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思い付いた話

愛してます

作者: 雨森しと

あなたがこの世を去ってからずいぶんと経ちました


この両足はあなたと歩くためのもの

この両腕はあなたを抱きしめるためのもの

この耳はあなたの声を聴くためのもの

この目はあなたを見守るためのもの

この口はあなたに想いをつたえるためのもの

私の全てはあなたのためのもの



ある日悪魔が私に囁きました


「あなたの大切な人を生き返らせてあげます」


「そのために供物が必要です」


「その両足、私にください」


両足がなくても

あなたを抱きしめることはできる

あなたの声は聞こえる

あなたを見守ることはできる

あなたに想いをつたえることはできる


私は両足を捧げました



ある日悪魔が私に囁きました


「あなたの大切な人を生き返らせるための供物が足りません」


「その両腕も、私にください」


両腕がなくても

あなたの声は聞こえる

あなたを見守ることはできる

あなたに想いをつたえることはできる


私は両腕を捧げました



ある日悪魔が私に囁きました


「まだまだ足りません」


「その耳と、目と、口、全て私にください」


耳と目と口がなくても

あなたを愛することはできる

あなたの帰りを待つことはできる


私は耳と目と口を捧げました



ある日悪魔が私に囁きました


「最後にその命、私にください」


命がなくても


あなたの幸せを祈ることはできる

どうか幸せになって


私は命を捧げました




ありがとう

愛してました

私は幸せです

さようなら

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