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潜入④


 一方、手分けして探索していたカストロ達も怪しい人影を見つけていた。

 カストロは通信機を手に取り、全員に伝える。


「こちらカストロだ。今ローブを着た奴らを発見した。奴らは集まり、古い遺跡の建物内に入っていってる」


 夜の闇にまぎれながらカストロが小さな声を全員に飛ばす。

 カストロの視線の先では、全身をローブに身を包んだ者達が古く小さな遺跡の建物内に入って行っていた。


 カストロがそんな様子を伺っていると、突然通信機からボーラの声が響いた。


「どんどん集まって来るわね。このまま見てても埒が明かない。私とバスケスで潜入するわ」


 突然行動を起こそうとするボーラに、カストロが慌てて止めに入る。


「ちょっと待て軍曹!潜入ってどうやるつもりだ?」


「ローブを着た連中を二人確保したの。これを着て私とバスケスが建物に入るわ」


「おい!確保って……おいっ待て、ボーラ!」


「あれ?なんか通信機の調子が悪いみたい――」


 そう言ってボーラからの通信は途切れた。


 しばらくすると、背の高い女と若干背の低い男が教会の前に現れる。


「おい、あれって……」


 カストロが双眼鏡を覗きながら一応尋ねるが、隣の女性隊員が呆れたように頷いた。


「ええ、ボーラ軍曹とバスケス伍長と思われます」


 ため息を漏らしカストロが頭を抱える。


-----


「よし、すぐに入れ」


 遺跡の建物前に立つ門番との短いやり取りを終え、ボーラとバスケスは薄暗い建物内へと足を踏み入れた。


 明かりもない空間に人影はなく、バスケスは戸惑いを見せる。だがボーラは冷静に暗闇の中に置かれた古びた長椅子や壁を調べていた。


「おい、お前たち何をしている?」


 突然後ろから声をかけられ、バスケスは身を強張らせる。だがボーラは振り返ると自然に答えた。


「ああ、私たちはセイランさんの紹介で初めて来たんだけど、隠し通路がどこか分からなくて。ちゃんと聞いてから来ればよかったわ」


「……セイラン。ああ、確か熱心に通っているあの太った婦人だな。そうか、分かった。奥の長椅子の下に階段がある。早く行け」


 男は疑うことなく隠し階段の場所を教えてくれた。


 礼を告げ、二人は階段を降りていく。


「ボーラ、セイランって誰だ?それになんで隠し通路があるって分かったんだ?」


「さっき確保した人よ。実際にここに向かってた人の名前だから怪しまれない。それに、あれだけの人数が入ったのにどこにもいないんだから、隠し通路があると考えるのは当然でしょ?」


 バスケスは目を見開き、感嘆の声を漏らす。


「すげえな。あの一瞬でそこまで……それに男に声をかけられても全然動じなかった」


「準備よ。前もって色々なパターンを想定しておけば、いざという時も冷静でいられる。……まさか、私のことをただ常識外れで背が高いだけの女だと思ってた?」


 ボーラが笑いかけると、バスケスは苦笑いを浮かべた。


 二人は曲がりくねった地下通路を進むと、やがて自然の洞窟を利用した広い空間に出た。そこには数十名のローブ姿の人々が跪き、祈りを捧げている。


 二人は岩陰からその様子を見守った。


 しばらくすると、信者たちの前に小柄なローブ姿の人物が立った。距離があるため顔は見えないが、背格好から女性と思われる。


「皆さん、遂にシャリア様が復活なされました。シャリア様の生まれ変わり――その名はアナベル。我々と共に、この不浄な世界を浄化しましょう」


 信者たちから歓声が上がった。


「まさにカルト教団ね」


 ボーラが眉根を寄せて呟く。

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