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――なんだったんだ、今のは?
幽霊? それとも……。
俺は考えた。
考えれば考えるほど、わけのわからない恐怖心が俺に重くのしかかってきた。
――と、とにかくさっさとここを離れないと……。
車は田舎の細道に似つかわしくないスピードとなった。
そして。
――! !
前方にまた男が立っていた。
先ほどと全く同じ男が。
俺はブレーキを踏まなかった。
かわりにアクセルをさらに踏み込んだ。
翌日、平凡な会社員の男が逮捕された。
容疑は轢き逃げであった。
昨晩未明に一人の男を車で轢き、そのまま逃走したのだ。
轢かれた男は、発見されたときにはすでに死んでいた。
近くの大学に通う学生で、三つ子の三男だったと言う。
終




