二十九幕目 いろは歌
いろは歌に馴染んで貰う回です。
次話の下準備です。
二十八幕目のいろは歌は、読み上げる区分です。仮名で書く場合は七文字づつ書きます。
漢字のみの伊呂波歌もあります。
大般涅槃経まで書く予定では、なかったのですが、九百年続いた手習い歌、字母歌を我々の代で、絶やさないようにしましょう。
他にも手習い歌はあります。明治時代に新聞で一般公募されたのとかありますが、作品に関係が無い為、割愛します。
いろはにほへと
ちりぬるをわか
よたれそつねな
らむうゐのおく
やまけふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせす
いろは歌は平安時代の中期に流行った。
かな四十七文字を網羅した奇跡の歌。世の無常が歌われている。
「いろは歌か」
「手習い歌のいろは歌ですが」
自分の強い口調で、早彩ちゃんを怯えさせてしまった。
「歌詞を知ってるのは、居るか」
ひめの、椿、みりあが暗記していると名乗り出た。
「ひめの、自分が先に歌を。後でひめのが歌い上げてくれ。椿とみりあは違いがないか、聴いてくれ」
ひめのと自分は、向い合わせで座り、椿とみりあを横に座らせる。
自分がいろは歌を歌う。
「色は匂えど
散りぬるを
わが世誰ぞ
常ならむ
有為の奥山
今日越えて
浅き夢見じ
酔いもせずん」
(現代仮名遣い)
「少し違いますね」
みりあが答える。
「色は匂へと
散りぬるを
わか世誰そ
常ならむ
有為の奥山
今日越えて
浅き夢見し
酔ひもせす」
(歴史仮名遣い)
ひめのが歌い上げた。
四人で歌の意味を合わせる。
迷霧ちゃんが部屋に備え付けの筆と硯石と紙を持って来てくれて、墨まで擦ってくれた。
迷霧 気が付く子。
色は匂へと 散りぬるを
香りよく美しく咲く花もやがては散りゆく
諸行無常
わか世誰そ 常ならむ
我を含め誰も 永遠に生きるものはない
是生滅法
有為の奥山 今日越えて
無常の人生の奥深き山をのり越えて
生滅滅巳
浅き夢見し 酔ひもせす
浅はかな夢にうつつをぬかすことなく 酔わずにいれば心は安らかだ
寂滅為楽
歌の意味、歌が表す大般涅槃経も紙に書く。
「大般涅槃経は、仏陀が臨終前の最後の説法をお経にした、有り難いお経だよ」
いろは歌は弘法大師(空海)が創ったと説もある。説の一つだ。
「いろは歌はお経の意もあるんですね」
「そうだよ早彩。日本はいろは歌も涅槃経(略語)も忘れられつつある時代だからね。時代によって読み方が替わるしね。
自分のは現代読みだ、現代は今の事だよ。最後には、ん・京を付けたりするか、付けないのもある」
色んないろは歌があるからね。初音●クや鏡音●ンが歌うい●は唄もあるし、涅槃経の教えとは反対の歌詞だけど。あれは驚いたな。
ロボットアニメのテーマソングのい●は詩もあるし。初音●クも別のい●は詩を歌ってたな。
「豊様は、旦那様と同じ日本から、お出でなんですかね。涅槃経まで同じ」
椿が思案してる、表情で呟く。
「涅槃経は仏陀という方が創られたのですね。誰が創られたかは、伝わってません」
ひめのが話した。
すると迷霧ちゃんが、イタズラぽっい笑顔で話し掛けてきた。
「凪様がいろは歌を御存知なら、しのびいろはも学んでみませんか」
しのびいろは?何それ。
初音●ク・鏡音●ンのい●は唄をネットで見て、涅槃経を書く事にしました。
いろは歌が若い人に知られるのは、良いのですが意味も知って頂きたく、駄文ですが大般涅槃経を書きました。
訳と現代仮名遣い、歴史仮名遣いは、諸説ありますが、広く遣われている説です。(暗号説も諸説あります。)
作成者は、昔は弘法大師・空海説が有力でしたが、今は学者によって否定されてます。作者不明です。
次話は、忍びいろは・忍び文字です。
本物の忍者が遣った、忍者の暗号です。
伊賀・甲賀忍者が遣いました。
甲賀はこうかと読みます。
こうがと読んだら、市役所の職員に怒られました。甲賀市の蕎麦屋でも注意されました。




