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神と血2

気づいたら書き終えてたんで、大量更新します。

祭りだーうおおーー

 血脈(blood-)溶循(mingle)……聞いた事は……いや、ボードに書いてあったのか?

俺が見た限りでも、ボードには閲覧する事が出来ない事などが大量にあった為、その中に書かれていた可能性が有る。

 第一(first-)試練(gate)。視界に表示された為試練という文字を見る事が出来たが、それが無ければ門と勘違いしていた。

 ステータスを見ても何も異常は無……いや。


『__魅せよ。器へと至らしめる汝の軌の生死を』

『__魅せよ。己を己足らしめる汝の魂の在処を』

『__に与えられし筋道では無く、汝の生こそを』


「スキル、封印……?」


 俺が所有する全スキル。精霊関連に、装備スキル、ステータス上昇系のスキルまでの全てが使用不可の状況になっていた。


「……無理ゲー?」


 災獣に滅ぼされた別機と情報を共有しているらしい人工守護神獣。怒りを買うのを覚悟でグドラを召喚して戦う予定だったのだが、最初から予定を乱された。

 それに、あてにしていた様々なスキル達。その全てが封印されたとなると……。


領域(region-)変異(rule):«炎熱(heat-)神楽(soul)»』

『足掻いてみせよ、炎を司る我が世界を。受けてみせよ、我が熱風を』

「いやそれ火炎放射ッ!?」


 虚霊頒神が羽を広げた瞬間、大量の小型朱雀の様な物が飛び出し、それぞれが火炎放射を放ち始めた。当たり前の様に虚霊頒神も炎を撒き散らしており、ステータスに表示された『状態異常:炎症』は、俺のHPを少しずつ削り始めている。


「……、一体に3撃」


 レベリングの為に大量に買い込んでいた矢の本数は万単位で有るので一切問題ないが、一体を倒すのに5秒程度かかる。しかも射線内に別機体が入り込んできたり、火炎放射の方向上躱さなければいけない時など、様々な要因で倒すのにはもっと時間がかかるようになってしまう。


「むず」


 メニューからストレージを開いてアイテムを取り出す必要が有るアイテムストレージに比べ、念じれば手元に出せるアイテムリングの有能さがこの場で際立つ。

 アイテムリングは、取り出す物を明確に思い浮かべないと別の物が取り出されるリスクが有るとは言え、矢しか入っていない今は本数を思い浮かべるだけで良い。

 面倒なのはHP回復薬を取り出す時だが、それ以外は何とかなるだろう。


「うぇっ」


 四方八方で様々な方向に火炎放射をしている小型朱雀達。俺という標的を狙ってこないのは有り難いが、適当に回転しながら火炎放射を放っている小型朱雀達の行動を予測するのは難しい。今だって真横から目と鼻の先を火柱が通っていった訳だし。


『……』


 気づいたら上空へと移動し、炎を纏ったままただ見下ろしてきている虚霊頒神。何も喋らないし、全く動かない。強いて言うならば、俺を何があっても見逃さないというばかりの眼力で見ているのだが、実害は何も無かった。


「次」


 一体一体、地味では有るが確実に数を減らしている小型朱雀。相変わらず意味の分からない方向へと火炎放射しているのは謎だが、それのお陰で楽に倒せているのは間違いなかった。


「割と楽だな……」


 確かに周囲の不規則的に動く火柱は危険だが、AGIが高い俺は注意していれば余裕を持ってかわせる範囲だし、小型ドローンのHPもそこまで高くない。

 そんな事を考えながら倒し続け、ようやく半数程まで減らしたタイミングで、虚霊頒神は再び言葉を紡ぎ始めた。


『魅せよ、魅せよ。魂の雄叫びを』


『__魅せよ。器へと至らしめる汝の軌の生死を』

『__魅せよ。己を己足らしめる汝の魂の在処を』

『__に与えられし筋道では無く、汝の生こそを』


霊機(Re:)再誕(heat-soul)

「また!?」


 再び、虚霊頒神の羽の元から現れた小型朱雀達。前回よりも増えたその数は、ぱっと見でも100を越えていた。


「どぅ、す、ればルー……」


 数が増えたことにより、予測が不可能な域まで到達した火炎放射の群れはまともに喋る事すら許してくれない。


『嗚呼、__よ。貴様の所為で孤高たる人も地に伏せる』

『何故、筋道が有る。何故、救済が有る。過度な救済は滅びとなる』

『見よ、この有様を。我等は道を示す者。見よ、この有様。我等は道を示すのみ』


「……」


 頭上で虚霊頒神が言っている言葉を聞いていたが、意味が分からなかった。多分、俺が孤高たる人と呼ばれているのは間違いない。最初にそう呼ばれたし、そこは間違い無いだろう。だと……筋道と救済?最後に二度言っているのも強調されていそうだし……全く分からん。

 俺に示されてる筋道、救済なんて……あ?


だいぶネタバレ含む設定集。

見たくない人はタブ閉じか上に戻って次話飛び推奨


・人工守護神獣:朱雀《虚霊(divide-)頒神(deity)

人工守護神獣:朱雀によって生み出された分体。

好感度50以上且つソロ且つ称号【神の調べ】(【○王の加護】)所有状態で挑んだ際に試練が始まる。

初期好感度:0

討伐時、100÷パーティ人数(召喚獣は全部纏めて1換算、精霊は数に含まない)好感度上昇。


・称号【神の調べ】

好感度+25

レッドネーム時獲得不可。

レッドネーム時称号消滅。

人工守護神獣:麒麟に保証された証。

王都墓地区10層にある神殿にて入手可能。

入手難易度は低く、持っている人は割といる。


尚、【○王の加護】は好感度+50で、【神の調べ】の代替が可能。


第一試練(first-gate):«血脈(blood-)溶循(mingle)»

効果はたった2つ。

スキル封印とスキルアシスト(制限)解除。

これにより、スキルによって使えていた技能【ファイヤーボール】【ツインショット】などをMPと想像力の許す限り自由に使えるようになる。

要するに、【メラ】と言いながらメラゾーマなみの威力を出すことが出来るし、

【メラゾーマ】と言いながらメラなみの威力を出す事が出来る様になる。


領域(region-)変異(rule):«炎熱(heat-)神楽(soul)»

 小型朱雀みたいな奴が虚霊頒神の羽の下から大量発生し、好き勝手に火炎放射し始める。

朱雀の納得行く倒し方をしないとループする。



最後の

『嗚呼、__よ。貴様の所為で孤高たる人も地に伏せる』

『何故、筋道が有る。何故、救済が有る。過度な救済は滅びとなる』

『見よ、この有様を。我等は道を示す者。見よ、この有様。我等は道を示すのみ』

は要するに、


「あ〜……__、お前のせいでレンジ戦えて無いじゃん」

「なんでスキル、なんで技能があるんだよ。それのせいでレンジが自分で作るっていう発想になってないじゃん」

「見ろよこの有様。俺達は道を示すだけにするべきなんだって」


という感じです。



ぶっちゃけますと、

第一試練、第二試練はお遊びみたいなもので……

試練クリア=固有スキル獲得になります。

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― 新着の感想 ―
[一言] これ意味がわかったらすごい
[気になる点] 第一の試練が始まっていますが、称号【神の調べ】はどのタイミングで手に入れていますか?
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