二十八幕目 万字《まんじ》といろはと処女でマジ!
謎の言葉は後書きで解説します。
ひめのと水の精霊の仲介で話す。
喜んでいる、菜山三人娘に聞かれたくない為だ。
畳に紗綾と書きなぞる。
『紗綾の文字で思いあたるのは、織物の紗綾織りのさやの文字ですね、だそうです』
意味は何だい。
『紗綾織りの模様です。お寺の卍の印を四方に繋げ、卍の印を重ねた模様です。だそうです』
日本にも有るよ、あの襖だね。
自分は旅籠の襖に目を向ける。
旅籠の部屋には、白い襖に青い文様が描かれている。時代劇の奉行所の白須の襖や、笑点の大喜利で見る、襖と同じ模様が描いてある。名が同じだとは思わなかったが。
陰陽師の末裔だ、このぐらいの知識は有る。
『はい。襖の模様です。豊様が伝えたはずです。紗綾織りの紗綾紋は紗綾形とも、卍つなぎの模様の一つです。万字崩し、菱万字、雷文繋ぎ等と名があります。紗綾紋は縁起の良い模様です。卍つなぎは様々な模様や色が有ります。だそうです』
早彩は、紗綾紋と繋がりがあるのかな。読み方違うから関係ないかな?
『それは何とも。だそうです』
水の精霊さん、ありがとう。
『お力になれて、幸い』
「早彩の凶が解けたが、何かしら思いだしたかい」
「申し訳ございません。思いだせません」
自分の問い掛けに、早彩ちゃん少しションボリしながら答えた。
「そうか、しょうがないよ」
文字の色の意味も解らないしね。
「話しは替わるが、マジって何」
「本当や真面目、真顔の意で俗な言い回しです」
鬼姫様そうなの。あのマジなの、最近の言葉じゃないの。マジかよ。
「処女だったのに、はしたない言葉でしたよ」
椿お姉ちゃんが、妹をたしなめてるけど。処女だったのにって事は、競り市で生娘だと宣伝されてたのに。だったのにって、バージンじゃないてって事なの。詐欺だ。
「椿、仲間内でも、処女じゃないと人前て話でさなくても」
「旦那様、御姉様方も嫁いでなく、家に処たと迷霧さんから聞き及んでいます」
鬼姫の椿様、意味が解りません?
「凪様、処女は嫁いでなく、家に処る女の意です」
ひめのが答えたが?
「処女って、生娘、バージンの事じゃないの!」
「「違います!」」
八人の奴隷に否定された。
バージンは勿論解らないが。処女の意は嫁いでなく、家に処るおなごの事で、生娘とは限りませんとひめの・・・マジかい!知らんかった。日本ではどうなってるのかな。
「さて、これからどうしよう」
「あの。中松様に御借りした御本を返してきます」
「返してきて、真風」
中松さん、ハウツー本は返却です。
真風を送り出すと、早彩ちゃんが学問をしたいと言ってきた。許可を出すと早彩ちゃんが暗記しているのか、朗読を始めた。
「いろはにほへと
ちりぬるを
わかよたれそ
つねならむ
うゐのおくやま
けふこえて
あさきゆめみし
ゑひもせす」
あらま!いろは歌!!
やっぱり日本から、誰か来てる!
万字崩しは、作中でひめの達の衣装で少し解説していきますが、卍が重要なんです。
処女は明治時代に、バージンの訳として使用され、今の意味で広まりました。意味は作中のままです。
マジは芸人の楽屋言葉が元で、江戸時代中期に町人の間で流行りました。意味は作中のままです。
マジの言葉は、古くからあったみたいです。
本気と書いてマジとの読み方は、漫画家の立花あゆみ先生の造語です。
いろは歌は三十幕目の下準備です。迷霧ちゃん活躍回です。




