2話 ひまりちゃんに結婚してって言われた
のんびり歩きながらラーメン屋さんに行っていると、ひまりちゃんとばったり出くわした。
ひまりちゃんは、近所に住んでいるポニーテールがとても可愛い女の子だ。
「太郎君。こんにちは」
僕はドキッとしながらも、何とか返した。
「こんにちは」
「太郎君は、どこに行くの?」
「ラーメン屋さんに行くんだよ」
「ふーん」
「ひまりちゃんは?」
「パチンコだよ」
「そうなんだ」
僕はずっと前からひまりちゃんと話しているとドキドキしてしまって、うまく話すことが出来なくなってしまった。
今日もやっぱり上手く話すことができない。
もしかしたら、僕はひまりちゃんの事が好きなのかもしれない。
「私、最近ついてなくてね。パチンコも負けてばっかり。競馬も全然ダメ。もうやんなっちゃう」
ひまりちゃんが悲しんでいるのが伝わってきて、僕も悲しくなってしまった。
「それは大変だね」
「私の人生って、ほんとついてない事ばっかり。なんでかな」
「そんな事ないよ。生きていればきっといい事ある筈だよ」
「ふーん。じゃあ太郎君は何かいい事あったの?」
「僕は今日、一兆円貰えたよ」
「本当!?」
「本当だよ」
「じゃあ結婚しよ」
「えっ!?」
僕はびっくりしてひまりちゃんを見た。
ひまりちゃんはじっと見つめ返してくる。
そして花が咲くように微笑んだ。
「私、太郎君の事がずっと好きだったの。結婚しよ」
「そ、そんな急に言われても」
「おっぱい揉んでいいから」
「ええっ!?」
「お願い。私と結婚して」
嬉しくて、ドキドキして、僕はめまいがしてきた。
一兆円を貰って嬉しかったばかりなのに、またこんなにいい事が起こってしまっていんだろうか。
「ほら、おっぱい揉んでいいから」
僕はひまりちゃんのおっぱいを、見てしまった。
ベージュのセーターが柔らかく、大きく膨らんでいる。
とてもすごいおっぱいだった。
僕は頭が変になって来た気がした。
駄目だ。
このままじゃドキドキし過ぎて死んでしまう。
「ひまりちゃん。ごめん。少し考えさせて」
「分かった。なるべく早く結婚してね」
ひまりちゃんはパチンコ屋さんの方にスキップしていった。
僕はしばらくの間、ひまりちゃんの後姿を見つめてぼーっとしていた。