秘密基地
杏仁豆腐「前回からここのスペースの活用法が分かったらしいね」
ヨーグルト「そうね。あのプランクトン、意外に冴えてるわね」
杏仁豆腐「勉強には、全く生かせられてないのにね」
ヨーグルト「そんな事実ここで言っちゃ可哀想よ」
プリン(ヨー姉フォローになってないよ!!)
やばい、やばいやばい!!死ぬ!!死んでしまう!!私の人生が終わってしまう!!やだ!!死にたくない!!
どこで、そんなこと思う時間があったのか、私には分からなかったがとにかく死にたくないと必死に願った。
ぎゅっと目をつぶり、死を覚悟した。
そのとき、ぼよ〜んっとなにか柔らかいものにあたった感じがした。予想外の感触だった。私の体は、そこで何度がはね続けた。だんだん、飛び上がる高さがなくなり最後は、そこに着地した。
????私は目をぱちぱちさせ自分がどうなっかを考えていた。生きてるのか……??自分の手を見てみる。あのちんちくりんの手だ。い、生きてるな?生きている。生きているんだ。うん。とととりあえず、死んでないようだ。うん。
「大丈夫?悲鳴を上げながら落ちてきたから、びっくりしちゃったよ。なんで、飛んで来なかったの?」
プリンが不思議そうにたずねる。
体全体がバクバクうるさいぐらいなっている。脚がガクガク震えているのがわかる。
「と、とととと飛べたら、こここここここんなふうにな、ななってない!!」
舌が全然まわらない。深呼吸しながら自分の状況を把握する。どうやら私は、プリンの背中(?)というか頭の上に落ちたらしい。
「なんでよ?プランクトン飛べるでしょ?」
「やり方なんて知らない!!!!」
私は、興奮してぎゃあぎゃあわめく。
「やり方も忘れているのか……。ごめんねプランクトン。今度教えてあげるから許して」
なんか、もやもやするが、私が飛び方を忘れているようなので、とりあえずプリンを許してあげた。
……ん?飛べるのか?このちんちくりんの体で?天使や妖精のように羽も生えてないのに?
「改めて!」
私が背中から降りると待ってましたとばかりにプリンが言葉を発した。
「ここが目的地、そして僕ら兄弟の秘密基地だよ!」
木の中にあるこの空間は、ドーム型になっていた。私たちは、ドームの隅の方にいた。ちょうど真上を見上げると穴が空いており、黄緑色の光が漏れている。場所的にこの穴から落ちてきたようだ。
この空間は天井は、水色に輝いており、青空のようだった。地面は、黄金色に輝く草がびっしりと隙間なく生えている。ドームの中央には、白に近いピンクの木が立っていた。
「すごいなぁ、ここは」
私はそれしか呟くことができなかった。この美しい空間をなんと表現すべきか。
導かれるようにして、私は気に近づく。近づいて分かったのだが、木には赤色の実が付いている。細長いが、下の方が丸く膨れている。
記憶が正しければ、地球のようなし?……いや、ナス?みたいな形だ。うん。ナスだ。紫色をしていて人間は、不思議なものを食べるなと思った記憶があるからナスだ。ただ、ナスより上の部分が細くなっている。
「プリン、あの赤色のやつはなに?」
「ふっふふ!あれはね、世にも珍しいリトスの実!別名宝石の実だよ!」
リトスの実というのは、中をくり抜きそこに紫色の水を入れると宝石になる木の実らしい。皮はかたく、中には、甘い果実が入っていて食料にもなるそうだ。宝石に、なるため商人という人達の間では、金のなる木とも呼ばれている。
生えてる場所が、限られており保護植物というものに認定されてるそうだ。その植物は、むやみに切ったり、摘み取ってはいけないらしい。
「ここの木はね、僕ら以外知っている人がいないから一年に四回、季節の始めにこの実を宝石に変えて街で売りに行くんだ。
木の実はね、一度に取りすぎると実をつけなくなるんだ。でも、一つあれば、一つ分の季節を不自由なく生きていけるお金が手に入るから取りすぎることもないの」
お金というものが、まだ、よく分からないので想像しずらい。お金が無いとどういうことになるの?とプリンに聞くと、
「ある程度持ってないと、生活に困るものだよ」
と言われた。この世界は、お金が生活を支えてるらしい。
お金についてあれこれ考えてる間に、プリンは木に登り二つの実を抱えて降りてきた。
「今年は、プランクトンが街に行くときのために余分に取っておくの。帰ったら中の身をみんなで食べようか」
毎年、プランクトンに内緒で食べてたから食べるところが少なくなっちゃうな……。はぁ……。
という言葉が聞こえたのは気にしないでおこう。
「そろそろ帰ろうか」
目的を終えたプリンは、早く帰りたいようだ。私は目新しい場所なので、まだ居たいのだが仕方がない帰るか。
「ところで、プリン。どうやって帰るの?私、飛べないよ」
第一、本当に飛べるのか?
「飛び方は、お昼ご飯を食べたら教えてあげるよ。帰り方はね、この根っこのところに空いている穴が帰り道だよ」
プリンの近くにある根っこの間にさっき入った穴よりも少し大きいの穴があった。中が落ちてきた穴のように光っている。今度は、緑よりも明るい黄緑色だ。
「この穴がプランクトンの家の近くに続いているんだ。今度は、落ちないけど吸い込まれる感じがするから気を付けてね」
そう言い残すとプリンは、穴の中に入っていった。少し、ためらったが腹をくくり頭から穴に入る。
すぽんっと音が耳の近くでした。体が苦しくないぐらいにキュッと見えないちからで両腕の方から挟まれた感じがした。そのまま、頭の方に引っ張られるようにかなり早いスピードで動いていく。「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!???」覚悟はしていたが、進行方向が見えないため怖い。あと、少し気持ち悪い。うぇ……。ゴーゴーと耳に風があたる音がする。うるさい。
すぽんっと入ったときと同じ音がしたと思うと、外に出た。出たというより、放り出されたと言った方が正しい。約0.5秒間宙にいたからね。
「ほ?」
落ちたときと似たような言葉をあげ、背中から地面に着地した。……いや、落ちた。
「いっ……たい!!」
めちゃくちゃ痛い。打ち方が悪かったのか、背中全体がじんじんする。
吸いこまれた時間は、数秒だったと思うけど大冒険をした気分だ。うっ……ぷ……。
「あら、プランクトンおかえり。そこらから、出てきたってことは、秘密基地に行ってたのね」
なぜか、目の前にヨーちゃんがいた。あたりを見渡すと、暗くて冷たいところにいた。
「た、ただいま。ヨーちゃん。……ところで、ここどこ?」
「ここは、倉庫よ。ほら、家のそばにある……覚えてない?」
記憶を掘り起こしてみる。私の家(元キノコ)は、巨木の近くに生えていた。木の本体が巨大なため、木の根も巨大だった。具体的に表すと高さは私二十人分。太さは私を六十人で囲んだくらい。
その根の一つに穴があった。動物が住んでいたのか、入口は私やプリンが余裕で入れる大きさの穴で中は上、左右に巨大な空間が、広がっていた。
その穴を発見して以来、出入口に扉をつけて倉庫として使っている。ちなみに、扉はコーヒーたちが持ってきた。
私が出てきたのは、地球で観た井戸のような場所から出てきたようだ。
「プランクトン〜!早くリトスの実を食べようよ〜。兄さんたちが早く食べさせろってうるさいの〜」
外からプリンの声が聞こえる。
「さ!プランクトン、早く行きましょう。兄さんたちを待たすとめんどくさいから」
ヨーちゃんは、笑いながら扉に向かう。
まだ、気持ち悪く少しぼけ〜っとしていた。
「早くしないとリトスの実、全部食べられちゃうわよ」
ヨーちゃんの言葉で我に返り、気持ち悪いのも忘れて眩しい扉の外へかけだした。
???「…これ、いつまで続くのかな?持つかな…。他の皆が登場するまで…」