光と闇
「ドンドン、ドンドン!」
「おい、誰がこんなところに家なんか建てやがった?出てこい!」
「あらあら、朝からうるさいわね」
大きな斧を持った大男がドアの前に立っていた。
「すいません、どうかしましたか?」
「ここは、俺が管理する神殿の土地だ、勝手なことされたら困るよ」
「そうでしたか、申し訳ありません。明日にはどかしますのでもうしばらくお待ちください」
「明日まで?本当にどかせるのか?明日もあったらぶち壊すからな!」
「はい、すいませんでした」
大男は、斧をブンブン振り回しながら森の奥へ帰っていった。
「師匠、怒こられちゃいましたね。もう少し離れた場所に移しましょうか?」
「そうね、その方がいいみたいね」
準備を整えたら、家を小さくしてアイテム袋へしまいこんだ。
「じゃあ、15階層へ」
「はい」
テルミットを掲げた。
昨日の部屋には何もなく、モンスターも出てこなかった。
「そういえば、なんで昨日この部屋に入る前にトラップが分からなかったのでしょうか?」
「おそらく把握で分かるトラップは、発動条件が魔力感知のもので、物理感知型のものは見逃してしまうのかも、そもそも物理感知型のトラップは、少ないけどボス部屋などには注意した方が良さそうね」
俺たちは、さらに先へ進んだ。
16階層は、広い部屋の中央に強い光を放つ大きな玉があり、闇の神殿らしくない光景だ。ただ、部屋の周りは光のせいで深い深い闇になっていた。
「まずは、中央の光を何とかして!」
「ストーンウォール!」
光の周りに壁を作って光を弱めた。すると周りの闇から無数のモンスターが現れた。
「わあ、どこにこんなに!」
応戦したが、追い付かない。急いでストーンウォールを解除した。
すさまじい光でモンスターたちは闇の中へと追いやられた。
「なるほど、ここはこのまま素通りしましょう、師匠」
「分かったわ!」
急いで次の階層へ走り出した。
20階層までは同じような感じだった。
「何なんですかね?」
「まあ、よく分からないけど奥へ進みましょう」
21階層から急に敵が強くなってきた。
「師匠、ちょっとキツくないですか?」
「そうね、何かおかしいわね」
「さっきの飛ばした階層に何か仕掛けがあったんですかね?」
「そうかもしれないわね!」
「一旦戻りましょう」
二人は、テルミットを掲げた。
危なかった。あのまま進んでいたら全滅していたかもしれない。
「今のはヤバかった!」
「今日は、もう引き上げましょう」
「はい」
ダンジョンから少し離れた場所へハウスを設置した。
「明日は、16階からやり直しね」
「そうですね、あの光の間はどうすればいいんですかね?」
「ちょっと対策を考えておくわね」
「よろしくお願いします」
「そういえば、ちょっと聞いてもいいでしょうか?」
「あらあら、何かしらね?」
「師匠って、属性は何ですか?」
「ああ、それね···実は無属性なのよ。正確には、どの属性にも特化していないという感じ、逆にどの属性もある程度使えるオールマイティーな感じなんだけどね。ただ、どの属性スキルも使えないの。代わりに「設定」スキルが使えるので、無属性の属性スキルがこれみたいね」
「なるほど、ありがとうございます」
「逆に、ハーベルはすべての属性スキルが使えるようになったんでしょ、すごいアドバンテージよね」
「師匠の「設定」スキルまで使えるようにしてもらって申し訳ないです」
「あらあら、それはいいのよ」
なぜか嬉しそうに微笑んでいる。
まだ何かを隠しているように見えるがここはスルーしておこう。
明くる日の朝、師匠が嬉しそうにこう言った。
「攻略法が分かったわ!」
「おそらく、フロアの敵の全滅が条件ね、ただ前回のように光を覆ってしまうと一気に攻められて手に負えないでしょ?だから、部屋の半分を遮る壁を作ってフロアの半分だけが暗くなるようにすれば敵も倒しやすいはずよ」
「なるほど、それでいってみましょう、さすが師匠!」
早速16階層へ飛んで試してみた、案の定、敵の全滅が条件だった。
全滅させると真ん中の光はどんどん弱まり消えてしまった。
その調子で20階層まで行くと次からはとても楽に進めるようになった。




