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森は、明るい

ゼリー「プリン…俺はすごいことに気づいたんだ」

プリン「どうしたの?兄さん」

ゼリー「この前書きならメタ発言しても怒られないということに!!」

プリン「…たしかに!!天才だよ兄さん!!」

コーヒー(いや、注意しろよ!!!!)

ゼリー「しかもネタバレとかしてもいいんじゃね!?」

コーヒー(良くねぇよ!!)

プリン「いいね!」

コーヒー「やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 さっき水を汲みに少し森の中を見たが、緑以外にピンクや白、赤や黄色、青などたくさんの色がある。全て植物の色だ。木と同じように光が当たってキラキラしているものや、だんだん色が変わっていくもの(プリンいわくグラデーション)もある。

「いやぁ〜。森はいいねぇ。木は綺麗だし、空気は美味しいし。なんで、今まで外に出たがらなかったのか不思議だよ」

 ようやく、森に行けた私の気分は最高潮だった。

「理由は覚えてないの?」

「うん。ぜ〜ぜんっ!」

「ふ〜ん……そっか」

 プリンは、少し遠い目をして言葉を続けた。

「もしかしたら、前世の記憶が蘇ったことで元々の記憶をなくしているのかな?」

「さあ?その可能性はなくはないと思う。でも、みんなの話を聞く限りめんどくさくて外に出なかったんじゃないかな」

 私は適当に言ってみた。

「そういえば、そうだった気もしなくない……。すぐに、めんどい、疲れた、帰りたいって言い出してたから」

「ほらね。特に深い意味なんてないんだよ」


 しかし、プリンが言ったように元々の記憶は、かなり消えているようだ。正確には、忘れている。消えてしまうと元には戻らないが忘れているだけだと思い出すことが可能だ。

 今のところ支障はないが、この先どうなるかわからない。早めに思い出さなくては。

 手始めにプリンたちのことでも聞いておくか。

「ねえ、プリン。私とプリンたちっていつ、どこで、どうして知り合ったの?」

 朝、ベッドの上で記憶を確認したとき、プリン達は初めから私のそばにいたような気がした。出会った時の記憶は一切なかったのだ。

「えっと……うーん……忘れちゃったや。散歩が終わったら、兄さん達に聞いてみる?もしかしたら、覚えてるかもしれないし」

 どうやらプリンも覚えていないようだ。

「じゃあ、プリン。私の親の記憶はある?ほら、生き物って必ず親がいるでしょ?少なくとも今まで見てきた生物は大抵巣立ちするまでは親が育てていたの。けど、私にはその記憶が今のところ一切ないんだ」

 転生するまで……というより身体が欲しいと思いが生まれたのは、他の生物を見たからだ。正確に言うなら、人間。

 彼らは、猿から進化し、文明を開いていき、農業をはじめ他の生き物はしないことをし始めたのがとても興味深かった。長い間ずっと観察していたら、自分もそういう人生を送ってみたい、そのためには身体が必要だと思うようになっていった。

 (のち)に人間たちは、自分の住まう所を地球と呼ぶようになっていった。

 人間は、産んだ親が子を育てていた。時々、育児を放棄する親もいたが、たいていは自分で大人になるまで育てていた。だから、私にも親がいるはずだ。もし育児を放棄していても、産んでくれた生命体がいるはずだ。

「ごめん。知らないや」

残念ながらプリンは知らないようだ。

「気になるの?自分の親が」

「そりゃあね〜。プリン達はいないの、親」

「僕達は、精霊だからね。こんな風に身体は、あるけど産むとはまた違うから。強いて言うなら、職人さんかな」

 職人というものが何か分からなかったが、それがプリンにとっては親らしい。


 ふと、自分の足元に視線を移した。数歩先に丸い植物がかたまって生えてるのが目に入った。細い黒色の茎が地面に突き刺さっており、丸い部分の周りには黄色く光る玉が四つ付いていた。それはさっき、杏に付けた髪飾りにそっくりだった。ハルタマ……と言っていた植物だ。でも、色が違う。杏に付けたのは白だったがこれは、薄いピンク色だ。

「プリン、これってハルタマ?色が違うけど」

「ん?あぁ、そうだよ。普通はこんな風に薄いピンク色なんだ。時々、白色のものが生えているの。おとぎ話なんかでは白いハルタマは雪の結晶集めたもの。薄いピンクは、春の風を集めたものって言われてるよ」

 白いハルタマは、珍しくその春に一つでも見つけられたら幸運が訪れると言われているらしい。ということは二個見つけたコーヒーは幸運が二倍訪れるということだ。羨ましい。もし幸運が訪れたのなら、私に半分くれないだろうか。

「ヨー姉さんにプレゼントしようかな」

 プチッとプリンが一本、茎を折った。すると、黄色い光はすぅーっと落ちて消えてしまった。

「光が……消えちゃった」

「不思議でしょ?おっちゃうと光が消えちゃうんだ」

 そう言うと、プリンは歩き出した。私は慌てて追いかける。


「そういえば、プリン。私達はどこに向かっているの?」

 プリンはさっきからまるでどこかを目指すかのようにズンズン森を進んでいる。

「秘密だよ。プランクトンは今まで森に自分から来たことなかったから、まだ知らないところに案内しているの」

ちょっとしたお祝いだよ。とプリンが細い口の端を上にあげて笑った。

 お祝い……か。地球の人間たちは、お祝い事となるとご馳走用意したり、贈り物を送っていたりしたなぁ。場所によってお祝い方は様々だったが、皆笑っていた。お祝いは、悪いことではなさそうだ。


 目的地に着くまで、私はプリンにこの世界のことについて質問した。プリンは、優しく丁寧に教えてくれた。

 プリンに言わせれば全て常識らしい。

 私は目的地に着くまで、大体の常識を教えてもらった。天体のこと、森のこと、政治のことを大雑把(おおざっぱ)に教えてもらった。


 目的地に着いた。

「ここが目的地、そして僕ら兄弟の秘密基地」

 そこは、()()()()あった。

 うん。ごめん。少し、時間を戻そう。ちょっと頭の中がパニックに、なっていて端折りすぎたよ。ごめんごめん。

 プリンについて行くと私が四人ぐらいで囲めそうな小さめの切り株があった。高さは、私よりも少し高い。私の上にプリンを乗せたら同じぐらいになりそうな高さだった。

 その切り株に、私がしゃがんだら入れそうな穴が空いていた。つまり、エルフや天使では入れそうにない小さな穴だ。

 プリンは、何も言わないままその穴に入っていった。私も恐る恐る四つん這いになって入った。

 穴の中で一歩、いや、一手踏み出した瞬間、ぐらっと体が前に傾いた。地面が消えた?

「ほえ?」

 気づいたときには、真っ逆さまに落ちていた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 体の中のものが浮く感じがし、足元がない恐怖に襲われた。穴の中は綺麗な緑色に光っていて綺麗だがそんなことにかまってられない。

 私の体は、頭から真っ逆さまに落ちていく。底はみえない。


 ちょ、だ、誰か!!!!た、助けて!!!!このままじゃ、転生初日で死んじゃうよ!!!!

ゼリー&プリン「怒られました…」

コーヒー(告げ口大成功!!!!)

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