閑話 スキル事典:第零感
動物は見て、聞いて、嗅いで、感じて、そして味わうことで外界の情報を得ている、と言うのが“五感“という感覚の分類である。
この分類では平衡感覚などが含まれていないが、説明するにはわかりやすいというメリットもある。
“五感“という分類を前提として、五感に依らず五感を超えた認識を“第六感“と呼んでいる。
ホームに入って来た電車、一見何の変哲なところもないがなんとなく嫌な予感がして乗るのをやめた。その電車は脱線事故を起こし被害は甚大であった。
などが第六感の例としてあげられる。その特徴は五感では異常を感知出来ず、なぜそう感じたのか説明できないが間違いないと確信していたことである。
では【第零感】とは何かと言えば、外界の情報を分類する前の混然とした情報をそのまま受け入れる感覚である。“共感覚“を例にするとわかりやすい。
“共感覚“とは、本来一つの器官が受容する刺激と対になっているはずが、複数の感覚を生じさせる知覚現象である。
例えば目は光を通して物を見る器官だが、共感覚を持つ人の中には音が高さによって色がついて見えたりするという。
【第零感】を持つ者も同じように、
目で見て聞いて嗅いで感じて味わい、
同様に耳で鼻で肌で舌であらゆる感覚を仕分けることなくただ受け入れるのである。
故に【第零感】を持つ者は、持たざる者とは見ているーーー否、住んでいるーーー世界が違う。
視覚の正確さで、
聴覚の広範囲を、
嗅覚の敏感さで、
触覚や味覚の繊細さで
周囲の情報を無意識に得ているため、文字通り人の見えぬところまでも知りうるのである。
一方で、五感の分類でみても情報量は5倍以上。実際には10倍以上もの情報量の処理に脳の容量を割かれ、代わりに身体的に不自由になる者が殆んどである。
但し、何らかの方法でこのスキルを使うのに不自由しない肉体を得たなら、無意識に読み取った情報とこれまでの知識・経験を組み合わせることで予知にも似た結果を編み出すことが可能になる。
このスキルは職業などの一般的な方法では入手不可能。称号“神童“取得でのみ入手できる。
神の御力に手をむやみやたらと手をだせば、己の身を討ち滅ぼすであろう。
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