二十幕目 因果三人娘と契約しよう
契約編です。
琥珀と迷霧ちゃんと競り市会場の出口で合流する。
早彩の落札後、係の者の案内で紅乃間に通される。椅子と看板が片付けられ、長い机が幾つも並べられていた。
御高祖頭巾を被った女性が、奴隷契約をしていた。
「旦那様。三人揃って落札して頂き、ありがとうございます」
楓とみりあは涙ぐみながら、深々と頭を下げた。
あれ。早彩と一緒で、旦那さんが様になった。そういえば、名乗ってないや。
「この度は、三人も身請けして頂き、ありがとうございます。三人は悪評の為に、心配していました。田山屋の主で信助です」
「宜しくお願いします」
自分が御辞儀を終えると、奉公人に連れらた、早彩が入って来た。
「お兄様。買って頂、ありがとうございます」
早彩のあどけない満面の笑みが眩しい。
「姉妹で買って貰え良かったです。姉さん」
三人が抱き合って、喜んでいる。
三人が、自分の前に立つ。
「姉妹で、しかも友まで買って頂、ありがとうございます。楓、早彩、みりあは旦那様に忠誠を誓い、全てを捧げお仕えします。宜しくお願いします」
楓が代表になり、三人が深々とお辞儀をする。
人身売買して、お礼言われた。しかも姉妹と友人買い。
「寿 凪です。此方こそ宜しくお願いします」
自分は、お辞儀をした。
「それと、話がある。三人は評判が良くない。楓だけでも、名を字を替えないか」
「名ですか・・・解りました。名を代えてもかまいませんが、御願いがあります」
「何かな」
「旦那様が名を付けて下さい」
「良いよ・・では、同じ樹の名で椿は」
此方にも椿はあるからね、しかも侍が嫌がらないし。裏庭での炎との会話を思い出す。椿に話す。
「椿ですか・・・はい。ありがとうございます」
楓改め椿は、深々と頭を下げた。
「名を替えるのも一緒に行います。御公儀の決まりで、小袖と野袴に履き物は、値段に入っています。先ずは着替えさせますが、小袖と野袴どちらになさいます」
主が聴いてきた。へ〜、小袖等は値段に入ってるのか。
「小袖をお願いします」
「はい。着替えさせる間に、手続きをします。魔道具の首輪は、何色になさいます」
「黄色で」
「見る方の魔道具、見石はお持ちですか」
見石?今初めて名を知った。
石の魔道具とついでに、護り人の札を渡す。
「三人の身請け料、十五両と首輪代で、十八両となります。名を替えるのは、登録一緒に行いますので、無代(無料)です」
不満そうな中松さんが十八両用意する。
「確かに、十八両頂ました。呪文を決めて下さいます。すでに奴隷をお持ちなので、開始と終わりは全員は一緒です。登録に必要なので、紙に書いて下さい。終わりましたら、一人用の開始の呪文を決め、紙に書いて下さい」
「はい」
三人は、着替える為に奉公人と一緒に奥に行く。
自分は、紙に筆で呪文を書く。一人用と全員用を書いて渡す。必要な時がこなければ、良いな。そして、書類を書いていく。
声と呪文を登録しする。魔道具らしき、筆を使い書いてる。
「護り人の奴隷として働くのには、奴隷用の札が必要です。公文所で登録してから、働かせて下さい。遺言はどうされますか」
主の問いかけに自分が答える。
「公文所で書きます」
「はい。承りました」
机に蝋燭と皿が置かれ、蝋燭に火が付けられる。
暫くすると、小袖に着替えた、椿達三人娘が奉公人に連れられ入ってきた、手には風呂敷包みを持ち、三人娘が会釈をする。
小袖は、柄は地味で襟元は黒く、裾が短い。ひめの達のと似ている。
主が、椿・早彩・みりあの順に首輪を首に巻いていく。
「寿様。血を石に付けてください」
自分は用意されていた、針で自分を突き、血を出す。そして、血を首輪の石に付ける。
椿・早彩・みりあの順に付けていく。
「寿様、紙を蝋燭の火で燃やして下さい」
自分は紙を蝋燭の火にかざす。火が付くと横に置いて有る、皿に置く。燃え尽きるのを確認してから、主が話す。
「今から、椿、早彩、みりあの三人は、寿 凪様の所有奴隷となりました。三人に命令出来るのは、寿 凪様ただ一人」
やり方が越後屋とは、少し違うな、店が違うからかな。
椿が代表して自分に話す。
「旦那様。宜しくお願い致します」
三人娘が深々と頭を下げる。
「御姉様方、宜しく御指導願います」
三人娘は琥珀と迷霧ちゃんに深々と頭を下げる。
「も〜、御姉様なんて恥ずかしいです。迷霧です。此方こそ宜しく御願いします」
迷霧ちゃん照れてる。
「琥珀です。宜しく御願いします」
軽く会釈を琥珀がした。
三人娘は、町田様と中松さんに向く。
「小父様、小母様、宜しく御願いします」
えっ。おば! 椿よ血迷うな。
「おば・・」
中松さんの眉毛は、彼処まで上がるのか!
中松さんの眉毛は、多分五段階有るな。
椿が言った、小母は、他家の年配の女性に使う言葉です。
中松さんには失礼な言葉です。




