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5 私がキュレネの王女ってそれどんなバッドエンド

「ていうか、自分の息子に陰謀で殺されるとかどんなんよ………」


「まぁこの時代に限らず、権力が絡むと人間はろくなことしませんよねぇ」


「あっ、ていうかお父さんがメガス王ってことは、あたしもキュレネの王女ってことじゃない」


「そうですよ、ナディアスはあと2年で死んでしまいますから、その後はあなたが正当な王位継承者となってキュレネを統治することになります。」


「なんでっ!?」


そういえば、ナディアスなんて名前、前世で聞いたことない……


「そうです、ナディアスはあなたの異母兄弟で、あなたのお母様を支持する者に殺され、歴史上から名前を消してしまいます。ヘロドトス※はナディアスの名を書き記さなかった。」


「ちょっと待って、理解が追いつかないわ。」


ドロドロしすぎてこれから自分の身の回りで起こると思うとくじけそうになる…


ヘロドトスは、古代ギリシアの歴史家で、歴史という概念を生み出した学者だ。「歴史の父」とも呼ばれている。


学内成績は、研究所と発掘現場に通い詰めて出席数が致命的でボロボロだったが、ヘロドトスくらいはわたしにもわかる。


「兄様とは、お母さんもちがうってわけか……一体何人の妾がいることやら……」


と、思いを馳せたが、兄が殺されるという事実に意識を引き戻された。


記憶がないとはいえ、ナディアスがベレニケを可愛がっていたのは先の態度で十分伝わってきていた。


そんなお兄様を死なせるわけにはいかないだろう。


「問題が山積みね……」












※ヘロドトス


前5世紀のギリシア・アテネの歴史家で、『歴史』の著者。ギリシアだけではないオリエント世界についての正確な描写から、人類最初の本格的な歴史叙述とされる。

ローマの弁論家キケロは彼を「歴史の父」と賞賛した。

『歴史』の中で「エジプトはナイルのたまもの」と評したことも有名。

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