合言葉
学院の生活は退屈だけど、たくさんの友達ができた。
幼なじみのアンナはもちろん。力自慢のムゲツ、炎魔法が得意なフレア、モノづくりの得意なクリフト、剣技に長けたアルファ、俺と同じ回復魔法の得意なマナ、そして、親友のレオンなど他にもいろんな奴がいる。
「レオンもう、3年生だね」
「早いもんだね」
レオンとは気があってよくつるんで遊んでいた。
「今日は何して遊ぶ?」
「ねえ、合い言葉は、覚えてるか?」
「もちろん!」
「せーの、アスラ!」
阿修羅は、元の世界の鬼神の名前で俺が好きな言葉のひとつだった。
「そうだな、近くのダンジョンへ行ってみようぜ!」
「ダメダメ、ダンジョンへは勝手に行くなって、アリーナ先生にも言われているだろ。」
「先生の言うことなんて気にしてるのか?」
「いや···そういうわけじゃないけど···」
「じゃあ行こうぜ」
「しょうがないなあ」
そんなたわいもない話をしていると、
「オイ!そこで何している!」
「ヤベ、衛兵だ!」
「誰かいるのか?返事をしろ!」
「さっさと行くぜ!」
「ハーベル、待ってよ」
急いでダンジョンの入り口までやって来た。
ダンジョンといっても町の外れにある洞窟で大した魔物もいないはずだった。