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隣の席の女子がグイグイきています  作者: 黒い糖
第一章 春は出会いの季節というらしい
7/22

7.夜ご飯

 夜になりました。結奈さんはまだ僕の家にいます。芽衣と楽しく話しながら僕お手製のカレーを食べて。


「ヒナくん!このカレーすごい美味しいよ!」


「あ、ありがとう。」


 素直に褒められたのでめちゃ顔が赤くなる。まだ女装してるからかもしれないが、賞賛はしてくれているので嬉しかった。芽衣も気に入っているようでモリモリ食べていた。


「お兄!おかわり!」


 と言いながら皿を渡してくる。こいつめちゃくちゃ食べるな、もう三杯目だぞ?


「食べ過ぎじゃないか?三杯目だぞ?まだ食べるのか?」


「大丈夫、大丈夫。私太らないからね!それにお兄が作ったカレーだよ?食べなきゃ損だよ損!」


 と言っている。そんなに美味しく食べてくれるのはありがたいが、食べ過ぎとまた言いそうになるが、言っても無駄だなっと思ったのでやめておく。仕方ないので三杯目をよそう。芽衣に渡すと「これで終わりにするから」と言って食べはじめた。


 一方で結奈さんはというと、僕と芽衣のやりとりを眺めていた。芽衣が食べ始めて目があった。こっちへ来いとばかりに手をくいくいしている。


「仲良いんだね、芽衣ちゃんと。」


「う、うん、そうだね。芽衣とはまあまあかな。」


 仲良い風に見えたらしく、モゴモゴしながら答えた。その時結奈さんの顔を見ると何かを思い出したかのような笑みを浮かべていた。

姉でもいるのかなっと思っていると、結奈さんはそんな僕を見て近づいてきた。


「ねえねえ!思ったんだけど、今度のショッピングもそういう服できてよ!」


「それは...ちょっとね。」


 遠慮する感じで答える。流石に人目のつく場所でこんな女装みたいなことはしたくはない。


「そっかあー、残念だけど。」

 

 めちゃくちゃ悔しそうな顔をして結奈さんは言った。こちらとしては、良かった。


「そういえば、いつ帰るの?」


「へ?あー明日は休みだからここに泊まる!芽衣ちゃんにも親にも許可は取ったから大丈夫!」


 と予想外の言葉が返ってきた。まじか!この短時間でここまで仲良くなるのか?すごいな芽衣は。でも初耳だよ?


「芽衣!それ本当か?!」


 ちょうどカレーを食べ終えた芽衣に聞く。すると芽衣はてへぺろっと舌を出してなんともいえない顔になった。


「説明してなくてごめんね、お兄!」


 芽衣のおてんばには毎回驚かされる。それはそうとして、寝るところとかはどうしようかと考えた時、芽衣が言う。


「あ、そうだそうだ。結奈さんは私と一緒に寝るので、そういうことで。」


 それなら問題はない。いや、問題なのだが、こういう時の芽衣は話を聞かないのでほっとくのが最適解だろう。


 やることも特にないので、自室に行く。結奈さんは芽衣の部屋でわいわい話をしている。仲が良くなるのは良いことだ。しかし、泊まることは知っておきたかったなあー。そう思いながらまぶたは閉じていった。

週二1回目

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