作戦会議(2)
「今回出現した改良型パンドラの解析は今も続けています。おそらくはオリジンが作り出したものでしょう」
「と言っても、さすがに頭数が足りない。このままだと日本だけじゃなくて、ヨーロッパ、アメリカまでパンドラが出現するようになる」
そうなれば、最悪だ。人類が滅亡する可能性もある。
「はい。ですが――それを防ぐためには新たにギアを投入する必要がありますし――パンドラを殲滅したのちに、彼らを人間に戻さなければなりません」
そこが問題だ。たとえギアを増やし、撃退したところで、今度は人類の間で戦争がまた起きる。とはいえ、滅亡するよりかはましだ。
「それだけは避けたい。――オリジンの位置は?」
「今のところ情報はありません。とりあえず、日本に上陸したパンドラをすべて撃退します」
ディスプレイに映し出された日本の地図。そこに、それぞれの分担が書かれていた。
北海道・東北には俺。関東から関西までがディーヴァ。そしてその他には、ヴァイアラン。
実際のところ全然足りない。兵器とはいえ、戦闘機ほどの速さは出ない。被害は免れないだろう。
だが、このまま北海道――つまり最もオーストラリアから離れたところでくすぶっていてもしょうがない。
俺たちは準備を整え、出撃する。
そのころの俺たちは知らなかった。問題は、俺たちの内部にあるということを。
第二部は、一部よりも話が激しく動いていきます。ここから加速していくのでぜひ。