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神と血5

本日四話目ー……

 ステータスを確認すると、相変わらず封印状態だからか灰色で表示されているスキル群の中から2つだけ、赤色に爛々と輝いているスキルを見つけた。勿論、【追撃】と【領域射撃】だが、ブラッドスキルだからなのか、従来の白色に表示されるスキル群に比べて異様な存在感を放っていた。


『我に魅せよ、その生を』

『紡げ、汝の生、汝の魂を』

領域(region-)変異(rule):«炎熱(heat-)蓋世(divine)»』


 その瞬間、虚霊頒神の周囲を覆い尽くさんばかりに大量に発生し始めた小型朱雀に中型朱雀。


「うわ……【領域射撃】……うぇえ…………」


 火炎放射の向きなどに気をつけなきゃいけない小型朱雀に、連携を取って俺を狙ってくる中型朱雀、そして戦闘力不明の虚霊頒神。何となくそんな事も有るんじゃないかと思ってはいたが、現れてほしくない戦闘集団が俺の目の前には現れていた。

 つい声がこぼれるぐらいにその風景は圧巻で、軽く勝利を諦めるぐらいにはやばかった。


 だが、範囲攻撃である【領域射撃】はそれ以上にやばかった。スキル発動と共に消費された2000MP。どうやら発動と共に動くことが出来なくなる様なので何もせずに見ているのだが、俺の目の前で歪んだ100箇所の空間から飛び続ける矢の雨は小型、中型朱雀の群れを完全に殲滅していた。倒れる都度に現れる小型朱雀に中型朱雀達も、俺に攻撃が届く前に死に絶える。ぱっと見は強いが本当に使いどころに限られるスキルだ。従魔を召喚している時は使えなそうだし、あまり無いがパーティを組んでいる時も使えない。それに、一番の問題は動けないので後ろから攻撃をされると即死する。


 大体1秒間に一箇所から二連撃、全体で200撃の超連射が10秒間続いた後には小型朱雀、中型朱雀の群れも数を減らし、中型朱雀に関しては動きを止めていた。だが、虚霊頒神にダメージを与えられた様子は一切無かった。


『……我は道を示す者。筋道通りの生はいらぬ、我が望む輝きは筋道に沿わぬ、汝の生そのもの』

『故に……霊機(Re:)(heat-)(divine)


 筋道通りの生……ここまでくればなんとなく分かってはいたが、俺がアレンジした技を朱雀は求めているのだろう。第一、第二、第三と有るのだからそれには何かしらの意味が絶対に有る。生、”連射”から逸れず、生に望んだもの、”範囲殲滅能力”からも逸れないアレンジを加えた技。どう考えても【領域射撃】を使うべきなのだが、ここからのアレンジとなると思いつくのは俺が最初に考えていた全方位への攻撃、そして朱雀一体を倒すのに集中する全方位からの一点攻撃。単純な時間延長や一秒間で射る数の増加。あとはやっぱり、発動中の行動制限の解除だろうか?それが最優先の様な気もする。


「取り敢えず……【領域射撃】」


 まず最初に、自分が自由に動ける事を願いながら普通の【領域射撃】を発動する。……消費MPは3000、どうやら5割増加で動くことが出来るようだった。1000MPで動くことが出来るようになったのはMP消費が軽いと取るか重いと取るか。俺としては【領域射撃】中の隙を無くし、方向なども変えられる訳だから圧倒的に軽いと思うが、どちらにしろ消費MPが重い事には変わりない。2割5分回復のMP回復薬を数度使ってはいるが、現在の残MPは3000程。もう一度撃ってしまえば枯渇する。効果時間も10秒と比較的短いのに対してのこの消費MPは少し辛い物が有る。


『……我が望むのは汝の生そのもの、道を示しこそすれど、汝がその道を歩む道理は存在しない』


「ん……?」


 朱雀の言っている事を要約すると……スキル与えたけど使う必要ないよ?という事だろうか。第一、第二試練の存在意義を本人が真っ向から否定してしまっている気もするのだが、それでもこのスキルは俺が願っていた様な物である事には違いないし、ここからアレンジを加えて自己流の物まで持っていく事も出来る。

 例えば……


「【包囲射撃】」


 その瞬間、朱雀達の周囲を空間の歪みが覆った。空中に浮遊していた朱雀の上下前後左右全てを球状に覆ったというのに相変わらず余裕が有りそうだが、小型朱雀、中型朱雀が撃墜され続けている事には変わりない。


『む……そうか、これが汝の望む生、これが汝の歩む道か』

『我は汝がどう歩もうとも構わない』

『が、魅せよ。我をも喰らわんとする渇望の末に得る生を』

『我に示せ。汝が理、汝が生を』


領域(region-)変異(rule):«炎熱(heat-)凱旋(soul)»』


第三(final-)試練(gate):«血脈(blood-)相承(glory)»

第一(first-)試練(gate)第二(second-)試練(gate)に追加される形でそれぞれの回答に沿ったブラッドスキルが付与される。

使う必要ないと言ってるが、使わないと好感度が低下し、«炎熱(heat-)凱旋(soul)»へと移らなくなる。

割とたちの悪いトラップ。


領域(region-)変異(rule):«炎熱(heat-)蓋世(divine)»

小型朱雀、中型朱雀が限界体数まで永遠に復活する。

一定数の小型朱雀、中型朱雀の討伐とブラッドスキルのアレンジを確認できればすぐにでも«炎熱(heat-)凱旋(soul)»へと切り替わる。

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