三十一幕目 落書きと亀の手足で舌鼓
何時もですが、意味不明な題です、後書きで。
迷霧ちゃんの巾着袋、精霊達とひめの素性、日本の事等を話し新奴隷に秘め事とし、全員に忍びいろはを秘め事にする。
迷霧ちゃんに自分が疑問に思った事を聴く。
「迷霧、忍びいろはや五色米は、目立たないか」
「やり方しだいです。忍びいろはは達筆なら、無い漢字ですから目立ちますが、童のような文字にすれば、文字を間違えた童の落書きと思い、忍びいろはとは思わず誰も気にも止めません。童の背の高さに合わせて、塀や柱とかに書けば大丈夫です。嫌な顔はされますが。目立たない所に決めとけば、消される事も少ないです。五色米は道しるべに道に落としながら歩きます。分かれ道で進む道に置きます。置き場次第です」
「工夫されてるな。落書きか、日乃にもする馬鹿がいるんだ」
「哀しいかな、古からあります。童もしますが、人間族のろうせいの方々がしてしまいます」
みりあが哀しそうな、表情で話しに入ってきた。
「ろうせい?」
ひめのが紙に書いてくれた。老成・ろうせい 年をとり経験を重ねた人、大人びた・の意味とひめの講座。
哀しかな日本でも大人が馬鹿をした。
落書きは平安時代からある、奈良県葛城市の當麻寺の曼陀羅を納めた厨司の板に、男の顔の落書きが現存している。
江戸時代初期には、武士がカンボジアのアンコールワットに、観光して落書きをした。
墨字の日本人の落書きと考えてられているのは、アンコールワットに合計十四ヶ所もある。
哀しいかな、日乃でも日本でも人間族はどうしようもないな。
皆で忍びいろはを覚え始める。
迷霧ちゃんも変更した、文字を覚えるので大変そうだ。
「誰か来ます」
しばらくすると迷霧ちゃんが囁いた。
襖が開き女中が顔を出す。
「夕餉が整いました。お持ちしてよろしいでしょうか」
真風と迷霧ちゃんにみりあが中心となって、膳とお櫃に鍋を持ってくる。あれ、お櫃が二つになってる、人数が三人増えたからね。
自分の前には、黒い膳が置かれる。二皿多いが、一皿は今回も肉だ。肉アレルギーなんだけど。
ひめのが真風の補助の元、三回目の給士は、様になってきたようだ。朝餉(朝食)の時も頑張ったね。
ご飯の盛り付けが終わり、味噌汁をよそおうとしたら、ひめのと真風が悲鳴を上げた。
「「キャー亀の手が」」
「亀の手が切って入れてあります!亀の手が味噌汁の具!」
近づいた炎が、鍋の中を見て叫ぶ。
早彩ちゃんと迷霧ちゃんが抱き合って怯えてる。パニックだ。
主人として威厳を見せよう。
鍋の底をお玉で掻き出す、これが騒ぎの原因か、具は全体に黒緑で白い爪のような物が付いてる、亀の手に見える。確かに亀の手だ。こっちにも居るんだ。
「あらま!ハハハ。確かに亀の手だな。日乃にも居るんだ。貝だよ。日乃での名は知らないが、日本では見た目どうり亀の手だ。地方では亀の足とも言い、美味だ。磯の岩とかにくっついている貝。日本では地元の者しか食べなかったが、近頃は高値の食べ物だ」
「貝?生き物の亀の手でなく、貝ですか」
炎が怯えながら聴いてきた。
一緒に鍋を覗いた、椿が不思議そうな顔をした。
「貝ですか、亀の手を切ったようにしか見えないのですが。これが貝」
ひめのは、興醒めした感じで話す。
亀の手にこれだけ驚くなら、日乃には鼈は居ないのかな?
真風も少し落ち着いた感じだ。琥珀が二人を心配して近づいた。
「我がいたします」
みりあが、ひめのと真風の替わりにお椀に味噌汁をよそおう。
「貝だから、ひめのは味噌汁は止めとくかい。ネギと若布も入ってるが」
「お味噌汁は止めときます」
「肉は皆でお食べ」
迷霧ちゃんに皿を渡す。
「ありがとうございます」
迷霧ちゃん皿を受け取りペコリ。
「自分が肉が食べれない事は、秘め事にする」
首輪の石が鈍く光るけど。
「「え」」
「肉がお嫌いなだけですよね」
炎が不思議そうに聴いてきた、予想通りの反応だ。首輪は締まらないな。嫌いとだけだからかな、首輪が締まらないのは。
「少しの肉なら大丈夫だが、アレルギー性といって、肉を食べると肌が荒れだし、息が出来なくなり、死んでしまうかもしれないからさ。肉なら知らなかったと、ワザとでも言い繕える」
「何と、美味なのに」
迷霧ちゃんよ、哀れむような視線は止めてね。
「蕎麦など、咳が止まらなくなる方がおいでなので、旦那様は肉なのでしょう」
みりあ、ナイスフォロー。
「森人はどうなる」
「凪様、夕餉です。後程」
ひめの様、不機嫌になりましたか。怖いからご飯にしよう。
騒ぎはあったが、ご飯だ。
自分のいただきますに、怪訝な顔を菜山三人娘はしたが、ご飯です。
味噌汁のお碗は汁の中から、亀の手が突き出ている。う~ん、見た目はグロテスク、これが良い。
「味噌汁は亀の手のだし汁がでていて、美味だ。手で割ると剥けて桃色がでる、それ取り出してお食べる。根本の黒いのは食べない事。白い爪みたいのは、貝殻だから食べないように」
自分が注意する。
「貝殻なんですか、この爪」
琥珀が予想通り驚く。
「磯の香りがする」
早彩ちゃんは呟くと、恐る恐るお味噌汁の汁を一口啜り驚いた表情をした。
「貝と海老の味がする」
そして、具の亀の手を、手で割って剥いてから口に運ぶ。一番年下なのに度胸あるな。
「変!美味」
全員怪訝な顔をした。そうだよね。見掛けは亀の手・足だもの。でも、今は高級食材です。
「美味、面妖な」
椿は不思議そうな顔で感想。
ひめのを除き、皆は美味と感想。味わえないひめのが可哀想だ。
自分も亀の手に舌鼓。マスコミによって高級食材になってしまったので、地元民でも久しぶりです。築地市場でも取り扱うようになった。
早彩ちゃん、迷霧ちゃんが速攻で御代わりした。
夕餉が終わると椿が話し掛けてきた。
「旦那様。迷霧さんより、昨晩は皆様と湯浴み《ゆあみ》(風呂)されたと、聞き及びしております。三人にも申し付け下され」
菜山三人娘が、深々と頭を下げた。
「命じない」
「え」
「皆には一緒に入るか聴いた。命じなてない。嫌なら構わない」
「御兄様、寛大です。我は御兄様と入りたい。お背中流さして下さい」
早彩ちゃんがはしゃぐ、何故に。
結局、九人で混浴です。
薙刀部の頃は、女子ばかりだったが、状況が違いすぎる。珍獣扱いだった。
これじゃ、ハーレムだ。
ハーレムか!
高校生の頃に図書館で見付けた、萬川集海 現代訳をノートに書き移しました。インターネットなど無い時代でしたからね。
一年後、寺の修復の為に、荷物の運搬のボランティアに行きました。
修復を前に学者達の簡単な調査が行われ、その時に不自然な修復の板が外されました。
落書きがでてきました。学者達は子供が書いた、意味の無い落書きと判断しましたが、自分だけは萬川集海にある忍び文字の神代文字だと解りました。それは、子供の文字のように、下手で低い場所に書かれていました。場所と刻限が書かれていました。
それがヒントになりました。
五色米も目立たない使い方を考えてます。
亀の手は日本にも居ます。
マスコミによって有名になりました。高級食材になってしまった。
観光客の反応が面白かったのでいれました。
しょこたんもお味噌汁食べました。
スペインでも珍重されているそうです。
地方によっては亀の足・亀の爪です。
貝と作中にありますが、甲殻類になります。プランクトンを食べ、プランクトンの影響で毒を持つ事もあります。注意するようにして下さい。
自己責任でお願いします。
食べ合わせが悪い具もあります。豆腐などです。
塩ゆでも美味!




