月下のお茶会 フローレア4
“乙女心と秋の空“
どちらも移り変わりしやすいことの例えで主に女性の心変わりに対して使われる。
無論、フローレア達の世界において一般的な言葉ではなかったが、その本質までは変わらない。
年頃の女性たちに振り回される男たちが首を傾げる様子は所々で見られるのである。
時代の流れの中で消えずに残ったものにはそれだけの真理を表していたということだろう。
最も異世界でも通じるなどと想像したものはいないだろうが。
そして、もう一つ。
皆が皆というわけではないだろうが、ガールズトークは話しているうちに話題がコロコロ変わり二転三転、右転左転、あっちに飛びこっちに飛びそして時に飛び火して炎上するものである。
今もまた、牧場の生活や家族自慢、憧れの“初代様“の話を聞きたがりうっとりと頬を染めるフローレアに、ニクスが話すレギウスの印象は同一人物とは思えず、フローレアは目をパチクリさせることになる。
孤塔で過ごす少女と牧場で過ごす少女。どちらも話す相手がいないわけではなかったが、やはり同年代での会話は楽しかったのだ。
「それにしても、四国の中で侵略ねぇ。そんなことしてる場合じゃないと思うんだけどな。両雄並び立たずってやつかな?」
そしていきなり真面目な話に飛んだ。腕を組み、椅子の上であぐらをかくように座るニクスは少々ならずはしたない。一方でちょこんと座るフローレアは手つき一つとっても洗練されていた。
対比的な二人ではあったが、往々にして真逆の性格の人間たちが気が合うことはよくある。一方で同属嫌悪と言うように似たもの同士で生理的に敵意を抱くこともよくある。
フローレアはニクスの気のおかない態度にどことなく安心したし、ニクスはリアルお姫様スゲーとか思っていた。
「“両雄並び立たず“ですか?」
可愛らしく首を傾げるフローレアにこれが“萌え“か。わかってしまった、などと考えてしまう。
「うーん、要するに頂点に立てるのは一人だけってことかな。帝国が王国を呑もうとしてるんでしょ?」
その発言に対し慌てたように首を振るフローレア。
「ニクス様、それはありません。真人の方々が地上を去ってより、四国は手を取り合って領地を守らねばならないと認識しあってきたのです。隣国とは定期的に親睦会を開いており、帝国とも先日…まさか!」
フローレアは口元を隠すように手で覆いながら表情を青ざめさせていた。
お待たせしました。
お盆まで今少し手が空かないのですが、投稿ですにゃ!




