4話 ひまりちゃんが家に来た
朝になったので、僕はフルーツグラノーラに豆乳をかけて食べた。
お兄ちゃんはまだ帰ってきていなかった。
『お兄ちゃん 今どこですか いつ帰りますか』
少し心配なので、メッセージを送っておいた。
そして僕は公園のゴミ拾いに出かけた。
「あら太郎君。今日も偉いわねえ」
「ありがとうございます」
ゲートボールの練習をしているお婆さんが誉めてくれた。
いい気分で1時間くらいゴミを拾って家に帰ると、
「おはよう。太郎君」
ひまりちゃんだった。
「お、おはよう。ひまりちゃん」
僕はドキドキしてしまった。
「昨日の答え、聞きに来たよ」
「えっと……」
「太郎君。私と結婚して」
「あの……僕は……」
「太郎君の事、ずっと好きだったの」
「僕も……ずっと好きだったよ……」
「そうなんだ。じゃあ結婚しよ」
「うん。結婚しよう」
結婚する事がどういう事かは、まだ良く分からない。
でもひまりちゃんがしたがってくれるなら、ぼくも結婚したい。
それが僕の出した答えだった。
「ありがとう太郎君。じゃあ、市役所に行って婚姻届出さないとね」
「うん」
「でも今日は有馬記念行かないとだから、明日でいいかな?」
「わかった。……そういえば、お兄ちゃんも有馬記念に行くって言ってたよ」
「そうなんだ。次郎三郎君は私の義理のお兄さんになるから、会ったら挨拶しておかないとね」
「そうだね」
僕はとても幸せな気持ちになった。
最近は本当にいい事ばかりが起こるので、怖いくらいだ。