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状況確認


「こちらです。」

「ありがとう。」


艦橋へはスズムラ艦長について行ったらそれらしき場所にたどりついた。

美人の後を追いかける、そう考えたら変態だな…いや彼女がついて来いと言ったんだ。つまりこれは合法であって後ろめたいことは何も…何をアホなこと考えてるんだ、俺は。


「副長、現状報告をせよ。」

「ハッ!」


俺は副長と呼ばれた男の話などほとんど耳に入らなかった。それほど今自分が見ていることが信じられなかった。

今俺が見ているものは様々なメーターやよくわからない計器類そして艦橋と思われる場所から外に広がる宇宙だった。




…はっ!ぼーっとしている場合じゃない。話を聞かないとただでさえよくわからない状況なのにさらに混乱する


「最初の異常は1時間ほど前、味方艦との連絡が取れなくなったのが最初です。それから10分後この船の計器類がエラーを起こし火器管制システム、レーダー、通信機器すべてが使い物にならなくなりました。」

「それらのシステムの復旧は?」


スズムラ艦長が少し険しい表情で質問する。


「先ほど完了したとの報告があがっています。それと同時に通信が途絶えていた味方艦との連絡がつきました。我々より少し離れてはいますが合流は可能です。」


あれ?そんなこと?それなら……


「なら、私が緊急事態として艦橋に呼ばれた理由は?話を聞く限りシステムエラーが起きたようだがそれだけか?」


『SPACE FLEET』には一定の確率でシステムエラーが起きることがある。整備をしっかり行っていれば確率はかなり低くなるがそれでも0%にはならない。

そのためシステムがダウンするということは充分ありえることだ。……いやまて、そもそもここに『SPACE FLEET』の話が当てはまるかは別問題だろ。


「たしかにそれだけなら問題はなかったのですが…それ以外にも問題というか異常が発生しています。」

「なにが起きたんだ?」

「…システムがダウンを起こす直前にいた地点とシステムが復旧し、現在我々がいる地点が非常にずれているのです。」

「システムがダウンした時に漂流でもしたか?」

「いえ、航行システムそしてエンジンコントロールシステムもすべてダウンしていたため多少のズレはあれど移動していないはずです。」


えっと…うまく話を整理できないがつまり気がついたら変な所にいたということなのか?


「それほどにずれているのか?」

「星の並びが全く違います。現在我々が持っている宙域図の中でもこの星の配置になる場所はありません。」

「つまり…」

「完全に迷子状態です。」


なんてこったい。俺今年で21歳なのにこの歳で迷子か。

しかも宇宙で。スケールでかすぎでしょう…


「司令。」

「…」

「司令!」

「ん?あぁ、すまん。」


肩を揺さぶられて気がついた。俺少し前まで一般ピーポーだったから「司令」って呼ばれてもわからんよ…


「指示をねがいます。現在我々は右を左もわからぬ状態です。私たちでは対処しかねます。」


いやいや、俺ただの一般人だから。指示をしろって言われてもなんにもわからんよ!明らかにあなたたちの方がベテランでしょ!!

ただ、この雰囲気だと断りにくい…

副長って呼ばれた男はこっちをガン見してるし、スズムラ艦長(そっくりさん?)もこっちを見てる。というか艦橋にいる他のクルー全員こっち見てるじゃん!仕事しろよ!そんな期待の眼差しなんてこっちに送るなよ!

こ、これはやるしかないのか?あぁ…こっちを見ないでくれ。

胃が…胃に穴があく…

えぇい!こうなりゃヤケクソだ!なるようになっちまえ!


「まず連絡が味方艦と合流し、それぞれの艦の状況を確認しろ。まずはそこからだ。」


『味方艦』っていうのがどれくらいいるのか話に出なかったからわからないがとりあえず合流するのが優先だ。『火器管制システム』なんてものを積んでるらしいからおそらくこの船(?)は軍艦なのだろう。

話を聞く限り艦隊を組んで移動していたらしいが離れ離れになっているとのことだ。

軍艦が艦隊を組んで移動となるとなにかしらの作戦を行っていたはずだ。それが哨戒か侵攻かは知らないが。

とにかく今は情報が欲しい。


状況確認とあと俺の胃のためにっ!










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