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最弱にて最強の  作者: 凪
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三十八幕目 お買い物です。四  四象と手裏剣と竹製と人形

 ヒ・ミ・ツと書きましたが、五龍は簡単に説明する事にしました。四獣、五虫は御存じですか?

 忍者はしのびものと本来は読み、しのびのものとも言うと迷霧ちゃん講座。

 今までにんじゃと読んでいた、恥ずかしい。

 精霊電話でひめのと話す、ひめのも知らなかった。ひめのは顔を真っ赤にしてた。そのうちに血管切れるぞ。

 今までは、主人である自分が、にんじゃと読んでいるのに直すのは、怖かったそうだ。それに最近はにんじゃの読み方が一般的らしい。咄嗟だったので本来の読み方、しのびものを遣ったと迷霧ちゃん告白。

 迷霧ちゃんによれば、しのびもの、読みと忍びの者は、忍者か侍の古老位しか遣わないそうだ。

 他の娘達は読み方を知っているのかな。

 よし、覚えたての忍びの者を早速遣っていこう。


 中松さんが店の外で、虚無僧姿の忍びの者と会ってたのか、三崎藩の忍びの者かな。だが、迷霧ちゃんは忍びの者の気配は無かったと断言した。三崎藩との連絡係かな?

 流派までは解らないが、知らぬ忍び言葉を遣い、話しの中身は解らなかったそうだ。


『おい、中松って女人は、確かに忍者しのびものと外で会ってたぞ。忍び言葉なんか解んねえが、小精霊達に声を掛とくぜ』

『小精霊の皆に話しを致します』

『風の名もつお兄さん、風の噂を集めるね』

 草犬君、土の精霊さん、風の精霊さん、皆。ありがとう。


 とにかく、今は手裏剣を見よう。

「棒手裏剣に致します。流は棒手裏剣ですから」

 流石は迷霧ちゃん、忍びの者なのはうまく隠してるな。

 棒手裏剣ね、扱いが難しく威力が弱いが隠しやすく、相手の気を削ぐのに向いている。

 迷霧ちゃんが選んだ棒手裏剣は、ボールペン位の長さで細身、尖端部が尖ってる、射さないでね迷霧ちゃん。

 棒手裏剣はほんと数える、皿形の十字手裏剣等はまいと数えると迷霧ちゃん講座。十字手裏剣の数え方は知らんかった。


 みりあと早彩ちゃんは、朝日流の五手裏剣(☆型)を選ぶ。反対じゃないの、イメージ的に。

 自分は片刃の小型ナイフに似た、手裏剣にした。

 みりあと早彩ちゃんで二十枚づつ、計四十枚。迷霧ちゃんは棒手裏剣を三十本。自分は片刃手裏剣を十本と棒手裏剣を十本。


 其々の武具を見ていく。真風は杖にした、杖は刀ではない為、刀を差しても数には入らないから、両方持ちたいそうだ。魔道の効果を上げ、魔道の威力もでる杖を選んだ、弓を持っても邪魔にならない百二十センチの品にした。


 椿は、鉞を腰紐に附けれる、皮製の入れ物を用意してもらった。

 金砕棒の持ち手には、茶色の皮を滑り止めに巻いてもらった。金砕棒の入れ物として、円形の野球のバットを入れみたいな形のを背中に紐で担ぐ、柄頭つかがしらがでている、忍びの者が刀を背中に担いだかんじだ。

 えっ、椿は右利きだよね、柄頭を左肩にした、椿いわく、長い物は左肩に柄頭を出した方が抜き易いそうだ。


 ひめのは、刀用の黒い中巻を選んだ。珍品なのによく有ったな。杷は殆んどの刀で共通だから問題無し。此が鞘なら刀身に合わせて、オーダーメイドになるから困るが。

 日乃の鞘は竹製品が大半だ、日本の鞘と一緒で竹を合わせて造る。

 目釘めくぎ(刀と杷を繋ぐ留め具)も竹製と琥珀講座終了。

 目釘も日本と一緒だ。先人達が試行錯誤して竹にした、竹だと少しグラツキ始めて、段々とグラツキが大きくなり、目釘の替え時が判るから。鉄ならイッキに切れる、替え時が判らない。竹製がベスト。


 真風・早彩ちゃんの翼人用の野袴も用意でき、ひめの・真風・椿・みりあ・早彩ちゃんの胸当ても用意出来た。


 支払いは中松さんがした。

 中松さんに幾らか聴いたら、殿方はその様な事は、御存じなくて結構と叱られました。


 三崎藩には、川を上がる舟に乗る、十二人が乗れる大型をチャーターしたみたい。

 

 船上で早彩ちゃんがひめのに話し掛ける。

「ひめの御姉様、五龍ごりゅうは何で御座います。鉄扇の彫り物は、龍様も二つ彫ってありましたが、虎や亀に鳥も絵柄に御座いました。合わせて五つですが、鳥や亀が龍なので御座いますか。主殿が五龍と呟いていたので」

「我も五龍は、其処まで詳しくは」

 物知りひめの先生も、五龍の解説できる程、陰陽道は詳しくない。

 日乃の陰陽道は日本と少し違うが、基本が同じなのは、ひめのに確認済みだが、五龍までは詳しくなかったもんな。

「早彩は四象ししょうは」

 自分の質問に早彩は答える。

「ししょう?四神しじん様で御座いますね。東の青龍せいりゅう様、南の朱雀すざく様、西の白虎びゃつこ様、北の玄武げんぶ様です」

 早彩ちゃん良くできました。

「青龍は五龍でなら木龍もくりゅうとも、朱雀が火龍かりゅう、白虎が金龍きんりゅう、玄武が水龍すいりゅうで、中央に黄龍こうりゅう土龍どりゅう。四神のおさと呼ばれる黄龍を入れて五神ごしん、五龍、五行ごぎょうとも、陰陽五行いんようごぎょうはこの世の力の相図そうず

「御兄様、鉄扇の彫り物は四神様と黄龍様で御座いましたか、黄龍様で五神で御座いますか。五龍様とも申されますのですね」

 早彩ちゃん、勉強になりましたね。

「青龍様、黄龍様から龍様が生まれ、我が先祖に血を与えたと伝承されてます」

 へ~。そうなんだ炎。その伝承は日本にはないな。


『精霊は五龍様の闘いから生じた、五龍様は決まった相手の龍様の力を奪い、その力で決まった一つの龍様を育てる。力が常に均等に成るように、お互いの力を争い奪い合い、別の龍様に奪った力を注ぎ育てる。

その力から生じたのが人の文明や自然だ。自然の力から生じたのが精霊だ。自然は五龍様の力の奪い合いで均等が保たれ、育まれる』

 其れが五行相生図ごぎょうそうせいずだね、草犬君。

『チッ、流石は陰陽師』

 その、大いなる四神の力を得る為に、地形で四神を模倣して、黄龍に見立てた本人を中央に置き制して、我が力にするのが風水の四神相応しじんそうおうだね、草犬君。

『チッ』


「凪様、お詳しいですね」

 中松さん眉毛が二段階目ですよ。

「国では、芝居で陰陽師が流行りまして、おなごに好かれるかと思い学びました、役に立ちませんでした」

 嘘ではないぞ。少し作ったが。

「陰陽師が流行り・・おなごに・・」

 中松さんの眉毛がさらに、一段上がった。

安倍晴明あべのせいめい芦屋道萬あしやどうまん。二人の陰陽師が知られてます」

「あべですか」

 中松さんの眉毛がもう一段上がった。

 三崎の三人が居る為、他愛のない会話になった。日差しが少し強い、早彩ちゃんは日差しに背を向けた。

椿が早彩ちゃんは日向ぼっこが好きだが、何故か長い黒髪に日差しが、当たる様にするらしい。力が湧く感じがするそうだ。早彩ちゃん少し変わってる。



 三崎藩の舟付き場に着く。

 舟付き場の近くで小さな女の子達が、五人遊んでいるが、其々手に持っているのは、まさかの!ヨーヨーか!

 ヨーヨー本体が紅・青・黄色に塗られている、糸は白だ。

 小声で迷霧ちゃんにヨーヨーの事を聴く。

 仮名でよーよーと書き、三十年位前に転封てんぽう(公儀の命令による強制移転)前の名倉家(現三崎藩の藩主)から、売りにだされたそうだ。当時は乱世だったが、それでも流行ったそうだ、今は子供の玩具の定番になったと迷霧ちゃん講座。

 日乃で考えかれたのかな、名が同じなら、もしかして召喚された日本人から?

 ヨーヨーか、母方のおじいちゃんを思い出すな、ヨーヨーを姉と自分にプレゼントしてくれると、約束したのが最後になった。海難事故で遺体も上がらなかった、小学校一年生の時。

 ヨーヨーが貰えなかった事より、おじいちゃんに会う事が出来ないと子供ながら理解し、会えない事の方が遥かに悲しかった。ヨーヨーか。



 舟付き場から、三崎藩の公文所に行く。御爺さん役人に自分が話し掛ける。

「奴隷の登録を願います。別式女べっしきめ(侍姿・男装の女人)で願います。遺言書も願います」

 護り人の札を机の上に出す。

「別式女なら女人か、九人か」

「妾は家中の者!」

 中松さん、眉毛がMAX!

 中松さんの背中から、一瞬だが黒い人形ひとがたの影が現れた!!

「「異形主従いぎょうしゅじゅうの術!!」」

 ひめの、真風、みりあ、迷霧ちゃん、早彩ちゃんが絶叫した!!


 中松さんの才にでていた異界いかいは、異形主従の術の事か?

 日乃に誘拐されてきて、初めて勘に気付き、才を見たのが、中松さん、貴女だった。

 諱らしき名の文字が、黄色で表れる唯一の人。

 虚無僧姿の忍びの者との密会、忍び言葉といい。

 中松さん、貴女は何者ですか?





 にんじゃの読み方は、戦後マスコミによって広まりました。白黒実写の忍者ハッ●リクン等によって。

 にんじゃと読みますよね、普通は。


 左肩に把頭を持ってくるのは、名和先生の著書に、佐々木小次郎が持つ、長い刀・物干し竿の担ぎ方が写真入りで載ってたので、自分で試し、成る程と思い参考にしました。自分は平均より長い刀は所持してませんが。


 五龍は四象に黄龍を中央にした時の別名です。五虫、五味等別名と役割は幾つもあります、この世の力に大きく係わります。五龍の争いこそこの世の力と知の源。

 五行相生図は小説家になろうの機能的に、図は無理なので。

 五行相生図の力の働きをより良く活用するのが、五芒星紋・セーマン紋の五行相剋図ごぎょうそうかつず

 四神は、四象・四獣しじゅうとも。四神は流派によっては、ししんと読みます。

 黄龍は文献によっては、麒麟きりんに代わってる場合がありますが、通常は麒麟は五霊のグループに入り、四象とは区別されています。

 五龍自身を登場させる予定は、今は有りません。


 参考文献

 間違いだらけの時代劇 名和弓雄著 河出文庫

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