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閑話 異世界でのクリスマス

 ニクスとなって異世界で生活を始めた年、王国は失活期の85日。


 現実となったLETと前世の地球では月日や季節に差異はあったものの、この日はクリスマスであった。


 無論イエスの生誕を祝う日がこの世界において意味があったわけでもない。しかしゲーム時代、プレイヤーがそんなイベントを持ち込まない理由がなく、真人たちが盛大に行っていたイベントは意味は失われながらも、彼らを崇める人々によってこの地に根付いたのも無理はなかったのである。


 “謝恩祭“と呼ばれるようになっていたが、その本質は変わらない。若い男女は愛を囁き、家族は集まって日頃より少し豪華な食事を共にする。

王国の王都、町でもこの日は非常に賑やかであった。



 王国方面の未開地において、悩まし気に眉間にシワを寄せる少女がいた。

中身は社会に出ていたはずなのに、肉体に引かれるのか、大人らしさの感じないニクスである。


 お手製の揺り椅子にあぐらをかいて背を預けているニクスは腕を組んで考えこんでいた。結界術で体を被えば、熱の出入りをコントロールすることができる。そのため、ニクスの格好は動き易さ優先の白地に黒のタンクトップに焦げ荼のホットパンツと言った見ている方が寒くなりそうな見た目であり、むきだしの腿や二の腕がみずみずしい。顎に手をやりながらうーむと口にするのは何度目だろうか。


「よし!やっぱりご飯でいいや」


 ピシャリと膝を打ったニクスは動き出せば行動は早かった。


 今日はクリスマス。家族のために何かしようと思ったニクスであるが、そこはさすがにぎゅーころたちに物を上げて喜ぶ物が思いつかなかったのだ。

人化できるようになったメェテルならともかく他の子らにはブラシくらいしか考えつかなかった。


 真人たちにより、この世界にはトランプやチェス、オセロといった娯楽はある。しかし牧場のメンバーの中でそれが役立つのはメェテルだけだろうとニクスは思っている。実はタキタテもそれらを解することができるし、大きく丸い手でありながらも器用に動かせるのだが、ニクスは無理だと思い込んでいる。タキタテ涙目。


 そんなわけだから一家共通での娯楽といえば“飲み食い“になる。美味しい食べ物を囲んで過ごすのは楽しい。


 タキタテが好きなのはオムライス。こればっかりはジーニャが分けてと言うと少し悲しそうにするのをニクスは知っていた。


 ジーニャはパン粥だ。モーミルと特製のハチミツで甘く煮たのが好きだ。身体には悪そうなのであまり作らないが今日のところは特別だ。

お米やみそ汁が材料の関係などで手に入らないのでパン粥なのだが、ねこまんまでいいのかは謎だ。


 メェテルは人化できるようになったせいか、割と味覚が変わったようで今は甘味が好きなようだ。ご飯とは別になるが、クリームぜんざいとか出してみよう。乳製品と小豆(正確には小豆ではない豆)が妙に合うことを教えてみよう。


 こっこさんは焼き鳥の盛り合わせだ。醤油が作れないので塩味なのだがお気に入りらしい。正直同類じゃないのか?と気になるのだが、意味がわからずに首を傾げる様子がかわいかったのでありだ。


 ぎゅーころはチーズが好きだ。元々草食系なのか葉野菜も好きなようで、シーザーサラダ(チーズかけたサラダ)でいいかな?と思う。


 異次元倉庫があれば時間を停めておくこともできるので、朝から随時作っていくことができる。


 タキタテに手伝ってもらい、魔の森の中心にある黒耀樹こくようじゅと呼ばれる木を引き抜き(タキタテがねこパン☆で倒してしまい怒られる。そのあとエリクシルMkー2を希釈したものをかけて再生した)、牧場内に【レンガ製品作成】で簡易の花壇を作り植える。【属性魔法(光):ライトボール】によって作られた無数の光源が瞬き、色を変えながら黒耀樹の周りを踊るように飛ぶ。


 みんなは不思議そうにその光景を見ていて、ジーニャはその光に飛びついていたりする。タキタテもウズウズしながらも必死に堪えている。


 普通なら当日になって準備をして間に合うものでもなかったが錬金術師にとっては造作もない……とは言え、ツリーが準備できる頃にはすっかりいい時間になっており、寒さを感じない彼らは好物と酒に舌鼓をうちながらツリーを囲んでいた。皆ご機嫌である。


 エリクシルMkー2があるので二日酔いの心配は不要だ。最もニクスが作れるのはジンジャービアとハチミツ酒だけであり、度数は高くない。ニクス以外はその心配は元々なかったのだが。


 ーーークリスマス。少し日本のことを思いだし、しんみりとしてしまったが、ふと視線を上げれば皆がどうしたの?とばかりにこちらを見ていた。


 彼らの心配を振り払うようにニクスは追加の食事を取りだし、多種多様のもふもふに顔を埋めて抱き着いて回ったのだった。

 年末に向けて仕事も忙しく、家の中の大掃除にと少し手が回らずお待たせして申し訳ありません。


 落ち着いてきたので定期で書いていきたいと思います。


 クリスマスネタをクリスマスが終わる15分前に書いている事実(驚

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