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女子更衣室

体育の授業はみんな更衣室で着替えてから校庭で行うようだ。みんなで着替えるということは女子の生着替えを見るということだ。頭が混乱してきた。それはマズい。僕は脱出をこころみる。一人で教室を抜け出しそうとしたその時ライナにバックハグされた。


『レアハ次の授業は体育だよ。どこに行くのかな?更衣室の場所忘れちゃった?一緒に着替えようね!』

『ひぃっ…!』


のがれらない運命を悟った。僕の脱出は失敗に終わった。そのまま女子更衣室へと連行された。更衣室は心做こころなしか良い匂いがした。入ると辺りを見渡す限り女子、女子、女子。あぁ…どの子も着替えている。ここに男が一人いるのに。ブラジャーやパンティーが無防備だ。


『来ちゃいけないところに来てしまった…。』

『レアハ何か言った?』

『ううん。なんでもないですわ。』


みんなの胸が見えて、キャッキャウフフしている。ここは秘密の楽園かな。けれど考えようによっては天国であり地獄。男の僕がこんなところにいることがバレたら極刑はまぬがれない。決めた。この光景は墓場まで持ってゆこう。そう想いにふけっていると下着丸見えの女子たちがなぜか僕の胸を触ってきた。


『やっ!?』

『レアハ王女のおっぱい大きい!』

『どう過ごして何を食べたら発育が良くなるのでしょうか?』

『教えて!』


もみくちゃに好き放題されている。まさか男が女の子から胸の大きさを憧れられる日が来るとは。


『こら!やめなさい!』


ライナが声を出す。助け舟か。


『レアハの身体は私のものよ!』


違った。そう言って思い切り僕の胸をつかんだ。必死で叫ぶ。


『ちがーう!!』


どうにかライナを片付けて臙脂色えんじいろの体操服に着替えた。着替え中は恥ずかしいのでなるべく自分の身体を見ないようにした。ところどころ見えていたが、そんな時は自分の身体なんだと言い聞かせることにした。そして舞台は校庭へ移る。火照ほてった僕は熱い体温でライナに手を繋いでもらい到着した。


『今日の授業はマラソンよ!』

『えー!』

『走りたくな〜い!』

『まずは準備運動だ。用意できた者からスタートラインに立て。』


しぶしぶ準備運動をした。数年ぶりの体操だ。位置について、よーいドン!ピストルの音がこだまする。

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