パーティ予選2……?
今月中に従魔出すとか言ってたんですけど厳しそうですまじすみません。
更新回数増やすんで許してください。
オーガジェネラルが倒されはしたものの、その後に良く分からない狼のマザー種の様な魔物が召喚されたのを確認してしまったため、ソラの勝ちを確信する。そもそもマザータランチュラ一体だけでもパーティを壊滅させかねない力が有ると言うのに……それと同じ様な能力を持った狼。ソラが後何体の魔物と召喚契約をしているのかは知らないが、ソラが負ける未来が想像できなかった。
召喚された魔物達がいなければ他のプレーヤー達が余裕で勝てるのは間違いないが……そんな事が起きるわけもない。ソラ曰く朱雀が召喚させてくれなくて無理ゲー極まりないらしいが……朱雀が小型機を貸し与えてくれて戦略ゲームみたいのを行うらしい。……それなんて別ゲー、と思ったのは俺だけではないだろう。
「……クラン戦の話でもしましょうか」
「ええ、そうですね」
レイナさんが目を逸らす様な行動をしてそういったので、俺も目の前に表示されている魔王から目を逸らして便乗する。楓さんがマジカコイツラみたいな驚きの顔をしていたが、見なかった事にするのが最善手だろう。メニューから確認した限りではクラン共有倉庫に適当に放り込んでいた魔核、魔石はまだ残っているし誰かが使ったらより目を逸らす事になるのは間違いない。
「で、どうします?これ見た限りだとソラさんは個人行動の方が良さそうですし……それを考えたらレンジさんもですよね?」
「……何を考えたらそうなったのかは気になりますが、俺は個人行動の方が助かります」
ソロ戦、パーティ戦、クラン戦と3つのトーナメントが存在する中、クラン戦だけは本戦しか存在しない。戦闘方法はソロ第一予選、パーティ予選の様なバトルロイヤルらしいが細かいルールは全く違い……討伐数が勝敗に一番関わってくるのは間違いないのだが、リーダーの討伐は貰えるポイントが違うし、生き残りで貰えるポイントも大きく関わってくるので戦術というのは考えておいた方が良いのだろう。
「一応聞きますが、リーダーをやりたい人」
「「「「……」」」」
当たり前の様に誰も手を上げない。リーダーが死亡する事でクラン員全員にデバフが発生したりするため、やりたがる人がいないのは当たり前と言えば当たり前だろう。
「……クランマスターであるレイナさんがやれば良いんじゃないですか?」
矢面に立つ事を恐れたのか誰も言葉を発しなかったので仕方なく、レイナさんを推薦するが……。
「十六夜さん、レンジさんがいるクランである以上、私が狙われるのは間違いないので得策では有りません。いっその事十六夜さんかレンジさんがやったほうが良いと私は思うのですが……」
「……面倒」
「紙装甲なんでちょっと……」
装備を入れてようやくVITが3桁に届くかという事や、HPの最大値が100であるという事を考えると、俺がリーダーをやるというのは選択肢に存在しない。
「リーダーだけは細かい初期地を選択できるみたいですが……どうですか?」
「……」
その言葉にはグラっと来る物が有る。ど真ん中を初期地にして、そこでグドラを使うなんて事を考えると色々と楽しいことになるのは間違いないだろう。俺は一度場所を決めてしまえば動かないのは間違いないし、初期地が中心で有るに越した事はない。
運営がクラン戦に混戦を望んだのか、フィールドは草原と森が入り混じった円形フィールドでしかないと分かっている。だからこそ、真ん中でグドラを使えれば……と考えてしまうのも仕方がないだろう。
「楓さんとかどうです?」
「ぅえ!?私!?私は単体での戦力も無いし無理だよ!?」
まさか自分にキラーパスが飛んでくるとは思っていなかったのか、完全に油断しきっていた楓さんにレイナさんがキラーパスを飛ばす。
が、初期地が個人毎に違い、リーダー以外のプレイヤーは北東外・北東内……のような8箇所から選択する事になる以上、楓さんの言葉は俺以上に説得力が有る。それでも、リーダーが◯◯の近くを初期地に望めば何とかなりそうだとは思うが、生産職である楓さんにガチの戦闘を望むのは酷だろう。
「……ユウさん達にも聞いてみますか」
「そうですね」
十六夜さんはさておき、いつもは何かを言いそうな姉が何も言わないのはよっぽどリーダーをやりたくないからだと察したのか、レイナさんも姉に問いかける事は無い。俺も姉にやってほしいとは……まあ、それはそれで楽しそうだが他の人にも迷惑がかかってしまう以上あまり思えない。
ソラ……この調子で勝ったらやるとか言い出しそうだからそれで決定で良いな。




