いけない妄想
目覚めると部屋の天井が映った。どうやら僕はレアハ王女のベッドに運ばれたようだ。学校での疲れで倒れ込んだのだろう。慣れない女子校だから当然か。しかし、先程の胸の高鳴りはなんだったのだろう。カミに声をかけられた時。あの雷が走ったかのような衝撃。撫でられた時は恥ずかしい気持ちになった。もしかすると女の子の身体の本能に引っ張られている?マズい。僕は男なのに男を好きになるのか?しかもあの王子様と?この身体の実の兄だぞ。いけない妄想をしてしまった。ドキドキして胸を抑えながらもじもじする。その後、メイドに呼ばれ夕食でティールームに集まった。国王、王妃、兄のカミが一斉に集う。錚々たる顔ぶれで食卓を囲んでいる。カミは僕ににこりと微笑む。やめて。キュン死にしちゃう。違う違う。僕は男なんだ。王子に恋なんて有り得ない。そう必死に自分に言い聞かせる。言い聞かせている間にも国王と王妃が僕の今朝の行動をイジってくる。恥ずかしいからやめて欲しい。
『まさかレアハがドレスの裾を上げながら走り出すとは…』
『はしたないからおやめなさい。』
『はい…』
どうやらやめるのは僕の方だったようだ。しょうがないでしょ。ドレスなんて今日初めて着たんだから。
『学校から帰ってきてすぐに倒れたけど大丈夫か?どこか痛いところはない?』
『だ…大丈夫!』
なんて優しい兄なの。惚れちゃいそう。うぅ〜この身体はすぐこういう感情になる。レアハって発情期なのか?