9.休日とはなんだろうか 其のニ
結奈さんが帰ってからは、特に何もなかった、と言いたいところだが思わぬ伏兵がいた。
その正体とは?それは木下である。
アイツは突然やってきた。
その時僕は、リビングでまたゴロゴロしていると、突然にインターホンがなった。
またこの服で出なきゃいけないのか、そう思いながらドアを開ける。そこには、よお!と言わんばかりの顔があった、それは木下である。
僕の服装を見るなり、なにかに納得したような顔をして言った。
「あぁ、ヒナまた妹さんに女装させられたのか、納得したぜ!」
と、キラッとした笑みを向けてくる、それを振り払い聞いた。
「木下、何の用?」
すると、木下は手に持っていた箱を掲げてニンマリ笑った。
「いやいや、迷惑かけたみたいだからな、ケーキを買ってきたんだぞ?どうせなら一緒に食べようぜ。」
と言う。それなら全然オーケーだ。むしろありがたいな。
とりあえず、木下を家にあげる。
木下を椅子に座らせて、お皿などの準備をしていると、木下は聞いてきた。
「で、どうだった?西野さんは。惚れただろ?俺はもうとっくに惚れてるぜ。でもなーフラれたんだよなー。」
そんなことを言っているので、木下に言ってやる。
「結奈のこと?泊まっていったよ?ここに。」
それを聞いた木下は、目の色を変えて驚いていた。
「ヒナ、お、お前、いつの間にそんな関係に?ちくしょー。それに、名前で呼びやがって。多分いないぞ!あの学校に名前で呼ぶ人は!」
なんか、勘違いしているようなので、説明を付け加える。面倒くさいので。
「まてまて、なんか勘違いしているようだけど泊まっていったのは、妹の策略であって、そして、ここにきた理由は僕の忘れ物を届けてくれただけだよ。」
それを聞いた木下は、どこかほっとした様子になった。
そして何故か頭をクシャクシャ撫でてくる。
「まあ、理由があるなら納得だな。それより、妹さんはでかした。ヒナの可愛い姿見えたし、今度の文化祭はそれ着てくれよ。」
うへえ、何言っているんだこいつは、なんかやだな。ケーキを食べながら思う。
しかし、お詫びの品を買ってきてくれたので水に流してやろう。
ケーキを食べ終わると木下は帰っていった。また来たときはご馳走になるぜ!とキメ顔を残して、なんだったんだろうか。
明日のことは、木下には話していない。もし話したとしたらまた騒ぐからだ。
近所迷惑になるといけないからね。
明日は結奈さんと外出、振り回されそうだなぁと思う僕だった。
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