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再会



「はぁ……」


 きらびやかな会場にため息が零れる。帝都ニーウ゛にある迎賓館で行われているパーティーの場であり、幸い賑やかなためため息は誰にも聞かれていなかった。


「陛下、ここは一応外交の場なのですよ。そのような姿を誰かに見られたらどうするんです」


 陛下、と呼ばれたのはシンプルながら仕立ての良いドレスを着た少女……フローレアだった。まだ微かにあどけなさを残すフローレアであったが、王の立場が、装いがそれをも魅力として引き立てていた。


「そもそも、今回の目的は無事にお済みになられたじゃないですか。安堵するならまだわかりますがなぜため息など……」


 そのようにフローレアに苦言を呈しつつも身の回りの世話などをするのは自身もドレスで着飾ったルリネイアだ。


 彼女達は王位を継いだ挨拶に帝国へと訪れ、皇帝への挨拶、会談といった行事を無事に終え、この日は帰還するフローレアたちの送別会であり、帝国の者たちとの縁を取り持つ機会の場であった。


 そもそも、この新王の挨拶回りとは四国の和を深めると共に新たなる王が助力を得る機会として設けられたのかもしれない。


「始めに国境沿いで帝国の兵士たちが構えていたときは焦りましたが、それも誤解でしたしそのあともいろいろ良くしていただいたし、陛下もしっかり役目を果たされたと思います」


 先触れで知らせた日時に合わせて帝国へと赴いたフローレアたちは国境沿いで帝国兵士たちが構えているのに直面し緊張が走ったのだが、結局は杞憂であった。帝国方土では魔物を狩り尽くして安全を保つようなことはしていないため、身を守るために派遣されたのだと隊長から説明を受けたのだ。


 同時に帝国兵士の実力を見せるデモンストレーションの意味もあるのです、と言う隊長はゴツい身体の割に口も達者であった。


 実際、説明通り道中は何度か魔物が出た。王国の護衛の者たちでもどうにか出来ただろうが、やはり疲労はしただろう。


「……そうね、今回の旅の目的は無事に果たせて少し気が緩んでいたのは違いないと思うわ。だけどため息の理由はこれよ」


 そう言って手元のテーブルに右手をのせた。


「帝国のお人柄も思っていたのとはいい意味で違ったし、パーティーも気楽にしてよくて助かっているわ。だけどね、ローストチキン、ステーキ、ペキンダック、ケバブ、豚の丸焼き、チャーシュー、生ハム、タタキ、薫製、から揚げ、ザンギ……。」


「どれも美味しいですよね」


「ええそうね。下処理も熟成も完璧、お料理に一番あった素材を使っていて味付けも文句の付け所がないわ。だ・け・ど!、ちょっとお肉の割合が多過ぎじゃないかしらっていうか全部お肉よね、これ。みんないかにも当然って感じに楽しんでいて私がおかしいのかしらという気になってきたわよ」


 帝国自慢のワインの注がれたグラスと様々な料理(ただし肉に限る)が盛りつけられた皿。


「お会いになった方々が勧められるものを全部とらなくてもいいじゃないですか」


「仕方ないじゃない。次に話す時に話題に出来たら話も弾みやすくなるでしょ」


「はぁ、無駄に生真面目なんですから。半分お引き受け致します。気に入ったものがあればそれだけ追加してもらえばいいんですから」


 困った子ですね、とばかりにフォークで切り分けるルリネイア。実際帝国人向けの料理は一人前が大きめであった。


「ありがとうって、ルリあなた結構食べてるわね」


「肉料理に関しては帝国はピカイチですよ。これは味わっておきませんと。フフフ。」


「……あなた、肉食系だったのね。長い付き合いだけどまだまだ知らないことがあったわ。」



 そう言ってクスクスと抑えながら笑う二人であった。


「フローレア陛下、ご歓談のところ申し訳ありませんが少しお時間をいただけますか?」


 スッと笑みが引いたフローレアが声のした方へと顔を向ける。そこにいたのは帝国では珍しい細身の青年で、


「お久しぶりですね、セプテム様。」


 フローレアはそう声をかけた。

 

 御覧頂きありがとうございます。

今回の話はどうもうまくかけず時間が経ってしまいました、申し訳ありません。まだ納得出来てないので修正を入れそうなのと、短くなってしまったので続きを近々更新予定ですのでご容赦を。


 ニクスが帝国の問題を解決してから半月ばかり日が経っております。その間にフローレアと身の回りのお世話をする者たちと護衛の兵たちとで帝都ニーウ゛へと訪れ、今後ともよろしくねという挨拶をしました。

 

 お国柄の違いに戸惑うことも多くありつつもとても親切にしてもらってます。


 一方で、帝国の者たちからすると、フローレアは国王でありますが、少女であり同時に彼らからすると触っただけで折れてしまいそうで、パーティーではいっぱい食えと勧めています。


 帝国で聞いたことがある料理名がたくさん出てくるのはゲーム時代の名残です。肉料理のレシピが欲しければ帝国方土へ行くべし、ってことです。

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