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最弱にて最強の  作者: 凪
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一幕目 奴隷を買いませんか

 ファンタジーですが、少し違うかな。

 時代劇ファンタジーです。

 時代考証・武芸・武具・古語・怪談・民話・神話・くずし文字・科学オタクが自分の知識と業を書きたくて始めました。

 現代語は苦手なので、間違いがあったら指摘して下さい。

「奴隷を買いませんか」


 自分付きの侍女、中松朋美は人身売買を提案してきた。


なぎ様はこの三崎藩にて知り合いもなく、いきなり魔道にて召喚されました。

 生きていく為には与えられためいを果たさなければなりません。

 でなければ殺されます、勝手だと思いますが、そういうのがこの世です」

「命を果たすのに人手が居ると」

「はい。その為には奴隷を買うしか有りません。この世のことわりと武芸。運さえ良ければ道に通じた者も手には入るかもしれません。

 凪様はまず、家の侍の方々は許しがでないです。浪人は秘事の為、許しはでません。奴隷ならば魔道具で秘事は守れますから許しが出るはずです。金子きんすは御館様が出すでしょう」


 奴隷か。うーん。


「凪様は、奴隷がいない世からおいでのようですね。いくさが無くなりましたから、戦奴隷はでないでしょう。近頃多いのは取り潰し奴隷です。御公儀の沙汰で取り潰しになる藩があり。藩主の血縁者や身分の高い血縁者が見せしめの為、公儀の沙汰で奴隷身分にされた方や、取り潰しで金銭が苦しくなり、子を売る事が多いです。

 後、年貢が払え無い為、売る年貢奴隷です。若いおなごは、遊廓か奴隷を本人に選ばせる事もあるらしいです。借金の為奴隷になる借金奴隷。親族が禁を犯し、連座で親族が奴隷身分にされる。連帯奴隷です。

 運が良ければ連帯か取り潰し奴隷で、その道に通じた者に巡り会えるかも。

 先ずは理と知と武芸かと」


 若くて美人だけど中松さんは怖い所があるね。


 でも、中松さんの話は合っている。

 うーん。確かに、平成の日本からいきなり連れてこられ、江戸時代の日本と似た異世界で生きていく為には、人手と武力に知識が必要だ。



 この異世界は不思議な事に日本語が通じて、漢字(音読み・訓読み)・平仮名・カタカナが語源であり。通貨は江戸時代の単位と同じだが、通貨の形状は異なる。下から文・貫・朱・分・両で一両の小判・五両の中判・十両の大判になる。

 衣服は着物で、小袖や着流しが一般的で、侍は身分の低い者は着流しで、ある程度身分がある者は、袴となる。時代劇で同心が着流しなのは身分が低いからなのか。異世界に来て初めて気が付く。


 水●黄門が穿いているズボンみたいなのは、野袴のばかまと言って、これは身分の違いは関係無く穿ける。作業着の取り扱いらしい。


 町人には苗字が無く、侍と認められた一部の者だけが、苗字をもてる。

 刀は、身分で脇差し・大刀一本・大小の二本差し・太刀となる。藩主に認められたら、領内のみで商人、農民でも刀を差せる。豪族も身分で差せる本数が決まっていて、身分が低い者は、領主の許しで領内のみで差せる。

 身分、身分か。嫌だね。


 侍がいて髷を結っているが、何故か武士の言葉が無い。

 代わりに侍道はある。


 似ていようで、違うから異世界なのか。



 時代劇で見る日本の江戸時代と似ているが、日本と決定的に違う点がある。


 魔道(魔法)が実在する。



 人種によって藩に別れている。


 獣人の各種族・翼人よくじん各種族・龍人・人魚等が居るらしい。

 イマイチ解らないのが、虫人むしびと森人もりびと地人ちびと小羽人こはねびと大目人おおめびとなどの種族だ。




 そして、魔獣・妖魔の存在だ。



 この三崎藩 三十万石は人間族が支配している。四年前に幕府からの命令でこの藩を支配した。


 前政権に親しかった前の藩主は切腹させられて、この藩の大半の侍だった獣人・龍人は、強制的に農民にされ魔獣が跋扈ばっこする、荒れ地の開墾に従事させられている。



 戦国時代は十年前に終わり、一応平和になりかけている。帝と将軍が実在して世を納めいる。

 この国の名は、日乃国ひのくに



 許しが出た。資金として、三百両の金子が用意された。



 自分は初めて城から出る事ができた。

 服装は羽織りと野袴と足袋と草鞋わらじ


 召喚後は常に、侍女か侍の接待(監視)を受けていた為、明日は初めてのお買い物。

 人身売買だけどね。



 前日に、中松さんと一緒にまもびとの札の手続きの為、公文所こうぶんしょへ行く。市役所と司法書士事務所を合わせた感じらしい。

 中松さんと並んで歩くかと思ったら、後ろ八歩遅れで道順を指示してくる。

 殿方と連れだって歩くなど、はしたないそうです。


 公文所の前に立つ。

「看板が無い」

「無いのがあたりまえでは」

 中松さん、そうなんですか。そういえば時代考証の本で読んだな、江戸時代の日本では、戦国時代の名残で敵に解りにくいように、敢えて看板を出さない。

 時代劇では何故か、北町奉行所と看板に書かれているが、テロップを流して解るようにしろと書いてあった。

 店を除き個人の家も表札を出さなかったらしい。

 こちらも、そうなのかな。

 迷子になりそう。


 公文所の受付でしばし待つ、自分の番です。

「護り人の登録をお願いします」

「承知」

 年老いた侍だ脇差しだけを差しいる。隠居して、息子に家督を譲った人達の最就職先らしい。

 だから、お爺さんばかりなのか。色気が欲しい。

 氏名・歳・出身地など。打ち合わせで決めていた事を記入する。

 豪族出身にする。

 用紙には必要事項を筆と墨で記入。

 習字は苦手だ。字が下手くそだから。



 用紙と引き換えに蒲鉾の板ぐらいの物を渡される。これが札か。

 色は白、上に穴が開いている。紐を通して首からかけたり、衣服に付けたりする。


 血を一滴付ける為針で刺す。これで、他の人は札に書かれた内容が読めない。


 一刻・一時間待つ。その間に掲示板を見る。 賞金首の似顔絵がズラリ。



 中松さんに護り人に付いて詳しい説明を受ける。

 しごく簡単に言えば、冒険者。

 用心棒や魔獣の討伐に雑用と仕事は幅広い。

 十級から、始まり、一級まで。

 特別の特級まである。

 新人の自分はもちろん十級です。


 何故護り人の札を受けたのか、奴隷の為です。奴隷は普通は武器携帯禁止。

 町人や農民は脇差しはオーケー。

 荒事を仕事にする為に武器と防具は必要です。護り人や討伐人の札で管理奴隷は主人の責任において武器携帯を許可。

 ただし、槍や弓など目立つのは街中では禁止。


 その資格として護り人の札を取らせられました。


 仕事は口入れ屋。人材派遣会社みたいな店で貰う。

 魔獣は様々な原料に成る為、持ち帰りが基本。


 薬問屋か武具屋で買い取りをしてくれる。

 口入れ屋の近所によく有る資材屋でも買い取りしてくれる。

 札をかざして魔道力を込めて入れと言えば吸い込まれ。出すのは出ろと言えば出るんだって。魔道具万歳。


 規定の件数の仕事を受けると公文所へ行き進級してもらう。


 討伐人とうばつにんも説明してくれた、賞金稼ぎだって。

 手配の罪人を捕まえる。(生死は問わず)

 藩の垣根を越えて自由に活動出来るが、元侍か護り人の上級者にしか札が出ない。

 余所者を全く入れない藩が、幾つかあるが討伐人の札で入れる、此方にも国内鎖国の薩摩藩みたいな藩があるのか。

 護り人でも賞金稼ぎができるけど、藩を自由に行き来できない。護り人は流れ者が多いが活動する藩の公文所に移動の登録しないと駄目らしい。

 税金(年貢)は藩へ払い報酬から天引きされる、流れ者でしょに。何故税金取られる。

 警護で町を離れる時は、目的地で依頼終了書を受け取り報酬がでる、受け取る藩で天引き。


 札には貯蓄も出来、現金の代わりに口入れ屋・資材屋等で記録してもらう。

 銀行の代わりに、両替商で受け取る。




 札を受け取ると、確認の為に魔道力を込める。文字が浮かび上がった。

 記入漏れ、間違いは無し。


 町を散歩したいと頼んだけど、却下。

 お城に連行されますした。



 翌日、侍女の中松さんと二人の侍(人間族)の案内(監視)で、川を舟で下り。隣りの藩へと移動する。



「三崎藩には、売りを行う商人が無く、隣りの佐高藩に御在所ます」

 付き添いの高齢の侍町田が話すが買いを行う商人なら居るのかな。

 もう一人は若く笹が名前。


「本日は越後屋に。明日は三月に一度開催される大競り市に案内します。近辺の商人が集まり奴隷の種族も人数も多いくなります。しかし、競りは高くなるので用心して下さい」

「解りました」

寿ことぶき殿はどのような陣をお考えかな」

「自分が前衛で前衛をもう一人と魔道が使える後衛が一人。弓が使える後衛が1人です。後は値段と人材次第です」

「じぶん・・」

「ああ。自分は拙者の意味です」

「言葉遣いはご注意下され」

 言葉の意味が違ったり、言葉が無かったりするな。気を付けよう。



 船着き場に船が着き少し歩きいて、店先で看板を確認する。看板出てるな。

 奴隷商 越後屋の戸をくぐった。



 少し改定しました。

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