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最弱にて最強の  作者: 凪
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十八幕目 茶屋で精霊電話

 打ち合わせ回です。

 精霊を介して、離れていてもひめのと話せます。

 十二乃刻限(正午)を知らせる鐘の音が鳴る。

 最初に捨て鐘を三回鳴らし、気を引いてから、二十秒程待って、時刻を知らせる鐘を鳴らすそうだ。

 お寺の鐘の音に近いと思ってたら、迷霧ちゃんによれば、お寺の鐘だった。


 一階の茶屋に居る。テレビの時代劇でよく見るあの茶屋だ。長椅子に赤色の布が掛けて有る。

 昼食の団子を食べながら、お互いの水の精霊の仲介でひめのと連絡を取る。携帯電話みたい。


『菜山因果三人娘とは、もの好きにも程があるそうです』


 唐五訳あり三人娘を買ったんだ。別に驚く事でない。


『そうですね。だそうです』


 菜山三人娘は、才を見る力で諱と名が解った。多分だけどね。三人の因果は解けそうだ。


『諱で出来るのですか。呪術が使え無いと聴いた時は、勿体無いと思ったそうです』

 

 確かに、ひめのは勿体無いと言ってたね。

 正しくは、諱に術を掛けた、術者の名か諱、もしくは呪いの名さ。また、前世の名や本人も知らない、真の名もね。因果さえ解ければ、三人は掘り出しものだ。一人は髪が金色で、異国の神様の血を引く。


『金色の髪。神様の血を。驚いてます』


 競りは時の運。三人買えるかは解らないが、競りに参加する。帰ったら全員に話すよ。


『我達の主人は凪様です。主人が決めた事に従います。だそうです』


 それと、神の血の話は内緒話な、三人娘の早彩には特に。


『承知しました。だそうです』


 それと、三人はあざな(名)を替えた方が良くないか。


『字ですか。確かに菜山のきて一族の姫、楓様は名が知れてます、替えた方が無難かとだそうです』


 きて、姓か。文字は何と書く。


『鬼でき、ては弓に下に一でです。鬼弖きて一族だそうです』


 ね、意味深な文字だな。

 弩と大弓が得意か。なるほどね。

 終わろうか。水さん、ありがとう。

『いえ。何時で申し付けて下さい』


 ひめのとの精霊電話を終え、草団子を頬張る。

 目で迷霧ちゃんと琥珀に終了したと知らせる。二人は小さく頷く。


 太鼓の音が聴こえる。

 男性の部が始まる合図だ。自分達は女性が目的なので、終るまで茶屋で時間を潰す。

 太鼓の音を合図に客の何人かが席を立ち、勘定を済ませて茶屋を出ていく。


「おい。聴いたか、森護の姫の話し」

「何だい。顔見世には居なかったが。滅多に奴隷に出ない森人で、相当の美人らしいから楽しみにしてたのに」

「唐五三人娘が居なかったのは、身請けされたからさ」

「魔道具の首輪を壊さなかったのか」

「身請けした男の色香にほだされたそうだ」

「何だそれ」

「とにかく目玉が無くなったのさ」

「確かに、後は同じ三人娘でも菜山因果三人娘ぐらいか」

「縁起でもねえ」

「ああ。不吉だ」


 あらま。身請けは昨日の事なのに、もう噂になってる。しかも結果が正確だ。どこから漏れた。


 一刻(一時間)程待つ。

 太鼓が鳴る。

 男性の部の終了の合図だ。殆どの客が席を立つ。

 迷霧ちゃんと琥珀は、このまま茶屋で待たす。自分に身請けされなければ、今日は競りに掛けられていた筈だから、気遣ったからだ。

 

 競りの会場に入る。あらま。マス席になっている。普段は芝居小屋だけあって、舞台に垂れ幕、そして花道まで付いている。

 舞台上には、大太鼓に笛太鼓と三味線の音楽隊まで居る。本格的だ。

 

 客は男も多いが、御高祖頭巾を被った、女性もちらほらと居るな。


 暫く待つと、舞台上に人間族の中年男が出てくる。

「お忙しい中を足を運んでいただき、ありがとうございます。おなごの競りを始めます」

 マイクの効果が有る魔道具で、声を大きくしている。中松さん講座。


 囃子はやし笛太鼓が鳴り始める。そして花道を女性達が、一列に並び行進して来る。


「最初は紫乃間です」


 えっ。紫乃間、あらま。春さん達だ。


 次回は、競りが始まります。 

 日乃は迷信深い種族が、多いです。


 弖は、現在は弓と関係無い漢字です。

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