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旧カミカゼ。  作者: 笹倉亜里沙
-ロク-
22/66

code:4「基地」

唐突に切り出した煤野木に若干驚きつつ、隊長はすぐに笑って。


「えぇ、構わないです」


にこにこしながら煤野木の話を待った。

それに対して、煤野木は若干言いづらそうに。


「・・・・この基地は、どうやって出来た?」


視線を自身の持つ紅茶に向けながら言った。


「・・・・・ふふふふ。面白い質問ですね」


隊長はそう言いながら紅茶へと口を着ける。

軍帽に軍服で、更に個性的な髪型なので似合いそうにないのだが。

その光景は異様に似合っている。


(・・・・普通はここで、私の過去に何があった。だとか。聞くものですが。

敢えて、ここはどうやって出来た。なんて聞くなんて)


甘くて温まる紅茶を飲みながら、隊長はそんな事を考えていた。

そして、飲み終えた時には。


(面白いですね、煤野木さんは・・・)


紅茶に対しての笑みか。煤野木に対しての笑みか。

どちらとも捉えずらい笑顔を見せる隊長。


「ここは、厳密に言うなら私達地球人(にんげん)が作った物ではないです」


その隊長の答えに。煤野木は対して動揺せず。

ただ端的に返事をした。


「・・・・・・そうだろうな。意味不明な機械とかならまだ未来だから。と思えるが。

植物も水も汚染されて、動物もいないこの場所で食べ物や飲料水。

ついでに言うならシャワーを浴びる程、資源に余裕があるわけがない。

無から有を作る機械が出来てるっていうなら納得出来るが」


煤野木は、端的に答える。

それに対して隊長は笑顔のまま。解答を言うように続けた。


「そうですね。この基地は厳密に言うとカミカゼを置いていった人。・・・?

いえ、二足歩行の動物とでも言えばいいのでしょうか。彼女が置いていった遺産の一つです。

ですから、これは宇宙人の文明機器とでも言えばいいのでしょうか」


喋りながら隊長は立ち上がり、ティーカップを持ちながらテーブルへ移動していた。

そして、煤野木はある部分に反応する。


「置いていった二足歩行の動物・・・・?」


隊長は再びインスタントを取り出した後に、カップへ入れて紅茶を作る。

紅茶が少し冷えるまでの間に。隊長は返事をした。


「はい。実際には女性なのだと思いますが。私にもちょっと分からなくて」


少し困惑したような顔をしながら、隊長は続ける。


「・・・・・容姿は確かに人間ですが。中身は人間には程遠かったので」

「・・・・つまり人間の皮を被った化け物みたいな。と」


煤野木の的確な答えに。隊長は「ふふっ」と笑った後に。


「私が知ってる出来る限りの過去を。話しましょうか」


隊長はご機嫌そうにカップを持ちながら、ベッドへと座り込んだ。




夜はゆっくりと更けて行く。

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