在している。丁度良い、固まってるんだったら……、


「【サウザンドアロー】【インパク──」

「「「「「「ジャァァァァアアアア!!!!」」」」」」

「──ト】!!?ッチ、なんでっ!空からっ!バジリスクが!?」

「答えてあげようか?」

「お願いしま……は?」

「じゃ、始めよっか。レンジ君」


 空から降ってきたバジリスク()に全力攻撃の方向転換を余儀なくされ、その後も落下してくるバジリスクの死骸を躱す事すら難しくなり……余裕がなくなる。

 聞き覚えのある声でそんな事を言われたので、つい答えてしまったが……気がついたら……。



真横にルトさんがいた。


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