十六幕目 大奴隷競り市 紫乃間 顔見世
短いですが、今回は謎の言葉は無いです。
紫乃間に入ると、受付が話す。
「十五歳から二十五歳のおなごです」
会場に入る、紫一番は越後屋で会った春さんだった。
他の三人、ねね・つる・松が並んで椅子に座っている。
「ごきげんよう。寿様」
春さんが満面の笑みで話し掛けてきた、目が笑ってないよ。三人も同様だ。なんか怖い。
「こんにちは」
春さんに挨拶をした。
「先ほど憚りで迷霧に会いました。寿様のお優しさを聴き、羨ましい限りです」
「ただ甘いだけで」
「御自身の分の肉を奴隷ごときに、お譲りなさる度量の方はそうそういらっしゃいません」
「肉が嫌いなだけです」
肉アレルギーだからだよ。
「御謙遜を。我も寿様に御仕えしたいです」
だって春さんは扱いずらそうだもん。
四人の視線が痛い。逃げよう。
「これは、寿様。競り市にもいらっしゃいましたか」
「こんにちは。番頭さん」
挨拶もそこそこに逃げようとしたら、今度は主に捕まった。
「これは、寿様。競り市はどうでしょう。御眼鏡にかなう方は居ましたでしょうか」
「こんにちは。越後屋さん。競り市は始めから来るつもりでしたから。琥珀や迷霧のような良い子達に、越後屋さんだけで出逢えるとは思ってなかったので」
「琥珀達を従わせる、寿様が凄いのです」
「凪様の側は落ち着きます。
凪様なら付いて行けます」
琥珀が嬉しそうに答える。
「琥珀に迷霧。寿様に誠心誠意お仕えしなさい。これだけ良い主人には中々出逢えません」
「はい。誠心誠意お仕えします」
二人が声を併せて答える。
四人の視線から逃れるように、紫乃間から出る。
「迷霧。口を慎みなさい。秘め事ではないけど」
迷霧 口の軽い子。 秘密厳守の忍者かな。
「申し訳ありません。凪様が優しいので、つい自慢したくなりまして」
迷霧ちゃんは狐耳をピクピクさせてる。怯えてるの。
「四人の目が怖かったですね」
琥珀も気付いてたか。そりゃ気付くよね。
「こういう事も有りますな」
そうですね、町田様。
「白乃間に行くつもりですか」
中松さんが眉毛を上げながら、怖い目で質問してきた。中松さんは解り易い人だな。
「せっかくなので、見るだけです」
本当は、早彩に会う為にだけど。
「凪様は、童女がお好きなのですか」
迷霧ちゃんが軽蔑の目差しを向ける。
「えっ。そうなんですか」
琥珀まで。
後で五人には説明しよう。
町田様は、背中を向けている、笑い声を出さないだけで、背中が笑ってる。
笑ってないで、町田様助けて下され〜。
「因果三人娘全員と話したくなって」
「童女好きより悪いかと。呆れるくらいにもの好きですね。我の主人ながら」
琥珀ちゃん。ため息付かないで。
女子三人の視線が痛い。
春さん達の視線よりはましだけど。
「二人は、おだててくれたから、もっと持ち上げて貰いたくて」
「どれだけ御自身が好きなんですか」
琥珀よ。ため息しないで。とっさの言い訳なんだから、本気にしないでよ。
「とにかく行こう」
逃げる為に階段を上がる。
ロリコンの白乃間に行こう。
次は、ロリータの白乃間です。




