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ゴーストレート

 タキタテは弱いものイジメをする気がない。

自然、戦う相手は自分より格上であり、そしてその全てに勝って現状の強さに至った。


 中には強い相手……だけではなく厄介な相手というのも数多くいた。

その代表的なものが“空を飛ぶ“魔物である。彼らは上空から虎視眈々と隙を狙い、急降下して襲ってくるのだが、タキタテはただジッと耐えてチャンスを待つしかない。

それも、一度ミスったなら相手は油断を戒めてより険しい戦いになるか、または逃げられるのである。

カウンター一閃、タキタテの最も得意とする技だ。



 だが、タキタテは思う。



  “空を自由にー飛びたいなー“


 自分も飛びたい、気持ち良さそう。ニクスもきっと喜んでくれるにちがいない。


 これがタキタテの現在の夢ーーー目標である。

既にある爪をしまえるようにするのとは違いないものを作り出す、または別の方法で実現するのは困難だった。それでもタキタテは思考錯誤している。



 だが、現実というやつはなかなかに厳しい。いつだって準備が整うのを待ってはくれず、手持ちの能力ちからで乗り越えなければならないことが多い。


 飛ぶ相手に対しよりよい対抗作は何か?それを常に頭の隅においていたからか、竜の【ブレス】を喰らった時に閃いたのだ。


   “これが出来たらカッコイイかも“


 竜との戦闘中にも間合いが開く度に試してみてはいたのだ。そして3度目には闘気を飛ばすことは出来たものの、何か違う。


 元々虎系の魔物は闘気を使い身体を強化して戦う魔物であり、魔法との相性は良くない。だが、素地が強固な肉体を持っているため、身体強化したときの能力の上がり幅は大きいため、どちらかといえば魔法よりも闘気の方が種族的には合っているのだ。


 闘気は物理的な攻撃を強める特性がある。一方魔法は魔力を他のエネルギーに変換して、より状況に適した結果を出すのに向いた器用さが売りだ。


 どちらの方が上ということはない。だが、タキタテは焔を吐いたりしたかったのだ。バーベキューの時の火付けにも便利だし。


 だが、相性が悪かった。

いつか何とかしてしまうかもしれないが、それは今ではなく、そして今状況は不利であった。

そんな中タキタテは何とかしようと足掻いた結果、



         “ポゥ“


 戦場に不釣り合いな間の抜けた音がした。

高速で放たれた闘気の塊は真っすぐに竜へと向かい、余裕をもっていた竜は何かに気づいたのか氷の鱗を飛ばして相殺を狙う。


 気弾と氷弾がぶつかる。

氷塊は割れることなく

   



         粉々に粉砕された。



 結果は相殺。

だが、それは竜にとって脅威となる手段をタキタテがもったことを意味していた。


 一方のタキタテは竜の驚愕など介することもなく、できた!嬉しい!!という気持ちを滲ませていた。戦闘中でなかったら、ニクスに“褒めて褒めて“とアピールしてしまったかもしれない。


 爪をしまえるようになったときに覚えた“達成感“。

それによる充足感。それはひどく気持ちが良くて暴力による開放感からタキタテは完全に解き放たれていた。


 


 タキタテが考えたのは、闘気をただ飛ばすのではなく、なんらかの“特性“を加えることだ。魔法的特性は今すぐには無理だと中断。直感のままに、喉を鳴らし、頑張って高める。その高周波振動を闘気にのせて放ったのである。

 闘気と相まって強化された高周波振動は触れたものを木っ端微塵に吹き飛ばした。



 ニクスは乙女らしからぬ大口を開けて驚いていたが、


「めちゃくちゃ過ぎ」


 と呟いて表情を引締める。

竜は警戒してなお、回避という手段を選択肢に入れているようには見えなかった。


   “背後に何かを守っている“疑惑はさらに濃くなった。


「タキタテ!私は前だけを見て行く!背中は任せた!」


 ニクスは弧を描くように若干迂回するように竜の背後を目指して駆け出した。

それは竜巻の暴風圏ギリギリを走るようなものだった。巻き込まれれば容易く飲み込まれてしまうだろう。


 ニクスの視線は前方にだけ向けられていた。


 





 こんばんは、ご覧いただきありがとうございます。


 桜も散り、すっかり葉桜となってしまいました。

爽やかでこれはこれで好きなのですが、毛虫とかは嫌ですw


 畑を起こしたりと、休日なのにすることが多く、土日更新より平日の方が楽かも?と思い始めた今日この頃。

週1更新はするつもりですが、ちょっと不定期になったらごめんなさい。


 ゴールデンウィーク目指してもうちょい頑張りましょう。

ではあでぃおす。


PS 毎度いろいろとネタをぱk……本歌取りしていますが、バレてるんでしょうか。

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