王子との再開
トイレから戻り国語の授業を終えた。大変だ。偏差値が高すぎて授業についていけない。そう考えながら昼食をする。他の女生徒から『ご一緒してよろしいですか?』や『同席したいですわ』と言われたので許可すると、よくわからないガールズトークが始まる。会話のペースが速く男と違う。会話についていけず、ぼんやり宙を眺める。昼休み後の授業もノートを広げてペンを持ったまま固まり、その表情をキープ。授業を終えて放課後、お迎えの高級車で帰宅。疲れた。お城に戻ると見覚えのある人物が出迎えてくれた。綺麗な金髪の男性。高身長。爽やかプリンス。僕と同い年でこのパラダイス王国を治める王子様カミだ。整った顔立ちから眩しい笑顔が放たれる。
『おかえりレアハ。』
その刹那、僕の身体に雷が打たれたかのような衝撃が走った。心拍数が上がる。体温が上がる。跪いて目線を合わせてくれているカミに目を合わせられず、顔を逸らす。
『ただいま戻りました…お兄…様…』
男の時には感じられなかったこの感覚はなんだろう。考える隙もなくカミは僕の頭を撫でて口を開く。
『学校楽しかった?』
『…楽しかった…ですわ。』
『それは良かった。今朝から様子がおかしかったから心配していたんだ。』
そうだ。カミはいつでも優しい。かっこいい。国民や王族から信頼を寄せられている。視界が揺らぐ。意識が遠のいていく。その後、僕は意識を失った。