十二幕目 初夜とハウツー本
どうも、凪です。
ぱせりさん、感想と御指摘ありがとうございます。確かに、誰が話しているか、解りずらいですね、復旧作業の合間で直します。
後、舌たらずな感じがするそうですが、中松さんが多用する語尾の かと ですか。
江戸時代初期の風俗の設定なので、女人の武家言葉を使いました。時代考証オタクの武具オタクなので、古語を入れていきます。長巻など正常な方が知らない、単語は慣れてもらいお買い物編や戦闘編で詳しく解説するつもりです。
今後とも宜しくお願い致します。
◎性描写が有ります。注意して下さい。
皆で湯船を出る。
真風とひめのが身体を拭いてくれた。後ろから、湯帷子(浴衣)を炎が掛けてくれて、琥珀が帯を巻いてくれ、迷霧ちゃんが帯を結んでくれる。
至れり尽くせり。駄目に成りそう。
五人がお揃いの黒い花柄の湯帷子を着る。自分だけは波の柄だ、殿方用だって。
温泉旅館の浴衣の感じがする。
「湯帷子はこんな柄が、多いのか」
自分が聴くと迷霧ちゃんが答えた。
「いえ、旅篭の湯帷子なので、床着(寝巻き)としても使います。湯帷子はおなごの品は、艶やか品も有ります」
確かに、三崎の城で出された、床着とは違うな。温泉旅館の浴衣と違い、日本の普通の浴衣に似ていた。
「へー、艶やかなのを皆に着せたいな」
自分が呟く。
「着せて、凪様が脱がしてくれるのですか。も〜、凪様たっら」
迷霧ちゃんが一人でボケてる。
迷霧 エッチな子
脱いだ衣服は篭に入れて、部屋に持っていく。自分の分は琥珀が無言で持った。
「少し裏庭で涼んでいくよ」
「我が御供します」
迷霧ちゃんが寄り添う。
ひめの表情が険しくなる。
「大丈夫ですよ。抜け駆けしません。凪様が手出しするなら大歓迎ですが」
迷霧ちゃん。波を立てないでね。
「我も御供します」
ひめの〜。
「ひめ。お話しがありますから、ここは」
真風がひめのに小声で話す。
話しって何だろ。
「我が警護に付きます」
炎が供に名乗り出た。
迷霧の分は真風が持ち、炎の分は琥珀が自分の分と一緒に持った。
三人に見送られて、迷霧ちゃんと炎と一緒に裏庭へ移動中。
角を曲がり少し歩くと。
「凪様。失礼します」
自分の左手に、手を繋いできた。
「こんなにはしたない真似は、初めてです。でも、我の御主人様でありますから」
好きにさせとこう。
炎を見ると羨ましそうな、表情をしたが、自分の周りに注意を払っている。
裏庭は、日本庭園の縮小版の感じがする。小さいが木々が癒す。
木には、葉が繁り赤い花を咲かしている。
「椿か、此方にも有るんだ」
自分が呟く。
「はい。凪様、御座います。赤い椿の花ですね。美しゅうございます」
迷霧ちゃんが答えた。
「日本では、椿は花が落ちるから、首打ちを思わせるから、侍が嫌ったが」
「日乃では、椿の花が落ちても、侍衆は嫌いません」
回答ありがとう、炎。
庭の中央に置かれた、蝋燭の火が優しく周りを照す。蝋燭の灯りは、暗いな。
長椅子が、ベンチの様に置かれている、二人で腰を下ろす。
「炎もおいで」
自分が誘うと、恥ずかしながら、自分の横に座る。
自分は星を見る。星は幾つかの相違点が有るが、日本と同じだ。不思議だな。
迷霧ちゃんが自分の肩に顔を寄せる。
「迷霧。はしゃぎすぎだったよ。気を付けなさい。仲間だよ仲良くな」
「御心配をお掛けしました。凪様がお答えして下されないので。もう致しません」
「なら、いいさ。炎もな」
「はい。凪様」
自分は日課になっている、二つの祝詞を口にする。やっぱり此方では反応が無い。無理かな、ふー。
迷霧ちゃんと炎には、今の祝詞は、秘め事にした。仲間内なら良いが、他の人々には知られたくない。
『おい。今部屋で和風様達が面白い事をしてるぜ。声を掛けずに入りな。鍵は掛かってないぜ。くくくっ』
『植よ悪さは、止しなさい』
植の草犬と水の精霊が騒がしい。水らしくない。
『和風ちゃん達が御本を読んでる。絵がイッパイの本を読んでる〜』
『植は面白いがってるけど、何の本。和風様付の精霊に聴いたら怒られた。プー』
火と風まで。
『三人は無視して下され』
土まで。何か有るな。戻るか、草犬の指示に従うのは癪だが。
「迷霧。炎は気配を消せ」
「部屋に戻るのにですか。は、はい。畏まりました」
迷霧が戸惑いながら、気配を消す。炎も気配を消した。
まだ、部屋には結構有るが、廊下で三人の気配を消す。
『鍵は開けといたぜ』
草犬め、何が鍵は掛かってないだ。鍵を開けるか、一時とはいえ実体化できる、草犬ならではの芸当だ。伝承と一緒だ。
部屋の入り口の引き戸を、勢いよく開ける。
バァと敷いてある、布団の中には何かを隠した。三人の見事な連携技。ひめのが何かを投げ込み、琥珀が掛け布団を被せ、被せた掛け布団の上に真風が座り込む。
電光石火の早業だったが、見逃しません。
「ひめの。今何を隠した」
自分が強い口調で聴く。
「いえ、何でもありません」
ひめのが答えるが、三人共怯えてる。
「ひめの」
自分が強い口調で、名を呼ぶ。ひめのはビクと身体を振るわせる。
「鍵は、掛けたのに」
真風が呟く。
自分が布団に近付く、琥珀が前を遮る様に座り治すが、自分の退きなさいの、一言でしょんぼりしながら退く。
真風を退けて、掛け布団を捲ると四冊の本が出てきた。時代劇で見る古い装丁の本だ。
一冊を本を手に取ると、三人があっと声をあげる。中を捲ると絵が大半を占める。
裸の女性の絵だ。浮世絵に近い感じがする。
「あらま。エロ本?」
「えろですか?これはあぶなえですね」
一緒に入った、迷霧ちゃんが解説してくれた。
「あぶなえ?」
「おなごの裸体を見せる為の書です。湯浴みの絵でしょ」
迷霧ちゃんの言うとおり、よく見ると確かに入浴中の女性だ。他のページを捲ると四人の女性が入浴している。胸が露だ。
ヌードグラビアみたいな本なのかな。
もう一冊を手に取り、ページを捲ると今度は、男女のエッチだ。
「まあ、おこえでありませぬ。何とはしたなや」
迷霧ちゃんが湯帷子の袖で顔を隠す。
炎も顔をそむけた。
後の二冊も作家が違うがエッチ本だった。
「ひめの。何の真似だ」
「あの、我らは男女の営みに疎いので、手本として中松様より御借りしました」
ひめの真っ赤だ。
「我と炎さんと留守番してる時に我が預かりました。炎さんは知りません。男女の営みは知りませんので。武家では、男女の営みに疎い者が嫁入りする時に、嫁入り道具の中におこえを忍ばせて貰い、手本にする慣わしが有りますので。おこえは殿方が御覧になりますが、おなごの手本にもなりまする」
真風が答えるてしょんぼりとする、ひめのと琥珀がうなだれた。
へー。そんな慣わしが有るんだ、ハウツー本なのかな。春画だよな。春画が入門書なのか。
日本は情報が氾濫しているけど、此方は情報が少なさそうだ。
しかし、中松さんは貸し切り風呂といい、ハウツー本といい何をしてるんだろう。
「何ゆえ、鍵が」
琥珀が呟いている。
草犬君大手柄。
『なあ。面白かったろ』
そうだね。ありがとう。
自分は五人を見据えて話す。
「五人共聴きなさい。手本など要らない、皆は寿 凪の教える事以外必要無い。何故なら自分の好みの色に染め上げるからだ。解ったかい」
「「はい」」
五人共良い返事だ。
「真風。明日、中松さんに本を返しなさい」
自分が真風に命令する。
「はい。勝手な振舞い申し訳ございません。明日、中松様に御返します」
『ほう。上手くまとめたな。くくくっ』
上手いだろう。草犬君。
迷霧ちゃんに小声であぶなえの文字を聴く。危な絵と書く。おこえは痴絵。他に笑い本、枕絵、枕草紙、勝絵、会本、秘絵、艷本等と色々呼び方が有るそうだ。知らんかった。
ヌードグラビアの危な絵とは、区別しているそうだ。春画はと聴くと、キョトンとしていた。春画の言葉は無いみたい。
部屋を見渡す、三組の布団が敷いてある。
「女中さんが敷いたのかい」
「多分そうかと。湯から戻りましたら敷いてありましたから」
真風が返答した。
中松さんの指示かな。奴隷は二人一組の布団が無難だと話していたから。
自分が一人と寝るのは、中松さんの中では決定みたいだ。
この部屋は外からは。鍵が掛けられないからな。盗られて困るのは、迷霧ちゃんの巾着袋だけだが、迷霧ちゃんが湯の脱衣室まで隠して持っていたし、今も隠し持ってる。流石は忍者だ。
「唐五の出で無いので、迷霧と炎さんは仲間外れですか。それとも、ひめのさんの邪魔をしたからですか」
迷霧ちゃんが少しションボリしている。
「すいません。話す刻が無く、別に仲間外れになどしてません」
真風が迷霧ちゃんと炎に必死の弁解をする。
琥珀、ひめのもフォローに入る。
迷霧ちゃんは少し機嫌が治ったみたい。
「真風と琥珀は一緒に、炎は一人で寝てくれ。ひめのと迷霧は自分と一緒に」
「ありがとうございます」
迷霧ちゃん嬉しそう。
「ありがとうございます。凪様」
ひめのも嬉しそな顔をした。
中松さん、予想はハズレです。三人で寝ます。
炎、真風、琥珀の順に、就寝の挨拶をしてから、それぞれの寝床に入る。
ひめのと迷霧ちゃんが二人して、布団の前に正座をしている。
「凪様。今宵は御同伴させて頂ます。生娘なので至らないと思いますが、宜しく御願いします」
ひめのが深々と御辞儀をした。
「不作法者です、何かと至らないところがありまが、宜しくお願い致します」
迷霧ちゃんが深々と御辞儀した。
「二人共、良いんだね」
「はい。凪様に全てを捧げます」
ひめの顔を真っ赤にして誓う。
「我は凪様に、奴隷身分ですが添い遂げます。越後屋さんで誓いました」
そうだったね。迷霧ちゃん。
「迷霧。先に布団に入りなさい」
「はい。凪様」
迷霧ちゃんが一人布団に入り、ひめのと二人になる。
「ひめのはキスをした事は、有るかい」
「キス?」
ひめのは首を傾げた。
「えっと、接吻だね。した事は無いな」
「はい。御座いません」
「接吻はキスと言う。初めてなら、ファーストキス」
「ふぁーすときす?。はい。ふぁーすときすです」
なんと綺麗な笑顔だろう、自分のモノにしよう。
正座をしたまま、自分はひめのの唇に、自分の唇を重ねた。
しばらく、唇を重ねたが自分が放す、ひめのの表情は、妖艶な感じがした。
再び唇を重ねる、今度は舌をひめのの口に入れた。
ひめのは目を見開き、瞼をパチクリとしている。知らなかったの、ハウツー本が必要なはずだ。
唇を放し、自分はひめのに優しい口調で話す。
「舌と舌を絡ますんだよ。少しづつ色に染めていくから」
「はい。凪様」
ひめのと唇を重ね、お互いの舌を絡ます。布団の中の迷霧ちゃんが凝視している。
唇を放すと自分はひめのの、湯帷子の襟元から手を入れた。
湯帷子の単語は有ります。作中の湯帷子は浴衣ですが、実際の湯帷子とは少し形が違います。湯帷子が発展して、浴衣となりました。
会本、勝本等の言葉は昔の日本で使用され、武家の花嫁道具に忍ばせてもらい、手本にしたそうです。春画は新しい言葉なので、好みで無いことにしました。
危な絵は、紹介したかっただけです。




